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    <title>「囲碁」ってこんなに面白い！</title>
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    <description>“入門前”の囲碁ガイド</description>
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      <title>第12回：海外の「囲碁」のお話</title>
      <pubDate>Wed, 22 Oct 2014 00:00:00 +0900</pubDate>
            <description>今回は、海外のお話です。スイスの、とある場所──私たちが想像もできないような場所──で子供たちに囲碁を教えている日本の女性をご紹介しようと思います。スイスといえば、個人的に思い出すのは、３０年以上も前のこと。その年は、父の留学に強引についてゆき、たった１年でしたがパリに住んでいて、夏休みに家族でスイスを旅行しました。「えええ！」と笑いながら驚いたのは、街の公園にあった大きなチェスセット。路面に市松模様のマス目がきれいに塗られており、いい年をしたおじさんたちが、身の丈ほどもある..</description>
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今回は、海外のお話です。

スイスの、とある場所──私たちが想像もできないような場所──で子供たちに囲碁を教えている日本の女性をご紹介しようと思います。

スイスといえば、個人的に思い出すのは、３０年以上も前のこと。

その年は、父の留学に強引についてゆき、たった１年でしたがパリに住んでいて、夏休みに家族でスイスを旅行しました。

「えええ！」と笑いながら驚いたのは、街の公園にあった大きなチェスセット。

路面に市松模様のマス目がきれいに塗られており、いい年をしたおじさんたちが、身の丈ほどもある駒を両手で抱えたり、引きずったりしながらチェスを楽しんでいたのです。

チェスのルールは全く知りませんでしたが、長い距離をナナメに動かしたり、相手の駒を取ったりという、おじさんたちの重労働の度に、手を叩いて喜び、子供心にも「こんなふうに、疲れ果てながら一生懸命チェスをして、いい国だなあ」と羨ましく思ったものです。

そして「碁は無理だなあ。盤が大きすぎるし、石の数が多すぎるから」と残念に思ったのでした。

ところが、です。

じゃじゃーん。


<a href="http://si-igo.up.seesaa.net/image/2.jpg" target="_blank"><img border="0" alt="2.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/2-thumbnail2.jpg" width="370" height="277"></a>


スイスで働いている友人の智ちゃんからこんな写真を入手しました。

これは紛れもなく囲碁。
さすがに路面ではなくテーブル状になっているようですが、公園に登場したのですね。後方には懐かしいチェスも。（意外に小さかった…思い出すたびに、頭の中で駒が大きくなっていたようです）


<a href="http://si-igo.up.seesaa.net/image/3.jpg" target="_blank"><img border="0" alt="3.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/3-thumbnail2.jpg" width="277" height="370"></a>


碁石は、このように収納されていて、横から取りだすようです。


<a href="http://si-igo.up.seesaa.net/image/1.jpg" target="_blank"><img border="0" alt="1.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/1-thumbnail2.jpg" width="370" height="295"></a>


でも大きいと遊びにくいのでしょうか、せっかくの大きな碁盤を使わずに、こじんまりと遊んでいる写真も……

ともあれ、３０年の月日を経て、写真であろうとこんな光景を目にするとは思ってもみなかったことであり、一人おおいに歓喜興奮した次第です。


　＊


さて、同じスイスながら、都心から遠く離れた山あいのお話です。

ここに、５歳から15歳の子供たち40人ほどが入っている全寮制の「学校」があります。Ｈさんは、日本人女性ですが、この「学校」で、なんと囲碁を教えているのですね。

その「学校」の存在など、日本で知る人はほとんどいないでしょうし、ましてやそこで囲碁を教えている人がいる、などということは、日本では誰も知らないと言ってもよいかもしれません。

まず、「学校」の説明をしましょう。
正確には「学校」とは少し違うのですが、日本には存在しない施設なので翻訳する言葉がありません。そこでとりあえず「学校」と呼ぶことにします。

寮に入っている生徒たちの共通点は、家庭に問題があること。彼らを保護する目的で、「青少年保護サービス」や裁判所が依頼し、預けられていること。もともと身体や精神の障碍はなく、環境による問題が理由で学習障碍や行動障碍を抱えてしまった子供たちが多く、半数は精神安定剤や抗鬱剤を処方されているそうです。

成績や行動に問題のない子供は、ここから公立の学校に通い、学習や行動に問題のある子供は、ここに付属する「学校」に通います。

「学校」は５クラス。
カリキュラムは一応、一般教育のプログラムを参考にしているのですが、それぞれ問題を抱えている子供たち一人一人に合わせたアラカルトレッスンをしているそうです。

「１クラス最大８人しかいないのでできることですね」とＨさん。
以下は、Ｈさんからのメールです。


学校アレルギーの子供たちは丸一日教室にいるのは無理なので、一般の科目（フランス語、数学、一般教養）以外に重要なのが「アトリエ」。芸術的なもの（図画工作、彫刻など）から将来の就職を考えた技術的なもの（木細工や自転車修理）。他にもロッククライミング、新聞編集、ビデオ製作、修理、料理、庭栽培、ヒップホップ、英語、陶芸（セラピー）、自己表現（セラピー）、童話（セラピー）、マリオネット（セラピー）、サッカー（セラピー）、職業探しなど、色々あります。基本は希望者（教師とEducateur:下記参照）が好きなことを各自教えます。そのアトリエの一環で私は囲碁を教えています。


日本語にあるかどうか分かりませんが、フランス語では教師とEducateurという職業は別で、教師は学校に関することの面倒を見ます。Educateurは生活（食事、健康、清潔、寝泊りなどなど）に関する面倒を見ます。基本は８時半から１２時と１時半から３時が学校の時間で、教師はその間子供たちの面倒を見ます。Educateurは起床から夜寝るまでそれ以外の時間、ローテーションを組んでの担当です。だからこの施設は教師よりEducateurの数のほうが圧倒的に多いです。


Ｈさんは、なんらかの理由（障碍など）で一般の授業についていけない人たち（子供、大人問わず）に教える資格を持っている「教師」で、この職業についたのは2005年。最初の研修先で「囲碁を教えるのがいいんじゃないか」と思いついて以来、勤めた全ての学校で囲碁を教えてきたと言います。

今の学校では、2012年の９月から教えるようになり、週に１回、２時間の授業。校長先生は、Ｈさんの「囲碁に対する情熱を買って」採用を決断されたそうです。

では、なぜ、Ｈさんは彼らに囲碁を教えようと思ったのでしょうか。一言でいえば「自信を持ってもらいたかったから」だと言います。


基本的に私が落ちこぼれの生徒達に囲碁がいいと思うのは、彼らにとって新しく、未知の知識だからです。生まれてからずっと落ちこぼれで周りから馬鹿にされてきた子達は、囲碁ではみんな同じスタート、しかも親や他の先生や大人が知らない、できないこと。何かを理解する、上達する喜びを初めて味わえる。彼らは実は落ちこぼれなんかじゃないけど、自信がボロボロですぐ挫折するんです。だから囲碁を通して、多少の困難にも挫けず頑張る力を養うんです。


Ｈさんご自身は、スイスのカフェで、フランス人マスターから囲碁を習ったとか。残念ながら、その師匠は2003年に亡くなられましたが、「親ほど年が離れていたけれど本当に気が合って親友と言ってもいいくらい」「一番大切なもの（囲碁）をくれた彼のことは今でも忘れません」「いつも彼の声が聞こえます。本当に感謝してます」と言葉が尽きません。囲碁を通じたこんな出会いも、感動的だなあと思います。


さて、この「学校」の生徒たちのこと、指導する教師の皆さんの大変さについては、想像してもしきれないものでしょう。暴力など、生徒たちが引き起こす問題を抱えきれずに、辞めていく教師やEducateurも少なくないと聞きます。

そんな中でＨさんは、昨年からは月に１回、３〜４人の子供たちを、長い道のり引率してローザンヌ囲碁クラブに参加させるなど、校長先生の御眼鏡にかなったとおりの熱心ぶり。

子供たちからひどい仕打ちを受けることも、涙を流すことも、心が折れそうになることもあるそうですが、「もちろん、いい事もたくさんあります」と乗り越えて今に至っています。


発達障碍で、家でも虐待を受けている少年がこの一年でとても変わりました。棋力もさることながら、ずいぶん自立して、他の生徒達にいじめられなくなりました。もう卒業してしまいましたが、彼の精神科医が囲碁をとても買ってくれていて、できれば次の学校に行っても続けられるよう色々配慮してくれるそうです。彼は「読書アレルギー」で、何か読ませようとするとその紙をビリビリに切り裂いてしまうんですが、初めて読んだ本が囲碁の本で、しかも続けて１１回も読んだんです！


一人囲碁が大好きな子がいます。その子はまだ１１歳で、しかもまだまだ行動に問題があるので、しばらくはここにいると思われ、その間に棋力もかなり伸びると思います。彼は怒ると周りが見えなくなります。私に対しても何度も信じられないことを言いました。でも囲碁を通して、というか「囲碁を教えてくれる人」の私に対して何か特別な信頼感を抱くようになったみたいで、段々ひどい事を言わなくなり、言っても後で話し合えるようになりました。彼は「文字アレルギー」で文字を書くことにとても抵抗があります。でも囲碁の格言は一生懸命きれいに書くんです。彼は囲碁合宿で超値下げした碁盤を買い、碁石を囲碁クラブに注文しました。でもその直後寮のお金を盗み、彼の担当のEducateurに碁石代を拒否されました。でも終業式の日の囲碁大会で見事優勝したので、賞品をその碁石にしました。家に帰る直前、双子の弟と一緒に挨拶に来て、「これで夏休み弟と打てる！」とうれしそうに言ってました。


　＊


現在、欧米では、中国と韓国が熱心に囲碁普及をおこなっています。

アメリカでは、アメリカ囲碁協会（America Go Association http://www.usgo.org/）・北米プロシステムが、韓国囲碁協会の協力のもとに発足して３年目となり、認定のプロが３名誕生。韓国での棋戦に参加できるようです。

ヨーロッパでは、中国の企業がスポンサーになって、年に一度のプロ試験を行うと聞きました。希望者には６カ月間中国で院生をするための奨学金も出るそうです。

まだまだ「Ｇｏ（碁）」は国際的にも共通の呼び名ですが、スポンサーによっては、ウェイチ（中国での「囲碁」）・トーナメントや、バドゥク（韓国での「囲碁」）・トーナメントと呼ばれることもあり、少－しずつ、呼び名が変化しつつある、という声も耳にします。

もちろん、どういう呼び名であれ（本当は「Ｇｏ」がいいなあと思っていますが…笑）、囲碁が世界中に広まってゆくことは喜ばしいことです。プロを目指すような強い子供たちが世界中に増えてゆくのも頼もしい限りです。囲碁を打つ人が、これから何千人も何万人も増えていって欲しいと思います。

その一方で、強い弱いも関係なく、中国も韓国も日本も呼び名もどうでもよく、ただ、囲碁を覚えて自信をとり戻していく子供を一人ずつ増やしていけたら、というＨさんの思いと取り組みは美しいなあと思います。

最後に、Ｈさんからのメールを引用して終わることにします。


大会で真剣に打っている子供たちを見た数少ない同僚たちは、みんな子供たちの態度にビックリします。あんなに礼儀正しく静かな様子は見たことがないと。本当に、私はそれを見るためだけに頑張ってるんです。


　＊


12回続けさせていただいたこのブログ、今回でいったん区切りをつけることにいたします。

このブログを担当させていただいたおかげで、普段は重い腰を持ち上げ、いろいろな方を取材する機会をもてました。これまで接点のなかった方々と出会え、囲碁が様々な方面に広がりのあることを再発見。

「神様がつくったゲーム」とはよく言ったもので、本当に果てしのない可能性をもったゲームだと再確認いたしました。

読んでくださった皆様ありがとうございます。

囲碁に興味や関心を持っていただけたら、（その上、<a href="http://www.shueisha-int.co.jp/" target="_blank">集英社インターナショナル</a>発行の囲碁書籍をご購入いただけたら）嬉しい限りです。この場を与えてくださった、集英社インターナショナルの小林さんに心から感謝しています。締切にいつも遅れてすみませんでした。

私事ですが、本業（？）の演劇公演、今年は暮れもおしつまった12月26日から29日、下北沢の<a href="http://www.honda-geki.com/suzunari.html" target="_blank">ザ・スズナリ</a>で上演します。こちらにもぜひ足を運んでいただけますように。

↓公演パンフレットです。クリックで拡大します！
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さらなる詳細は<a href="http://kamonegi-shot.dreamlog.jp/" target="_blank">かもねぎショットのブログ</a>までおでかけください。


<a></a>

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<br />今回は、海外のお話です。<br /><br /><strong><span style="color:#FF0000;">スイス</span></strong>の、とある場所──私たちが想像もできないような場所──で子供たちに囲碁を教えている日本の女性をご紹介しようと思います。<br /><br />スイスといえば、個人的に思い出すのは、３０年以上も前のこと。<br /><br />その年は、父の留学に強引についてゆき、たった１年でしたがパリに住んでいて、夏休みに家族でスイスを旅行しました。<br /><br />「えええ！」と笑いながら驚いたのは、街の公園にあった大きなチェスセット。<br /><br />路面に市松模様のマス目がきれいに塗られており、いい年をしたおじさんたちが、身の丈ほどもある駒を両手で抱えたり、引きずったりしながらチェスを楽しんでいたのです。<br /><br />チェスのルールは全く知りませんでしたが、長い距離をナナメに動かしたり、相手の駒を取ったりという、おじさんたちの重労働の度に、手を叩いて喜び、子供心にも<span style="color:#FF9865;">「こんなふうに、疲れ果てながら一生懸命チェスをして、いい国だなあ」</span>と羨ましく思ったものです。<br /><br />そして<span style="color:#FF9865;">「碁は無理だなあ。盤が大きすぎるし、石の数が多すぎるから」</span>と残念に思ったのでした。<br /><br />ところが、です。<br /><br /><span style="font-size:large;"><span style="color:#009865;">じゃじゃーん。</span></span><br /><br /><br /><a href="http://si-igo.up.seesaa.net/image/2.jpg" target="_blank"><img border="0" alt="2.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/2-thumbnail2.jpg" width="370" height="277"></a><br /><br /><br />スイスで働いている友人の智ちゃんからこんな写真を入手しました。<br /><br />これは紛れもなく囲碁。<br />さすがに路面ではなくテーブル状になっているようですが、公園に登場したのですね。後方には懐かしいチェスも。（意外に小さかった…思い出すたびに、頭の中で駒が大きくなっていたようです）<br /><br /><br /><a href="http://si-igo.up.seesaa.net/image/3.jpg" target="_blank"><img border="0" alt="3.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/3-thumbnail2.jpg" width="277" height="370"></a><br /><br /><br />碁石は、このように<span style="color:#FF0000;">収納</span>されていて、横から取りだすようです。<br /><br /><br /><a href="http://si-igo.up.seesaa.net/image/1.jpg" target="_blank"><img border="0" alt="1.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/1-thumbnail2.jpg" width="370" height="295"></a><br /><br /><br />でも大きいと遊びにくいのでしょうか、せっかくの大きな碁盤を使わずに、こじんまりと遊んでいる写真も……<br /><br />ともあれ、３０年の月日を経て、写真であろうとこんな光景を目にするとは思ってもみなかったことであり、一人おおいに歓喜興奮した次第です。<br /><br /><br />　＊<br /><br /><br />さて、同じスイスながら、都心から遠く離れた山あいのお話です。<br /><br />ここに、５歳から15歳の子供たち40人ほどが入っている全寮制の<span style="color:#0098CB;"><strong>「学校」</strong></span>があります。Ｈさんは、日本人女性ですが、この「学校」で、なんと囲碁を教えているのですね。<br /><br />その「学校」の存在など、日本で知る人はほとんどいないでしょうし、ましてやそこで囲碁を教えている人がいる、などということは、日本では誰も知らないと言ってもよいかもしれません。<br /><br />まず、「学校」の説明をしましょう。<br />正確には「学校」とは少し違うのですが、日本には存在しない施設なので翻訳する言葉がありません。そこでとりあえず「学校」と呼ぶことにします。<br /><br />寮に入っている生徒たちの共通点は、家庭に問題があること。彼らを保護する目的で、「青少年保護サービス」や裁判所が依頼し、預けられていること。もともと身体や精神の障碍はなく、環境による問題が理由で学習障碍や行動障碍を抱えてしまった子供たちが多く、半数は精神安定剤や抗鬱剤を処方されているそうです。<br /><br />成績や行動に問題のない子供は、ここから公立の学校に通い、学習や行動に問題のある子供は、ここに付属する「学校」に通います。<br /><br />「学校」は５クラス。<br />カリキュラムは一応、一般教育のプログラムを参考にしているのですが、それぞれ問題を抱えている子供たち一人一人に合わせたアラカルトレッスンをしているそうです。<br /><br /><span style="color:#FF0000;"><strong>「１クラス最大８人しかいないのでできることですね」</strong></span>とＨさん。<br />以下は、Ｈさんからのメールです。<br /><br /><br /><span style="color:#009898;">学校アレルギーの子供たちは丸一日教室にいるのは無理なので、一般の科目（フランス語、数学、一般教養）以外に重要なのが「アトリエ」。芸術的なもの（図画工作、彫刻など）から将来の就職を考えた技術的なもの（木細工や自転車修理）。他にもロッククライミング、新聞編集、ビデオ製作、修理、料理、庭栽培、ヒップホップ、英語、陶芸（セラピー）、自己表現（セラピー）、童話（セラピー）、マリオネット（セラピー）、サッカー（セラピー）、職業探しなど、色々あります。基本は希望者（教師とEducateur:下記参照）が好きなことを各自教えます。そのアトリエの一環で私は囲碁を教えています。</span><br /><br /><br /><span style="color:#009898;">日本語にあるかどうか分かりませんが、フランス語では教師とEducateurという職業は別で、教師は学校に関することの面倒を見ます。Educateurは生活（食事、健康、清潔、寝泊りなどなど）に関する面倒を見ます。基本は８時半から１２時と１時半から３時が学校の時間で、教師はその間子供たちの面倒を見ます。Educateurは起床から夜寝るまでそれ以外の時間、ローテーションを組んでの担当です。だからこの施設は教師よりEducateurの数のほうが圧倒的に多いです。<br /></span><br /><br />Ｈさんは、なんらかの理由（障碍など）で一般の授業についていけない人たち（子供、大人問わず）に教える資格を持っている「教師」で、この職業についたのは2005年。最初の研修先で「囲碁を教えるのがいいんじゃないか」と思いついて以来、勤めた全ての学校で囲碁を教えてきたと言います。<br /><br />今の学校では、2012年の９月から教えるようになり、週に１回、２時間の授業。校長先生は、Ｈさんの「囲碁に対する情熱を買って」採用を決断されたそうです。<br /><br />では、なぜ、Ｈさんは彼らに囲碁を教えようと思ったのでしょうか。一言でいえば<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF0000;">「自信を持ってもらいたかったから」</span></span>だと言います。<br /><br /><br /><span style="color:#009898;">基本的に私が落ちこぼれの生徒達に囲碁がいいと思うのは、彼らにとって新しく、未知の知識だからです。生まれてからずっと落ちこぼれで周りから馬鹿にされてきた子達は、囲碁ではみんな同じスタート、しかも親や他の先生や大人が知らない、できないこと。何かを理解する、上達する喜びを初めて味わえる。彼らは実は落ちこぼれなんかじゃないけど、自信がボロボロですぐ挫折するんです。だから囲碁を通して、多少の困難にも挫けず頑張る力を養うんです。<br /></span><br /><br />Ｈさんご自身は、スイスのカフェで、フランス人マスターから囲碁を習ったとか。残念ながら、その師匠は2003年に亡くなられましたが、<span style="color:#009898;">「親ほど年が離れていたけれど本当に気が合って親友と言ってもいいくらい」「一番大切なもの（囲碁）をくれた彼のことは今でも忘れません」「いつも彼の声が聞こえます。本当に感謝してます」</span>と言葉が尽きません。囲碁を通じたこんな出会いも、感動的だなあと思います。<br /><br /><br />さて、この「学校」の生徒たちのこと、指導する教師の皆さんの大変さについては、想像してもしきれないものでしょう。暴力など、生徒たちが引き起こす問題を抱えきれずに、辞めていく教師やEducateurも少なくないと聞きます。<br /><br />そんな中でＨさんは、昨年からは月に１回、３〜４人の子供たちを、長い道のり引率してローザンヌ囲碁クラブに参加させるなど、校長先生の御眼鏡にかなったとおりの熱心ぶり。<br /><br />子供たちからひどい仕打ちを受けることも、涙を流すことも、心が折れそうになることもあるそうですが、<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF0000;">「もちろん、いい事もたくさんあります」</span></span>と乗り越えて今に至っています。<br /><br /><br /><span style="color:#009898;">発達障碍で、家でも虐待を受けている少年がこの一年でとても変わりました。棋力もさることながら、ずいぶん自立して、他の生徒達にいじめられなくなりました。もう卒業してしまいましたが、彼の精神科医が囲碁をとても買ってくれていて、できれば次の学校に行っても続けられるよう色々配慮してくれるそうです。彼は「読書アレルギー」で、何か読ませようとするとその紙をビリビリに切り裂いてしまうんですが、初めて読んだ本が囲碁の本で、しかも続けて１１回も読んだんです！<br /></span><br /><br /><span style="color:#009898;">一人囲碁が大好きな子がいます。その子はまだ１１歳で、しかもまだまだ行動に問題があるので、しばらくはここにいると思われ、その間に棋力もかなり伸びると思います。彼は怒ると周りが見えなくなります。私に対しても何度も信じられないことを言いました。でも囲碁を通して、というか「囲碁を教えてくれる人」の私に対して何か特別な信頼感を抱くようになったみたいで、段々ひどい事を言わなくなり、言っても後で話し合えるようになりました。彼は「文字アレルギー」で文字を書くことにとても抵抗があります。でも囲碁の格言は一生懸命きれいに書くんです。彼は囲碁合宿で超値下げした碁盤を買い、碁石を囲碁クラブに注文しました。でもその直後寮のお金を盗み、彼の担当のEducateurに碁石代を拒否されました。でも終業式の日の囲碁大会で見事優勝したので、賞品をその碁石にしました。家に帰る直前、双子の弟と一緒に挨拶に来て、「これで夏休み弟と打てる！」とうれしそうに言ってました。</span><br /><br /><br />　＊<br /><br /><br />現在、欧米では、中国と韓国が熱心に囲碁普及をおこなっています。<br /><br />アメリカでは、アメリカ囲碁協会（America Go Association <a href="http://www.usgo.org/" target="_blank">http://www.usgo.org/</a>）・北米プロシステムが、韓国囲碁協会の協力のもとに発足して３年目となり、認定のプロが３名誕生。韓国での棋戦に参加できるようです。<br /><br />ヨーロッパでは、中国の企業がスポンサーになって、年に一度のプロ試験を行うと聞きました。希望者には６カ月間中国で院生をするための奨学金も出るそうです。<br /><br />まだまだ<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF0000;">「Ｇｏ（碁）」</span></span>は国際的にも共通の呼び名ですが、スポンサーによっては、ウェイチ（中国での「囲碁」）・トーナメントや、バドゥク（韓国での「囲碁」）・トーナメントと呼ばれることもあり、少－しずつ、呼び名が変化しつつある、という声も耳にします。<br /><br />もちろん、どういう呼び名であれ（本当は「Ｇｏ」がいいなあと思っていますが…笑）、囲碁が世界中に広まってゆくことは喜ばしいことです。プロを目指すような強い子供たちが世界中に増えてゆくのも頼もしい限りです。囲碁を打つ人が、これから何千人も何万人も増えていって欲しいと思います。<br /><br />その一方で、強い弱いも関係なく、中国も韓国も日本も呼び名もどうでもよく、ただ、囲碁を覚えて自信をとり戻していく子供を一人ずつ増やしていけたら、というＨさんの思いと取り組みは美しいなあと思います。<br /><br />最後に、Ｈさんからのメールを引用して終わることにします。<br /><br /><br /><span style="color:#009898;">大会で真剣に打っている子供たちを見た数少ない同僚たちは、みんな子供たちの態度にビックリします。あんなに礼儀正しく静かな様子は見たことがないと。本当に、私はそれを見るためだけに頑張ってるんです。</span><br /><br /><br />　＊<br /><br /><br />12回続けさせていただいたこのブログ、今回でいったん区切りをつけることにいたします。<br /><br />このブログを担当させていただいたおかげで、普段は重い腰を持ち上げ、いろいろな方を取材する機会をもてました。これまで接点のなかった方々と出会え、囲碁が様々な方面に広がりのあることを再発見。<br /><br /><strong><span style="font-size:large;"><span style="color:#FF0000;">「神様がつくったゲーム」</span></span></strong>とはよく言ったもので、本当に果てしのない可能性をもったゲームだと再確認いたしました。<br /><br />読んでくださった皆様ありがとうございます。<br /><br />囲碁に興味や関心を持っていただけたら、（その上、<a href="http://www.shueisha-int.co.jp/" target="_blank">集英社インターナショナル</a>発行の囲碁書籍をご購入いただけたら）嬉しい限りです。この場を与えてくださった、集英社インターナショナルの小林さんに心から感謝しています。締切にいつも遅れてすみませんでした。<br /><br />私事ですが、本業（？）の演劇公演、今年は暮れもおしつまった12月26日から29日、下北沢の<a href="http://www.honda-geki.com/suzunari.html" target="_blank">ザ・スズナリ</a>で上演します。こちらにもぜひ足を運んでいただけますように。<br /><br />↓公演パンフレットです。クリックで拡大します！<br /><a href="http://si-igo.up.seesaa.net/image/E3818BE38282E381ADE3818EE382B7E383A7E38383E38388E3808EE69DB1E4BAACE381AEE38396E38396E382B9E58588E7949FE3808FE38381E383A9E382B7E8A1A8E99DA2.jpg" target="_blank"><img border="0" alt="かもねぎショット『東京のブブス先生』チラシ表面.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/E3818BE38282E381ADE3818EE382B7E383A7E38383E38388E3808EE69DB1E4BAACE381AEE38396E38396E382B9E58588E7949FE3808FE38381E383A9E382B7E8A1A8E99DA2-thumbnail2.jpg" width="224" height="320"></a><br /><br /><a href="http://si-igo.up.seesaa.net/image/E3818BE38282E381ADE3818EE382B7E383A7E38383E38388E3808EE69DB1E4BAACE381AEE38396E38396E382B9E58588E7949FE3808FE38381E383A9E382B7E8A38FE99DA2.jpg" target="_blank"><img border="0" alt="かもねぎショット『東京のブブス先生』チラシ裏面.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/E3818BE38282E381ADE3818EE382B7E383A7E38383E38388E3808EE69DB1E4BAACE381AEE38396E38396E382B9E58588E7949FE3808FE38381E383A9E382B7E8A38FE99DA2-thumbnail2.jpg" width="224" height="320"></a><br /><br />さらなる詳細は<a href="http://kamonegi-shot.dreamlog.jp/" target="_blank">かもねぎショットのブログ</a>までおでかけください。<br /><br /><br /><a name="more"></a>

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            <category>コラム</category>
      <author>si</author>
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      <title>第11回：「囲碁」が語源の日常用語</title>
      <pubDate>Thu, 31 Jul 2014 00:00:00 +0900</pubDate>
            <description>囲碁の普及と技術向上に貢献したナンバーワンは、インターネットでしょう。ネットさえつながっていれば、世界中の誰もが、自分の部屋にいながら対局でき、毎日トッププロ棋士の対局を観戦することが可能なわけですから。画期的、飛躍的な出来事です。では、インターネット以前、囲碁の普及と技術向上に画期的に、飛躍的に貢献したのは誰でしょう。その人物を２人あげよと言われたら、徳川家康 と 呉清源（ごせいげん）先生 だと答えようと思います。徳川家康は、今でいう プロ制度 の基盤を築いた人です。囲碁は..</description>
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囲碁の普及と技術向上に貢献したナンバーワンは、インターネットでしょう。

ネットさえつながっていれば、世界中の誰もが、自分の部屋にいながら対局でき、毎日トッププロ棋士の対局を観戦することが可能なわけですから。画期的、飛躍的な出来事です。

では、インターネット以前、囲碁の普及と技術向上に画期的に、飛躍的に貢献したのは誰でしょう。

その人物を２人あげよと言われたら、徳川家康 と 呉清源（ごせいげん）先生 だと答えようと思います。

徳川家康は、今でいう プロ制度 の基盤を築いた人です。

囲碁は６世紀に中国から日本に伝わり（という説が有力です）、以来、千年以上の間に、愛好家の層が少しずつ広がり、技術も少しずつ向上していったことでしょう。

ところが江戸時代に入ると、囲碁は 家元制 が取り入れられ、とりわけ強い碁打ちたちが、本因坊家、井上家、安井家、林家 の四家に分かれ、競い合いながら研鑽を積むようになりました。

この四家には扶持（今でいう給料）が与えられるようになり、四家の代表が将軍の前で対局する「御城碁」（おしろご）というイベントは、実に 220年 続いたという記録が残っています。
（＊徳川家康や御城碁については、日本棋院さんのHPもぜひご覧ください！
→ <a href="http://www.nihonkiin.or.jp/history/04.html" target="_blank">http://www.nihonkiin.or.jp/history/04.html</a>）

この間に、囲碁の技術は文字通り飛躍的に向上。庶民の人気や関心も一気に高まったのは言うまでもありません。



---呉清源先生のことを知ってほしい！---

呉清源先生は、昭和３年、14歳のときに来日された天才にして偉人です。

19歳で、日本の天才棋士、木谷實先生とともに「新布石」を研究、発表し、その奇想天外で柔軟で自由な発想に、日本中の囲碁ファンが驚かされ魅せられました。

25歳からは、読売新聞社主催の「打ち込み十番碁」が始まります。

呉清源先生が日本を代表する人気実力棋士を相手に十番勝負をし、勝てばハンディキャップを加えていく、という企画。

これが新聞掲載されると、読売新聞の購買数は 10倍 にも跳ね上がったと聞いています。

呉清源先生は数々の実績を残され、1984年に現役を正式に引退されますが、その後も「21世紀の碁」の研究を進められ、精力的に研究会を開き、トップ棋士たちの指導を続けられてきました。

その呉清源先生が、今年5月19日に、100歳〓 になられました。
7月23日、呉清源先生の『百寿を祝う会』（読売新聞社主催）に行ってまいりました。


さて、私などが呉先生を紹介するなど恐れ多いことですが、少しだけ。

呉先生は研究会の全てをビデオに収録されていました。
12年ほど前、呉先生の書籍をお手伝いさせていただいた折に、そのビデオを100本以上見る機会に恵まれました。1日だけ、研究会を見学させていただいたこともあります。

研究会の多くは、棋士が自分の打った対局を呉先生に見ていただくという形で進みます。「○○戦で、相手は○○○さん。私は黒番です」などと伝えてから、一手目から碁盤に再現していくわけです。

そして、多くの棋士は、呉先生に一番見てもらいたい場面･･････例えば、50手目が敗因だと思っている場合は、49手目まで並べて、先生なら次の一手をどう打つかを尋ねたいわけです。

なので、49手目までをさっさと並べようとするのですが、その途中、例えば30手目で、先生は「ん？　そこに打ったの？」と尋ねてきます。

「はい。それで、相手はここにきて…」とさらに進めようとするのですが、先生は「変ですね、それは」と先に進ませません。

「変」だと言われた棋士は、しばらくキョトン 〓 としているのですが、呉先生が「こっちの方がいいでしょ？」と示した手を見て、やがて唖然とし、それから感動する。

敗因は50手目ではなく、それより20手も前の手だった、と悟る。
こんな光景が、ほとんど毎回のように繰り広げられていました。

王立誠九段は、呉先生の研究会に通うようになってから、棋聖位を奪取するなどの輝かしい戦績を残された一人。

王九段も「呉先生は 神様。一瞬で、悪い手を感じ取ってしまうのですから」と話されています。


『百寿を祝う会』では、大竹英雄名誉碁聖が、やはり「呉先生は人ではない」というお話をされていました。

大竹名誉碁聖がプロになったとはいえまだ少年だったころ、先輩棋士たちが50人ほど対局している部屋に行ったとき、呉先生にしか目がいかなかったのだそうです。「どうしてかというと、呉先生の後ろだけが光り輝いて〓いたから」だと言います。

「この人は神様なんだ」と大竹少年は知ったそうです。

「だって、実際にこの目で見てしまったんですから」

『百寿を祝う会』には、棋士も大勢集まりました。
呉先生のお弟子さんの林海峰名誉天元と芮廼偉九段（中国から！）、趙治勲２５世本因坊、井山裕太六冠、山下敬吾九段、張栩九段……...。

呉先生のことは、囲碁を知らない方々にも、もっともっと知られてほしいという思いを新たにした一日でした。

2006年に製作された伝記映画『呉清源～極みの棋譜～』も、機会があればぜひご覧ください。

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---「囲碁」が語源の日常用語---

さて、前置きが長くなってしまったのですが……
今回は、長い歴史をもつ囲碁がどれほど 日常生活 に入り込んでいるのか、ということをお伝えしたく、囲碁が語源の言葉をご紹介しようと思います。

普段何気なく使っている言葉の中には、意外なほどたくさんの「語源は囲碁用語」のものがあるのです。


最も頻度が高いものは、「ダメ」でしょうか。

そんなことしたらダメでしょ。
この「ダメ」は、囲碁用語が語源。

囲碁では、黒の陣地と白の陣地の間にできたスキマ……そこに打ってもどちらの陣地も増えも減りもしない「無駄な目」のことを「ダメ（駄目）」と言います。

碁を覚えたての頃は、何かいいことがあるかもしれないと思ってダメに打ってしまい、強い人から「そこはダメだよ」と叱られるわけです。

「何の得にもならない無駄な手だよ」という意味ですが、これを日常でも使ううちに、だんだん禁止色が濃くなっていったのでしょう。


「結局」も日常でよく使われます。

「局」は、将棋や囲碁の盤をさし、試合は一局、二局……と数えます。
一局の流れのうち、終盤戦のことを囲碁では ヨセ と言いますが、このヨセは、平安時代には「けち」と呼ばれていました。「結着」の「結」の意味です。

つまり、平安時代の囲碁用語が「結局」の語源なわけです。
「けじめ」も、「けち」から派生した言葉だという説もあります。


「玄人」「素人」もそうです。

現在は囲碁では力の上の人が白石を、下の人が黒石を持って対局しますが、日本に囲碁が渡ってきた当初は逆だったそうです。つまり、強い人が黒。黒の人⇒くろうと。弱い人が白。白の人⇒しろうと。と変遷したようです。

「こいつはそんなに強くないだろう」と甘くみてかかったところ、相手がたいそう強く、黒の人がはだしで逃げたところから「玄人はだし」の言葉が生まれたという逸話も有名です。


「上手」「下手」は、読み方がいくつかあります。

このうちの「じょうず」も囲碁用語が語源。
江戸時代に入り、本因坊道策という天才が、現在につながる「九段」「八段」「七段」という合理的な段位制を整えたのですが、それ以前は、九段は「名人」、七段が「上手」と呼ばれていたのです。
「下手」という位はなかったでしょうから、「上手」と対になって後から生まれたのでしょうか。


面白いところでは「八百長」も囲碁にまつわるエピソードが語源です。

明治時代に八百屋の長兵衛さんという人がいて、皆から「八百長」と呼ばれていた。彼には伊勢ノ海五太夫という囲碁仲間がおり、本当は長兵衛さんの方が強かったのだが、八百屋の品物を買ってほしいので、ときどきわざと負けて機嫌をとっていた。ところがあるとき、本因坊秀元という強い碁打ちと互角の勝負をしたことで、長兵衛さんが本当は強いということが皆にばれてしまった……というエピソードです。

実話かどうかははっきりしないのですが、ともかくこのエピソードが「八百長」の語源。

最近は悪質な八百長が増え、マイナスイメージが強くなってしまいましたが、当時はもっと可愛げのある言い回しだったような気がします。

「八百長はなしだよ」「それじゃあ、負けて泣くなよ」なんて笑い合いながら対局を楽しんでいたのではないでしょうか。


「布石を敷く」
「一目置く」
「先手をとる」
「後手をひく」

なども、さほど頻繁には使いませんが、生活に浸透した言葉ではあるでしょう。


もう一つ、「手」〓 にまつわるものでは、「手抜き」があります。

普段は、「手抜き工事」に代表されるように、「手抜き」をして褒められることはありません。でも、囲碁では、単純に手を抜くこと。

相手が「次はぜひここに打ってください」と促してきたときに、そこに打たないことを言います。もっといい場所に打てば「あのとき手を抜いたのが勝因だった」と褒められることになりますし、いい場所に打たなかったときには「あの手抜きがよくなかった」と反省することになります。

つまり、「手抜き」するのは、大事な場所がよくわからない初心者か、いつどんなときにも広い盤面で一番大事な場所を見極められるとても強い人か、のどちらか。「プロは、まず手抜きから考える」と初めて聞いたときには、日常語の「手抜き」を先に覚えた私は、妙な違和感を持ったものでした。


〓 野球の「先制点」「中押し」「ダメ押し」という表現の中の「中押し」にも面白いエピソードがあります。

囲碁では相手が「負けました」と言って途中で投了すると「中押し勝ち」となります。これは「途中」で「押し切って勝つ」の略で、「ちゅうおしがち」と読みます。

これをあるとき、長嶋茂雄氏が新聞で目にされて「野球でも使える表現だ」と、ご自分がコメントするときに使うようになったそうなのです。

ところが新聞にはルビが振っていなかったために、長嶋氏は「なかおし」と読んでしまっていました。それで、野球で使われるときには、そのまま今でも「なかおし」となっているようです。

これからも、囲碁用語が意外なところから日常的に広まっていくことがあるのかもしれません。


最後に、囲碁が日常となっているプロ棋士たちの、対局のあとの検討（反省会）の会話をご紹介しましょう。

「ここに打つ方が乙だったかな」「ああ、乙だね」

「この手でこう打ってみる？」「おっ！　これは盛られてるね」

「それだとさ、ここにゾロッとハネられるでしょ」「ああ、ゾロだね」

検討はたいてい高尚すぎてついていけず、どう乙なのかも味わえず、盛られた毒が将来どのように悪さをするのかも読めず、ゾロっという感触も語感でしか楽しめないわけですが、これは囲碁用語でもなんでもなく、石を人のように扱い、自身も石の気持ちになったりしながら暮らしている人たちなんだなあと感動を覚えてしまいます。



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      <content:encoded><![CDATA[
<br />囲碁の普及と技術向上に貢献したナンバーワンは、<strong><span style="color:#FF0000;">インターネット</span></strong>でしょう。<br /><br />ネットさえつながっていれば、世界中の誰もが、自分の部屋にいながら対局でき、毎日トッププロ棋士の対局を観戦することが可能なわけですから。画期的、飛躍的な出来事です。<br /><br />では、インターネット以前、囲碁の普及と技術向上に画期的に、飛躍的に貢献したのは誰でしょう。<br /><br />その人物を２人あげよと言われたら、<span style="font-size:large;"><span style="color:#009898;">徳川家康</span></span> と <span style="font-size:large;"><span style="color:#009898;">呉清源</span></span><span style="color:#009898;">（ごせいげん）先生</span> だと答えようと思います。<br /><br />徳川家康は、今でいう <span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6532;">プロ制度</span></span> の基盤を築いた人です。<br /><br />囲碁は６世紀に中国から日本に伝わり（という説が有力です）、以来、千年以上の間に、愛好家の層が少しずつ広がり、技術も少しずつ向上していったことでしょう。<br /><br />ところが江戸時代に入ると、囲碁は <strong>家元制</strong> が取り入れられ、とりわけ強い碁打ちたちが、<strong><span style="color:#FF0000;">本因坊家、井上家、安井家、林家 </span></strong>の四家に分かれ、競い合いながら研鑽を積むようになりました。<br /><br />この四家には扶持（今でいう給料）が与えられるようになり、四家の代表が将軍の前で対局する<span style="font-size:large;"><span style="color:#009898;">「御城碁」</span></span>（おしろご）というイベントは、実に <strong><span style="color:#FF0000;">220年</span></strong> 続いたという記録が残っています。<br /><span style="color:#FF9800;">（＊徳川家康や御城碁については、日本棋院さんのHPもぜひご覧ください！<br />→ <a href="http://www.nihonkiin.or.jp/history/04.html" target="_blank"><ins>http://www.nihonkiin.or.jp/history/04.html</ins></a>）</span><br /><br />この間に、囲碁の技術は文字通り飛躍的に向上。庶民の人気や関心も一気に高まったのは言うまでもありません。<br /><br /><br /><br /><strong><span style="font-size:large;"><span style="color:#000098;">---呉清源先生のことを知ってほしい！---</span></span></strong><br /><br />呉清源先生は、昭和３年、14歳のときに来日された<strong><span style="color:#FF0000;">天才</span></strong>にして<strong><span style="color:#FF0000;">偉人</span></strong>です。<br /><br />19歳で、日本の天才棋士、木谷實先生とともに<span style="font-size:large;"><span style="color:#009898;">「新布石」</span></span>を研究、発表し、その奇想天外で柔軟で自由な発想に、日本中の囲碁ファンが驚かされ魅せられました。<br /><br />25歳からは、読売新聞社主催の<strong><span style="color:#FF0000;">「打ち込み十番碁」</span></strong>が始まります。<br /><br />呉清源先生が日本を代表する人気実力棋士を相手に十番勝負をし、勝てばハンディキャップを加えていく、という企画。<br /><br />これが新聞掲載されると、読売新聞の購買数は <strong><span style="color:#FF0000;">10倍</span></strong> にも跳ね上がったと聞いています。<br /><br />呉清源先生は数々の実績を残され、1984年に現役を正式に引退されますが、その後も「21世紀の碁」の研究を進められ、精力的に研究会を開き、トップ棋士たちの指導を続けられてきました。<br /><br />その呉清源先生が、今年5月19日に、<span style="color:#FF0000;"><span style="font-size:large;">100歳</span></span>〓 になられました。<br />7月23日、呉清源先生の『百寿を祝う会』（読売新聞社主催）に行ってまいりました。<br /><br /><br />さて、私などが呉先生を紹介するなど恐れ多いことですが、少しだけ。<br /><br />呉先生は研究会の全てをビデオに収録されていました。<br />12年ほど前、呉先生の書籍をお手伝いさせていただいた折に、そのビデオを100本以上見る機会に恵まれました。1日だけ、研究会を見学させていただいたこともあります。<br /><br />研究会の多くは、棋士が自分の打った対局を呉先生に見ていただくという形で進みます。「○○戦で、相手は○○○さん。私は黒番です」などと伝えてから、一手目から碁盤に再現していくわけです。<br /><br />そして、多くの棋士は、呉先生に一番見てもらいたい場面･･････例えば、50手目が敗因だと思っている場合は、49手目まで並べて、先生なら次の一手をどう打つかを尋ねたいわけです。<br /><br />なので、49手目までをさっさと並べようとするのですが、その途中、例えば30手目で、先生は「ん？　そこに打ったの？」と尋ねてきます。<br /><br />「はい。それで、相手はここにきて…」とさらに進めようとするのですが、先生は<span style="font-size:large;">「変ですね、それは」</span>と先に進ませません。<br /><br />「変」だと言われた棋士は、しばらくキョトン 〓 としているのですが、呉先生が<span style="font-size:large;">「こっちの方がいいでしょ？」</span>と示した手を見て、やがて唖然とし、それから感動する。<br /><br />敗因は50手目ではなく、それより20手も前の手だった、と悟る。<br />こんな光景が、ほとんど毎回のように繰り広げられていました。<br /><br />王立誠九段は、呉先生の研究会に通うようになってから、棋聖位を奪取するなどの輝かしい戦績を残された一人。<br /><br />王九段も「呉先生は <span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6532;">神様</span></span>。一瞬で、悪い手を感じ取ってしまうのですから」と話されています。<br /><br /><br />『百寿を祝う会』では、大竹英雄名誉碁聖が、やはり<span style="color:#0098CB;"><span style="font-size:large;">「呉先生は人ではない」</span></span>というお話をされていました。<br /><br />大竹名誉碁聖がプロになったとはいえまだ少年だったころ、先輩棋士たちが50人ほど対局している部屋に行ったとき、呉先生にしか目がいかなかったのだそうです。「どうしてかというと、呉先生の後ろだけが光り輝いて〓いたから」だと言います。<br /><br />「この人は神様なんだ」と大竹少年は知ったそうです。<br /><br />「だって、実際にこの目で見てしまったんですから」<br /><br />『百寿を祝う会』には、棋士も大勢集まりました。<br />呉先生のお弟子さんの林海峰名誉天元と芮廼偉九段（中国から！）、趙治勲２５世本因坊、井山裕太六冠、山下敬吾九段、張栩九段……...。<br /><br />呉先生のことは、囲碁を知らない方々にも、もっともっと知られてほしいという思いを新たにした一日でした。<br /><br />2006年に製作された伝記映画<strong><span style="color:#009865;">『呉清源～極みの棋譜～』</span></strong>も、機会があればぜひご覧ください。<br /><br /><a target="_blank" href="http://www.amazon.co.jp/%E5%91%89%E6%B8%85%E6%BA%90-%E6%A5%B5%E3%81%BF%E3%81%AE%E6%A3%8B%E8%AD%9C-DVD-%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%B3/dp/B00173676A%3FSubscriptionId%3D1KP9CZZY4T8B7VYR2S02%26tag%3Dseesaaaffi-2289570-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3DB00173676A"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51wHk3q%2B23L._SL160_.jpg" alt="呉清源 極みの棋譜 [DVD]  "></a><br/><a target="_blank" href="http://www.amazon.co.jp/%E5%91%89%E6%B8%85%E6%BA%90-%E6%A5%B5%E3%81%BF%E3%81%AE%E6%A3%8B%E8%AD%9C-DVD-%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%B3/dp/B00173676A%3FSubscriptionId%3D1KP9CZZY4T8B7VYR2S02%26tag%3Dseesaaaffi-2289570-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3DB00173676A">呉清源 極みの棋譜 [DVD]  </a><br /><br /><br /><br /><strong><span style="font-size:large;"><span style="color:#000098;">---「囲碁」が語源の日常用語---</span></span></strong><br /><br />さて、前置きが長くなってしまったのですが……<br />今回は、長い歴史をもつ囲碁がどれほど <span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6532;">日常生活</span></span> に入り込んでいるのか、ということをお伝えしたく、囲碁が語源の言葉をご紹介しようと思います。<br /><br />普段何気なく使っている言葉の中には、意外なほどたくさんの<strong><span style="color:#FF0000;">「語源は囲碁用語」</span></strong>のものがあるのです。<br /><br /><br />最も頻度が高いものは、<span style="font-size:large;"><span style="color:#006598;">「ダメ」</span></span>でしょうか。<br /><br />そんなことしたらダメでしょ。<br />この「ダメ」は、囲碁用語が語源。<br /><br />囲碁では、黒の陣地と白の陣地の間にできたスキマ……そこに打ってもどちらの陣地も増えも減りもしない「無駄な目」のことを「ダメ（駄目）」と言います。<br /><br />碁を覚えたての頃は、何かいいことがあるかもしれないと思ってダメに打ってしまい、強い人から「そこはダメだよ」と叱られるわけです。<br /><br />「何の得にもならない無駄な手だよ」という意味ですが、これを日常でも使ううちに、だんだん禁止色が濃くなっていったのでしょう。<br /><br /><br /><span style="font-size:large;"><span style="color:#006598">「結局」</span></span>も日常でよく使われます。<br /><br />「局」は、将棋や囲碁の盤をさし、試合は一局、二局……と数えます。<br />一局の流れのうち、終盤戦のことを囲碁では <strong>ヨセ</strong> と言いますが、このヨセは、平安時代には「けち」と呼ばれていました。「結着」の「結」の意味です。<br /><br />つまり、平安時代の囲碁用語が「結局」の語源なわけです。<br />「けじめ」も、「けち」から派生した言葉だという説もあります。<br /><br /><br /><span style="font-size:large;"><span style="color:#006598">「玄人」「素人」</span></span>もそうです。<br /><br />現在は囲碁では力の上の人が白石を、下の人が黒石を持って対局しますが、日本に囲碁が渡ってきた当初は逆だったそうです。つまり、強い人が黒。黒の人⇒くろうと。弱い人が白。白の人⇒しろうと。と変遷したようです。<br /><br />「こいつはそんなに強くないだろう」と甘くみてかかったところ、相手がたいそう強く、黒の人がはだしで逃げたところから<strong>「玄人はだし」</strong>の言葉が生まれたという逸話も有名です。<br /><br /><br /><span style="font-size:large;"><span style="color:#006598;">「上手」「下手」</span></span>は、読み方がいくつかあります。<br /><br />このうちの「じょうず」も囲碁用語が語源。<br />江戸時代に入り、本因坊道策という天才が、現在につながる「九段」「八段」「七段」という合理的な段位制を整えたのですが、それ以前は、九段は「名人」、七段が「上手」と呼ばれていたのです。<br />「下手」という位はなかったでしょうから、「上手」と対になって後から生まれたのでしょうか。<br /><br /><br />面白いところでは<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6532;">「八百長」</span></span>も囲碁にまつわるエピソードが語源です。<br /><br />明治時代に八百屋の長兵衛さんという人がいて、皆から「八百長」と呼ばれていた。彼には伊勢ノ海五太夫という囲碁仲間がおり、本当は長兵衛さんの方が強かったのだが、八百屋の品物を買ってほしいので、ときどきわざと負けて機嫌をとっていた。ところがあるとき、本因坊秀元という強い碁打ちと互角の勝負をしたことで、長兵衛さんが本当は強いということが皆にばれてしまった……というエピソードです。<br /><br />実話かどうかははっきりしないのですが、ともかくこのエピソードが「八百長」の語源。<br /><br />最近は悪質な八百長が増え、マイナスイメージが強くなってしまいましたが、当時はもっと可愛げのある言い回しだったような気がします。<br /><br />「八百長はなしだよ」「それじゃあ、負けて泣くなよ」なんて笑い合いながら対局を楽しんでいたのではないでしょうか。<br /><br /><br /><span style="font-size:large;"><span style="color:#006598;">「布石を敷く」<br />「一目置く」<br />「先手をとる」<br />「後手をひく」</span></span><br /><br />なども、さほど頻繁には使いませんが、生活に浸透した言葉ではあるでしょう。<br /><br /><br />もう一つ、「手」〓 にまつわるものでは、<span style="font-size:large;"><span style="color:#006598;">「手抜き」</span></span>があります。<br /><br />普段は、「手抜き工事」に代表されるように、「手抜き」をして褒められることはありません。でも、囲碁では、単純に手を抜くこと。<br /><br />相手が「次はぜひここに打ってください」と促してきたときに、そこに打たないことを言います。もっといい場所に打てば「あのとき手を抜いたのが勝因だった」と褒められることになりますし、いい場所に打たなかったときには「あの手抜きがよくなかった」と反省することになります。<br /><br />つまり、「手抜き」するのは、大事な場所がよくわからない初心者か、いつどんなときにも広い盤面で一番大事な場所を見極められるとても強い人か、のどちらか。「プロは、まず手抜きから考える」と初めて聞いたときには、日常語の「手抜き」を先に覚えた私は、妙な違和感を持ったものでした。<br /><br /><br />〓 野球の<strong><span style="color:#FF0000;">「先制点」「中押し」「ダメ押し」</span></strong>という表現の中の<span style="font-size:large;"><span style="color:#006598;">「中押し」</span></span>にも面白いエピソードがあります。<br /><br />囲碁では相手が「負けました」と言って途中で投了すると「中押し勝ち」となります。これは「途中」で「押し切って勝つ」の略で、<strong><span style="color:#FF0000;">「ちゅうおしがち」</span></strong>と読みます。<br /><br />これをあるとき、長嶋茂雄氏が新聞で目にされて「野球でも使える表現だ」と、ご自分がコメントするときに使うようになったそうなのです。<br /><br />ところが新聞にはルビが振っていなかったために、長嶋氏は<strong><span style="color:#FF0000;">「なかおし」</span></strong>と読んでしまっていました。それで、野球で使われるときには、そのまま今でも「なかおし」となっているようです。<br /><br />これからも、囲碁用語が意外なところから日常的に広まっていくことがあるのかもしれません。<br /><br /><br />最後に、囲碁が日常となっているプロ棋士たちの、対局のあとの検討（反省会）の会話をご紹介しましょう。<br /><br /><span style="color:#009865;"><strong>「ここに打つ方が乙だったかな」「ああ、乙だね」<br /><br />「この手でこう打ってみる？」「おっ！　これは盛られてるね」<br /><br />「それだとさ、ここにゾロッとハネられるでしょ」「ああ、ゾロだね」</strong></span><br /><br />検討はたいてい高尚すぎてついていけず、どう乙なのかも味わえず、盛られた毒が将来どのように悪さをするのかも読めず、ゾロっという感触も語感でしか楽しめないわけですが、これは囲碁用語でもなんでもなく、石を人のように扱い、自身も石の気持ちになったりしながら暮らしている人たちなんだなあと感動を覚えてしまいます。<br /><br /><br /><br /><a name="more"></a>

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            <category>コラム</category>
      <author>si</author>
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      <title>第10回：「囲碁」の考え方</title>
      <pubDate>Tue, 10 Jun 2014 00:00:00 +0900</pubDate>
            <description>はじめに嬉しいニュースを〓久々に日本主催の世界戦「グロービス杯　世界新鋭囲碁選手権」が誕生し、５月に第一回大会が開催されました。20歳未満のプロ棋士が参加し、予選を勝ち上がった16名（日本6人、韓国3人、中国3人、台湾1人、ヨーロッパ1人、オセアニア1人、北米1人）がトーナメントを行うもの。そして、日本の一力遼七段が、優勝 を飾りました。準優勝の許家元二段も日本代表（台湾出身。日本棋院所属）。世界戦での日本勢どうしの決勝戦は17年ぶり。17年ぶりに「どちらが勝っても嬉しい」と..</description>
            <itunes:summary><![CDATA[

はじめに嬉しいニュースを〓
久々に日本主催の世界戦「グロービス杯　世界新鋭囲碁選手権」が誕生し、５月に第一回大会が開催されました。

20歳未満のプロ棋士が参加し、予選を勝ち上がった16名（日本6人、韓国3人、中国3人、台湾1人、ヨーロッパ1人、オセアニア1人、北米1人）がトーナメントを行うもの。

そして、日本の一力遼七段が、優勝 を飾りました。

準優勝の許家元二段も日本代表（台湾出身。日本棋院所属）。
世界戦での日本勢どうしの決勝戦は17年ぶり。

17年ぶりに「どちらが勝っても嬉しい」と安心して決勝戦を見守ることができた日本囲碁ファンでした。

日本の囲碁界がじわじわ 活気 を帯びてきている気配を感じます。



---「囲碁」の考え方---

さて、今回は、私が個人的に印象深い、棋士の言葉をご紹介します。

囲碁の考え方は、多くの分野で「お手本」とされています。

古くは、戦国武将が戦略を囲碁に学んだ逸話が残されていますし、現代も「 経営 に役立つ」、「 政治の交渉 に取り入れて欲しい」という多くの声が聞こえてきます。

個人的なレベルでも、棋士の武宮正樹九段は、
「碁をやっていたから、どんな問題も乗り越えてきたし、これからも立ち向かえる」
と話されています。

では、「お手本」となる囲碁の考え方とは、どのようなものなのでしょうか。


もし「囲碁とは、簡潔に言うと、どういうものですか？」という問いを、プロ棋士に投げかけたら、100人から100通りの答えが返ってくることでしょう。

「神様にしかわからないゲーム」、「簡潔には答えられません」といった回答もあるでしょう。

私はずっと「強い人は正解がわかるけれど、自分は弱いから次の手がわからない」と思いながら対局をしていました。

プロ棋士が集まって勉強している場に出入りできるようになり、まず最初に驚いたのは、「そうじゃないんだ！」ということでした。

観戦中の棋士たちが、次の一手を予想していても、全員一致になるケースはほとんどありません。今、どちらが優勢かという形勢判断さえ、「白よし」と「黒よし」に分かれることがしばしばです。

つまり、囲碁の次の一手の選ばれ方は、正解か否かではなく、どう考えてどう打ちたいか、によるようなのです。

その「どう考えるか」の部分が百人百様なのが、囲碁の深みなのでしょう。

「囲碁とは何か？」とは、「幸福とは何か？」とか「愛とは何か？」とか「私とは何か？」と同じように、哲学 の命題のようなものなのかもしれません。



---直感が今のあなたの全て---

では、印象深い棋士の言葉をご紹介しながら、全く届かないかもしれませんが、「囲碁とは何か？」を、探っていくことにします。

まずは、前述の武宮正樹九段の言葉から。

「碁に強くなりたいですか。
それとも、目の前の一局に勝ちたいですか」

これは、武宮九段が、日本各地や諸外国で講演されるときに、はじめに皆さんに尋ねる言葉だそうです。

するとほとんどの人が、特に欧米人は「両方だ！」と答えるそうです。
それはそうですよね。

でも、武宮九段は、両方の望みをかなえることは無理だと言います。

「勝ちたいと思うと、危険を冒さない方向に思考が傾き、見たことのある自分より強い人の手を真似することが多くなるから」だそうです。

「でも、自分が打ちたいように打たないと、強くなれないからね」


「直感は、今持っている自分の実力」

これも、武宮九段の言葉です。

碁をはじめたばかりの人にはさすがに無理ですが、ある程度強くなったら、直感で打つ手が一番よいとのこと。

「旅先の朝ご飯をおいしいと感じるのと同じでさ」と武宮九段。

「正しかろうが正しくなかろうが、そんなことはどうでもよくて、その人にとっての『真実』でしょ？」。

さらに、次の言葉には思わず笑いました。

「よく、直感で打つとひどい目にあいますって言われるんだけど、それは錯覚。直感が、今のあなたの全てであり、最善なんだよね。こんなこと言ったら怒られちゃうかな」

<a target="_blank" href="http://www.amazon.co.jp/%E4%B8%80%E7%94%9F%E6%87%B8%E5%91%BD-%E3%81%B5%E3%81%BE%E3%81%98%E3%82%81-%7E%E5%9B%B2%E7%A2%81%E3%83%88%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%97%E3%83%AD%E3%81%AE%E7%94%9F%E3%81%8D%E6%96%B9%7E-%E6%AD%A6%E5%AE%AE-%E6%AD%A3%E6%A8%B9/dp/4839933014%3FSubscriptionId%3D1KP9CZZY4T8B7VYR2S02%26tag%3Dseesaaaffi-2289570-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4839933014"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51GuzbExvTL._SL160_.jpg" alt="&#x4E00;&#x751F;&#x61F8;&#x547D; &#x3075;&#x307E;&#x3058;&#x3081; ~&#x56F2;&#x7881;&#x30C8;&#x30C3;&#x30D7;&#x30D7;&#x30ED;&#x306E;&#x751F;&#x304D;&#x65B9;~ - "></a><a target="_blank" href="http://www.amazon.co.jp/%E4%B8%80%E7%94%9F%E6%87%B8%E5%91%BD-%E3%81%B5%E3%81%BE%E3%81%98%E3%82%81-%7E%E5%9B%B2%E7%A2%81%E3%83%88%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%97%E3%83%AD%E3%81%AE%E7%94%9F%E3%81%8D%E6%96%B9%7E-%E6%AD%A6%E5%AE%AE-%E6%AD%A3%E6%A8%B9/dp/4839933014%3FSubscriptionId%3D1KP9CZZY4T8B7VYR2S02%26tag%3Dseesaaaffi-2289570-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4839933014"> </a>（武宮九段の言葉が詰まった1冊） 



---羊の足で走れ---

続いては、王銘琬九段の言葉です。

「羊は羊の足で逃げなければならない」

これは、銘琬九段がアマチュア向けに書かれた本の中の一節なので、ご自身よりアマチュアの心構えの意が含まれた言葉と思われます。

どういう意味かといえば、（以下は私の曲解かもしれませんが）羊は、所詮、羊。オオカミに憧れ、オオカミのかぶり物を身にまとってみても、逃げるときには羊の足で逃げるしかない。

野球に例えるなら、イチローにあこがれてイチローの構えを真似てみても、イチローと同じスイングはできない。
ならば、羊として生きよ。
羊の足で走れ。


「我間違える　ゆえに我あり」

これは、銘琬九段の著書のタイトル。
銘琬九段の間違えた場面を紹介し、なぜ間違えたのかをご自身が言い訳する、という内容です。（私も共著で執筆させていただいたのですが、残念ながら絶版となってしまいました）

その中で、勝敗を決する正着（そこに打っていたら勝っていた、という一手）に両対局者とも気がつかずに終わることが、プロの対局でもあると語られており、私には新鮮な驚きでした。

その一局を「その場面で正着を打つべきでした」とまとめ、「それゆえ、その後に打った手はすべてナンセンス」と片付けることもできるだろうが、「果たしてナンセンスだったか。これは私の永遠の問いなのだ」と銘琬九段は語っています。

<a target="_blank" href="http://www.amazon.co.jp/%E7%8E%8B%E9%8A%98%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%81%93%E3%82%8C%E3%82%92%E4%BC%9D%E3%81%88%E3%81%9F%E3%81%842-%E6%88%91%E9%96%93%E9%81%95%E3%81%88%E3%82%8B-%E3%82%86%E3%81%88%E3%81%AB%E6%88%91%E3%81%82%E3%82%8A-%EF%BD%9E%E6%82%AA%E6%89%8B%E3%82%92%E6%89%93%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%82%82%E3%81%88%E3%83%BC%E3%81%98%E3%82%83%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%8B%EF%BD%9E-%E7%8E%8B%E9%8A%98%E7%90%AC%E3%81%93%E3%82%8C%E3%82%92%E4%BC%9D%E3%81%88%E3%81%9F%E3%81%84-%E7%8E%8B-%E9%8A%98%E3%82%A8%E3%83%B3-ebook/dp/B007UYYU46%3FSubscriptionId%3D1KP9CZZY4T8B7VYR2S02%26tag%3Dseesaaaffi-2289570-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3DB007UYYU46"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51UJTWgzWxL._SL160_.jpg" alt="&#x738B;&#x9298;&#x30A8;&#x30F3;&#x3053;&#x308C;&#x3092;&#x4F1D;&#x3048;&#x305F;&#x3044;2&#x3000;&#x6211;&#x9593;&#x9055;&#x3048;&#x308B;&#x3000;&#x3086;&#x3048;&#x306B;&#x6211;&#x3042;&#x308A;&#x3000;&#xFF5E;&#x60AA;&#x624B;&#x3092;&#x6253;&#x3063;&#x3066;&#x3082;&#x3048;&#x30FC;&#x3058;&#x3083;&#x306A;&#x3044;&#x304B;&#xFF5E; (&#x738B;&#x9298;&#x742C;&#x3053;&#x308C;&#x3092;&#x4F1D;&#x3048;&#x305F;&#x3044;) - "></a> Kindle版

なんだか、抽象的な内容になってきてしまいました。

武宮九段は、銘琬九段のことを「囲碁の考え方が、棋士の中では僕と近い」と話されています。

なので、今回お二人の言葉をご紹介したわけですが、棋士約五百人が「囲碁」という山をそれぞれ500通りのルートで登られているとしたら、その中の二つだけ、それも「近いルート」から見える景色をご紹介したということ。

「近い」というからには、「遠い」ルートもあり、そこからは全く違う景色が見えるものと思います。



---相手に逃げ道を与える「攻め方」---

少し具体的なことも、と思い、急遽話題を変えることにします。

囲碁の考え方が、具体的にはどのように役立つのか。
私には一つ、すぐに思い当たることがありました。
「攻め」についてです。

囲碁で「攻め」とは何か。
これもまた、棋士百人に尋ねれば百通りの答えが返ってきそうな気がします。

囲碁を覚えたばかりのころは、相手の石を取ることが「攻め」だと思いがちです。（※「相手の石を取る」については、<a href="http://www.pandanet.co.jp/guide/igonyumon/nyumon01.htm" target="_blank">パンダネット・ヒカルの囲碁入門♯１</a>をご参照ください）

ところが、強くなるにつれ、「攻め」の認識は変わっていきます。
「取る」というような、すぐに出る結論は求めなくなるのです。

ちなみに、武宮九段に「攻めとは何ですか？」と質問したところ「う～ん、そうね～」としばらく考え込まれた後に「相手の形を崩すこと」という返答が戻ってきました。

相手がたった一手でも不本意な場所に打つことになれば、それでもう十分満足し、攻めの効果はあがったと見るのだそうです。それ以上、しつこくつきまとうこともしないのかもしれません。

武宮九段の「攻め」は、たいへん高尚なので、どう役立てればよいか難しいです。

私が「なるほど」ともう少し庶民的なレベルで納得した囲碁の「攻め」は、「相手に逃げ道を与える」という考え方でした。

取れそうな相手の石が現われたときに、完膚無きまでに打ちのめそう、とか、絶対に取ってやるぞ、というような徹底的な攻撃を仕掛けると、相手も必死の形相で抵抗してきます。

すると、こちらにもホコロビはあるはずで、何かのはずみに攻守が逆転する可能性もでてきます。

でも、早くから「こちらに逃げてください」と、相手があまり得にならない道を差し出すわけです。

すると相手は喜んでその道を進んでくれます。
そのスキに、こちらは要所を押さえるわけです。

この「攻め方」は、めったにないかもしれませんが、日常生活で大喧嘩になったときには多いに役立つはず。

どの道を差し出そうかと頭を巡らせるうちに、冷静にもなってくる、という利点もあります。

私も経験ずみです。
役立て方が庶民的すぎたでしょうか。



<a href="http://www.pandanet.co.jp/guide/igonyumon/" target="_blank">＜インターネット囲碁サロン パンダネット＞</a>
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<br />はじめに嬉しいニュースを〓<br />久々に日本主催の世界戦<strong><span style="color:#006598;">「グロービス杯　世界新鋭囲碁選手権」</span></strong>が誕生し、５月に第一回大会が開催されました。<br /><br />20歳未満のプロ棋士が参加し、予選を勝ち上がった16名（日本6人、韓国3人、中国3人、台湾1人、ヨーロッパ1人、オセアニア1人、北米1人）がトーナメントを行うもの。<br /><br />そして、日本の<strong><span style="color:#009865;">一力遼七段</span></strong>が、<span style="color:#FF0000;"><span style="font-size:large;">優勝</span></span> を飾りました。<br /><br />準優勝の<strong><span style="color:#009865;">許家元二段</span></strong>も日本代表（台湾出身。日本棋院所属）。<br />世界戦での日本勢どうしの決勝戦は17年ぶり。<br /><br />17年ぶりに「どちらが勝っても嬉しい」と安心して決勝戦を見守ることができた日本囲碁ファンでした。<br /><br />日本の囲碁界がじわじわ <span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6598;">活気</span></span> を帯びてきている気配を感じます。<br /><br /><br /><br /><strong><span style="font-size:large;"><span style="color:#000098;">---「囲碁」の考え方---</span></span></strong><br /><br />さて、今回は、私が個人的に印象深い、<span style="color:#FF6598;"><strong>棋士の言葉</strong></span>をご紹介します。<br /><br />囲碁の考え方は、多くの分野で「お手本」とされています。<br /><br />古くは、戦国武将が戦略を囲碁に学んだ逸話が残されていますし、現代も「 <span style="font-size:large;"><span style="color:#006598;">経営</span></span> に役立つ」、「 <span style="font-size:large;"><span style="color:#006598;">政治の交渉</span></span> に取り入れて欲しい」という多くの声が聞こえてきます。<br /><br />個人的なレベルでも、棋士の<strong><span style="color:#009865;">武宮正樹九段</span></strong>は、<br /><span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6565;">「碁をやっていたから、どんな問題も乗り越えてきたし、これからも立ち向かえる」</span></span><br />と話されています。<br /><br />では、「お手本」となる囲碁の考え方とは、どのようなものなのでしょうか。<br /><br /><br />もし<strong><span style="color:#FF0000;">「囲碁とは、簡潔に言うと、どういうものですか？」</span></strong>という問いを、プロ棋士に投げかけたら、100人から100通りの答えが返ってくることでしょう。<br /><br />「神様にしかわからないゲーム」、「簡潔には答えられません」といった回答もあるでしょう。<br /><br />私はずっと「強い人は正解がわかるけれど、自分は弱いから次の手がわからない」と思いながら対局をしていました。<br /><br />プロ棋士が集まって勉強している場に出入りできるようになり、まず最初に驚いたのは、「そうじゃないんだ！」ということでした。<br /><br />観戦中の棋士たちが、次の一手を予想していても、全員一致になるケースはほとんどありません。今、どちらが優勢かという形勢判断さえ、「白よし」と「黒よし」に分かれることがしばしばです。<br /><br />つまり、囲碁の次の一手の選ばれ方は、正解か否かではなく、どう考えてどう打ちたいか、によるようなのです。<br /><br />その<strong><span style="color:#FF0000;">「どう考えるか」</span></strong>の部分が百人百様なのが、囲碁の深みなのでしょう。<br /><br />「囲碁とは何か？」とは、「幸福とは何か？」とか「愛とは何か？」とか「私とは何か？」と同じように、<span style="font-size:large;"><span style="color:#0098CB;">哲学</span></span> の命題のようなものなのかもしれません。<br /><br /><br /><br /><strong><span style="font-size:large;"><span style="color:#000098;">---直感が今のあなたの全て---</span></span></strong><br /><br />では、印象深い棋士の言葉をご紹介しながら、全く届かないかもしれませんが、<strong><span style="color:#FF0000;">「囲碁とは何か？」</span></strong>を、探っていくことにします。<br /><br />まずは、前述の武宮正樹九段の言葉から。<br /><br /><span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6565;">「碁に強くなりたいですか。<br />それとも、目の前の一局に勝ちたいですか」</span></span><br /><br />これは、武宮九段が、日本各地や諸外国で講演されるときに、はじめに皆さんに尋ねる言葉だそうです。<br /><br />するとほとんどの人が、特に欧米人は「両方だ！」と答えるそうです。<br />それはそうですよね。<br /><br />でも、武宮九段は、両方の望みをかなえることは無理だと言います。<br /><br />「勝ちたいと思うと、危険を冒さない方向に思考が傾き、見たことのある自分より強い人の手を真似することが多くなるから」だそうです。<br /><br />「でも、自分が打ちたいように打たないと、強くなれないからね」<br /><br /><br /><span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6565;">「直感は、今持っている自分の実力」</span></span><br /><br />これも、武宮九段の言葉です。<br /><br />碁をはじめたばかりの人にはさすがに無理ですが、ある程度強くなったら、直感で打つ手が一番よいとのこと。<br /><br />「旅先の朝ご飯をおいしいと感じるのと同じでさ」と武宮九段。<br /><br />「正しかろうが正しくなかろうが、そんなことはどうでもよくて、その人にとっての『真実』でしょ？」。<br /><br />さらに、次の言葉には思わず笑いました。<br /><br />「よく、直感で打つとひどい目にあいますって言われるんだけど、それは錯覚。直感が、今のあなたの全てであり、最善なんだよね。こんなこと言ったら怒られちゃうかな」<br /><br /><a target="_blank" href="http://www.amazon.co.jp/%E4%B8%80%E7%94%9F%E6%87%B8%E5%91%BD-%E3%81%B5%E3%81%BE%E3%81%98%E3%82%81-%7E%E5%9B%B2%E7%A2%81%E3%83%88%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%97%E3%83%AD%E3%81%AE%E7%94%9F%E3%81%8D%E6%96%B9%7E-%E6%AD%A6%E5%AE%AE-%E6%AD%A3%E6%A8%B9/dp/4839933014%3FSubscriptionId%3D1KP9CZZY4T8B7VYR2S02%26tag%3Dseesaaaffi-2289570-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4839933014"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51GuzbExvTL._SL160_.jpg" alt="一生懸命 ふまじめ ~囲碁トッププロの生き方~ - "></a><br/><a target="_blank" href="http://www.amazon.co.jp/%E4%B8%80%E7%94%9F%E6%87%B8%E5%91%BD-%E3%81%B5%E3%81%BE%E3%81%98%E3%82%81-%7E%E5%9B%B2%E7%A2%81%E3%83%88%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%97%E3%83%AD%E3%81%AE%E7%94%9F%E3%81%8D%E6%96%B9%7E-%E6%AD%A6%E5%AE%AE-%E6%AD%A3%E6%A8%B9/dp/4839933014%3FSubscriptionId%3D1KP9CZZY4T8B7VYR2S02%26tag%3Dseesaaaffi-2289570-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4839933014"> </a><span style="font-size:x-small;"><span style="color:#FF6598;">（武宮九段の言葉が詰まった1冊）</span></span> <br /><br /><br /><br /><strong><span style="font-size:large;"><span style="color:#000098;">---羊の足で走れ---</span></span></strong><br /><br />続いては、<strong><span style="color:#009865;">王銘琬九段</span></strong>の言葉です。<br /><br /><span style="font-size:large;"><span style="color:#0098CB;">「羊は羊の足で逃げなければならない」</span></span><br /><br />これは、銘琬九段がアマチュア向けに書かれた本の中の一節なので、ご自身よりアマチュアの心構えの意が含まれた言葉と思われます。<br /><br />どういう意味かといえば、（以下は私の曲解かもしれませんが）羊は、所詮、羊。オオカミに憧れ、オオカミのかぶり物を身にまとってみても、逃げるときには羊の足で逃げるしかない。<br /><br />野球に例えるなら、イチローにあこがれてイチローの構えを真似てみても、イチローと同じスイングはできない。<br />ならば、羊として生きよ。<br />羊の足で走れ。<br /><br /><br /><span style="font-size:large;"><span style="color:#0098CB;">「我間違える　ゆえに我あり」</span></span><br /><br />これは、銘琬九段の著書のタイトル。<br />銘琬九段の間違えた場面を紹介し、なぜ間違えたのかをご自身が言い訳する、という内容です。（私も共著で執筆させていただいたのですが、残念ながら絶版となってしまいました）<br /><br />その中で、勝敗を決する<strong><span style="color:#FF0000;">正着</span></strong>（そこに打っていたら勝っていた、という一手）に両対局者とも気がつかずに終わることが、プロの対局でもあると語られており、私には新鮮な驚きでした。<br /><br />その一局を「その場面で正着を打つべきでした」とまとめ、「それゆえ、その後に打った手はすべてナンセンス」と片付けることもできるだろうが、「果たしてナンセンスだったか。これは私の永遠の問いなのだ」と銘琬九段は語っています。<br /><br /><a target="_blank" href="http://www.amazon.co.jp/%E7%8E%8B%E9%8A%98%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%81%93%E3%82%8C%E3%82%92%E4%BC%9D%E3%81%88%E3%81%9F%E3%81%842-%E6%88%91%E9%96%93%E9%81%95%E3%81%88%E3%82%8B-%E3%82%86%E3%81%88%E3%81%AB%E6%88%91%E3%81%82%E3%82%8A-%EF%BD%9E%E6%82%AA%E6%89%8B%E3%82%92%E6%89%93%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%82%82%E3%81%88%E3%83%BC%E3%81%98%E3%82%83%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%8B%EF%BD%9E-%E7%8E%8B%E9%8A%98%E7%90%AC%E3%81%93%E3%82%8C%E3%82%92%E4%BC%9D%E3%81%88%E3%81%9F%E3%81%84-%E7%8E%8B-%E9%8A%98%E3%82%A8%E3%83%B3-ebook/dp/B007UYYU46%3FSubscriptionId%3D1KP9CZZY4T8B7VYR2S02%26tag%3Dseesaaaffi-2289570-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3DB007UYYU46"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/51UJTWgzWxL._SL160_.jpg" alt="王銘エンこれを伝えたい2　我間違える　ゆえに我あり　～悪手を打ってもえーじゃないか～ (王銘琬これを伝えたい) - "></a> <span style="font-size:x-small;"><span style="color:#0098CB;">Kindle版</span></span><br /><br />なんだか、抽象的な内容になってきてしまいました。<br /><br />武宮九段は、銘琬九段のことを「囲碁の考え方が、棋士の中では僕と近い」と話されています。<br /><br />なので、今回お二人の言葉をご紹介したわけですが、棋士約五百人が「囲碁」という山をそれぞれ500通りのルートで登られているとしたら、その中の二つだけ、それも「近いルート」から見える景色をご紹介したということ。<br /><br /><span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6532;">「近い」</span></span>というからには、<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6532;">「遠い」</span></span>ルートもあり、そこからは全く違う景色が見えるものと思います。<br /><br /><br /><br /><strong><span style="font-size:large;"><span style="color:#000098;">---相手に逃げ道を与える「攻め方」---</span></span></strong><br /><br />少し具体的なことも、と思い、急遽話題を変えることにします。<br /><br />囲碁の考え方が、具体的にはどのように役立つのか。<br />私には一つ、すぐに思い当たることがありました。<br /><span style="color:#FF6532;"><span style="font-size:large;">「攻め」</span></span>についてです。<br /><br />囲碁で「攻め」とは何か。<br />これもまた、棋士百人に尋ねれば百通りの答えが返ってきそうな気がします。<br /><br />囲碁を覚えたばかりのころは、相手の石を取ることが「攻め」だと思いがちです。（※「相手の石を取る」については、<a href="http://www.pandanet.co.jp/guide/igonyumon/nyumon01.htm" target="_blank"><ins><strong>パンダネット・ヒカルの囲碁入門♯１</strong></ins></a>をご参照ください）<br /><br />ところが、強くなるにつれ、「攻め」の認識は変わっていきます。<br /><span style="font-size:large;"><span style="color:#FF0000;">「取る」</span></span>というような、すぐに出る結論は求めなくなるのです。<br /><br />ちなみに、武宮九段に「攻めとは何ですか？」と質問したところ「う～ん、そうね～」としばらく考え込まれた後に<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6565;">「相手の形を崩すこと」</span></span>という返答が戻ってきました。<br /><br />相手がたった一手でも不本意な場所に打つことになれば、それでもう十分満足し、攻めの効果はあがったと見るのだそうです。それ以上、しつこくつきまとうこともしないのかもしれません。<br /><br />武宮九段の「攻め」は、たいへん高尚なので、どう役立てればよいか難しいです。<br /><br />私が「なるほど」ともう少し庶民的なレベルで納得した囲碁の「攻め」は、<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6532;">「相手に逃げ道を与える」</span></span>という考え方でした。<br /><br />取れそうな相手の石が現われたときに、完膚無きまでに打ちのめそう、とか、絶対に取ってやるぞ、というような徹底的な攻撃を仕掛けると、相手も必死の形相で抵抗してきます。<br /><br />すると、こちらにもホコロビはあるはずで、何かのはずみに攻守が逆転する可能性もでてきます。<br /><br />でも、早くから「こちらに逃げてください」と、相手があまり得にならない道を差し出すわけです。<br /><br />すると相手は喜んでその道を進んでくれます。<br />そのスキに、こちらは要所を押さえるわけです。<br /><br />この「攻め方」は、めったにないかもしれませんが、日常生活で大喧嘩になったときには多いに役立つはず。<br /><br />どの道を差し出そうかと頭を巡らせるうちに、冷静にもなってくる、という利点もあります。<br /><br />私も経験ずみです。<br />役立て方が庶民的すぎたでしょうか。<br /><br /><br /><br /><strong><span style="color:#FF0000;"><a href="http://www.pandanet.co.jp/guide/igonyumon/" target="_blank"><ins>＜インターネット囲碁サロン パンダネット＞</ins></a></span></strong><span style="color:#0065FF;"><br />では、囲碁入門の講座（１回１０分）を無料でご覧いただけます！<br /><br />囲碁をはじめてみようかな、という方に、おすすめの無料ネット動画です。<br />１回の講義は１０分。<br />今のところ＃８まで配信されています。<br />講師は、わかりやすいアマチュア指導で抜群の定評がある石倉昇九段です。<br />ネット上では「ネット入門講座の決定版」という声も聞こえてきております！</span><br /><br /><br /><a name="more"></a>

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            <category>コラム</category>
      <author>si</author>
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      <title>第9回：「囲碁」とアクティブエイジング</title>
      <pubDate>Tue, 13 May 2014 00:00:00 +0900</pubDate>
            <description>マンガ『ヒカルの碁』のおかげで、囲碁が「おじいちゃんのゲーム」というイメージはだいぶ払拭されたように思います。とはいえ、まだまだ、囲碁と聞いて高齢者が打っている姿を思い浮かべる方は多いことでしょう。現実にも、高齢の囲碁ファンはおおぜいいらっしゃいます。■「囲碁」でアクティブエイジング！では、「なぜ 高齢者は囲碁が好き なのか」ということを考えたことはあるでしょうか？「高齢者は、時間がたくさんあるから」とか、「昔覚えたから」といった理由がぼんやり頭に浮かばれたかもしれません。も..</description>
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マンガ『ヒカルの碁』のおかげで、囲碁が「おじいちゃんのゲーム」というイメージはだいぶ払拭されたように思います。

とはいえ、まだまだ、囲碁と聞いて高齢者が打っている姿を思い浮かべる方は多いことでしょう。現実にも、高齢の囲碁ファンはおおぜいいらっしゃいます。



■「囲碁」でアクティブエイジング！

では、「なぜ 高齢者は囲碁が好き なのか」ということを考えたことはあるでしょうか？

「高齢者は、時間がたくさんあるから」とか、「昔覚えたから」といった理由がぼんやり頭に浮かばれたかもしれません。もちろん、そういうこともあるでしょう。

でも一番大きな理由は、「囲碁が 何歳になっても強くなれるゲーム だから」ではないかと思います。

体力が落ち、目も耳も悪くなり……という気落ちしそうな日々の中で、「一年前より強くなった」と自覚できるものがある。

自分の子供や孫ぐらいの年齢の相手とも対等に戦い、楽しくも興奮した時間を持つことができる。しかも勝つことだってできる。喜びだけではなく自信にもつながり、そして何より、向上心 を持ち続けられることが、高齢者をひきつけてやまない囲碁の奥深い魅力なのです。

プロの世界では、中国・韓国の影響を受け、囲碁の内容が変化しつつあります。

極論すると、「 若い脳 が勝つ」内容になっているのかもしれません。

小学校にも行かずに囲碁道場で徹底した英才教育を受ける中国・韓国選手の強さは圧倒的で、追い抜かれ、水をあけられ続けた日本ですが、数年前から世界で負けたくないという意識が高まり、勉強法が改善され若手が台頭してきました。

今年に入り、ビッグニュースが２つ。
まず、一力遼さんが、３月に史上最年少記録の16歳9ヶ月で 棋聖戦リーグ入り＊を果たしました。
井山裕太さんの17歳10ヶ月を塗り替える大記録です。

４月には、20歳の伊田篤史さんが 本因坊戦リーグ＊１年目で大活躍し、挑戦者の椅子を勝ちとりました。

20歳での挑戦者は、井山さんに次いで ７大タイトル＊、史上２位の若さという快挙。５月14日から始まる井山本因坊との七番勝負に勝つと、史上最年少の本因坊が誕生することになります。ちなみに、伊田さんは「『ヒカ碁』を見て碁を始めた」そうです。

若手の台頭に興奮して、つい話がそれました。
でも、どんな競技でも、幼少から鍛え上げれば強くなるのは、まあ、当たり前といえば当たり前の話。

やはり、驚かなくてはいけないのは、なぜ囲碁は何歳になっても強くなることができ、それ故、高齢者が強いのか、という点だと思います。

「高齢者が強い」と聞いても、「それほどでもなかろう」とぼんやり思われたかもしれません。それが違うのです。

どのぐらい強いかというと、例えば、以前にもご紹介したことのあるプロ棋士の杉内雅男九段は、大正９年生まれ。プロ生活は 70 余年にわたられます。今なお現役で活躍され、今も、孫かひ孫ほど年の離れた棋士たちと互角、あるいはそれ以上の戦績を残されています。

アマチュアの世界でも、2011年に平田博則さんが、「世界アマチュア囲碁選手権」の日本代表選手に、84歳 で選ばれました。
20代、30代の若者を次々となぎ倒して、です。

これはもう、人間の脳の神秘といわざるを得ません。
その神秘を引き出すという意味で、囲碁は 医学 の分野でも注目されはじめています。

囲碁を打つときに、人間の脳のどの部分が使われるのか。といった研究が何件か発表されてきました。

最近では、東北大学の川島隆太郎教授と日本棋院の共同研究「囲碁と脳に関する研究」が注目されました。

小学生を対象にしたこの研究では、囲碁が 認知機能（思考力、短期記憶力、総合的な作業力）を向上させるという結果を得ています。



■医療にも役立つ「囲碁」

さて、囲碁は認知症の予防にもつながる、ということは以前から言われていますが、この研究に本格的に取り組もうとしている方に、今回お会いして取材してまいりました。

東京都立神経病院の脳神経内科医で、東京都健康長寿医療センター研究所の協力研究員でもある飯塚あいさん。

「考えることが好きで、人間の脳に興味があります」と可愛い目を輝かせ、「好きなアーチストはFear and Loathing in LasVegasとマキシマムザホルモン。ハードロックを聴きながら勉強すると、はかどるんです」と笑う26歳です。

飯塚さんは、中学１年で囲碁を始め、１年後にはなんと 院生（プロ養成機関）に。

「院生には入ったのですが一番下のクラスから上がれずプロになることはあきらめ、高校１年の夏に辞めました。でも囲碁はずっと好きです。嫌いにならずに本当によかったと思っています」。

その後、医師を目指すことになったきっかけは、「家族で『白い巨塔』を見て（笑）」だとか。ちなみに、何度もドラマ化されていますが、主演が唐沢寿明さんの、です。さらにちなみに、私はテレビを見ない家に育ったのですが、『白い巨塔』と言えば田宮二郎でしょう、という世代です。...話がそれました。

飯塚さんは、お休みの日も急患があれば呼び出されるという多忙な中、囲碁の普及にも取り組んでおり、アマチュア最高峰の大会の一つ「全日本アマチュア本因坊戦」で優勝経験もある村上深さん、プロ棋士の大橋拓文六段らが立ち上げている「日本社会人囲碁協会」のメンバーでもあります。

「このグループは、囲碁を何がしかの手段としてとらえて、世の中のために役立てる、ということをコンセプトにしています。地域貢献のチーム、アプリをつくるＩＴのチームなどがあり、私は医療チームです」

そして「医療チーム」は今年、本格的に始動しました。
３月には第１回健康長寿囲碁祭りを開催し、研究資料を展示したり、高齢者の囲碁入門教室や指導碁などを行って大盛況。今後も半年に１回のペースで開催の予定だそうです。


<img border="0" alt="&#x5199;&#x771F; (4).JPG" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/E58699E79C9F2028429-thumbnail2.JPG" width="320" height="240"> 
第一回健康長寿囲碁まつり（撮影:服部俊夫）

<img border="1" alt="&#x8CC7;&#x6599;.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/E8B387E69699-thumbnail2.jpg" width="320" height="236">
囲碁と医療の展示資料より（作成:飯塚あい）


上の資料にもあるように、囲碁を打っているときは、脳のいろいろな部分を使うことがわかってきています。20代がピークと言われる「計算力」や「記憶力」も、もちろん使うのですが、それだけでは囲碁を打てないわけですね。

そのあたりに、高齢者が強い理由が隠されているのでしょう。
飯塚さんが「脳の活性化に必ず効果がある」と考えるのも、この囲碁の特性ゆえです。

飯塚さんはこれから、高齢者を対象に「囲碁を知らない人に囲碁を教えることで 認知機能 がどう活性化するか」という研究や、「認知症で囲碁を打てる方を対象に、症状の進み具合」の研究などを具体的にスタートさせる予定。

「囲碁は認知症の予防や進行の抑制につながると、私は信じていて、早く証明したいです。証明できなかったとしても、囲碁が高齢者の社会参加につながり、生きがいになることだけは確か。囲碁を通じて、入院している患者さんや、外出せず元気がなくなってしまった高齢者の方には生きる気力を与え、元気がなくなりかけている方には元気を取り戻してもらい、元気な方には元気を保ってもらいたいというのが私の理想です」

医療の現場に囲碁が取り入れられる日は、案外近いかもしれません。


<img border="0" alt="ph1.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/ph1-a5186-thumbnail2.jpg" width="320" height="214">
飯塚あいさん（右）と大橋拓文六段（左）

<img border="0" alt="ph2.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/ph2-5948b-thumbnail2.jpg" width="320" height="214">
日本社会人囲碁協会のメンバー


 ＊「七大タイトル」と「リーグ」について 

七大タイトルとは、プロの公式棋戦の中でも優勝賞金が高く由緒ある「棋聖」「名人」「本因坊」「王座」「天元」「碁聖」「十段」（優勝賞金の高い順）のことです。この内、「棋聖」「名人」「本因坊」は三大タイトルと呼ばれています。

七大タイトルに共通する特徴は、男女、段位、所属に関係なく、全棋士が予選に参加すること。そして、タイトルホルダーは翌年の予選には参加せず、一年かけて勝ち上がったたった一人の挑戦者とタイトルマッチを戦うこと。

タイトルマッチは、三大タイトルが七番勝負（先に４勝した方が勝ち）で、一局を二日かけて行います。残りの四棋戦のタイトルマッチは五番勝負（先に３勝した方が勝ち）です。

極端なことを言えば、棋聖というタイトルを一つ持っていれば、残りの全ての対局に負けても、１年でたった４局、棋聖戦七番勝負で４勝すれば4500万円の賞金を手中にできるわけです。

挑戦者の決め方は、各棋戦で少しずつ異なるのですが、大きくとらえれば「トーナメント戦」です。

三大タイトルだけが、トーナメント戦を勝ち上がった最強棋士たち（現在、棋聖戦は12名、名人戦は9名、本因坊戦8名）が、最後に総当たり戦を行います（棋聖戦はＡ、Ｂリーグに分かれて総当たり戦の後に決勝戦）。この総当たり戦が「リーグ」です。

棋聖戦の場合は、毎年リーグから４名が陥落。そのあいたリーグ４席をかけて、全棋士が予選を戦うわけです。というわけで、「リーグ入り」は一流棋士の証とされ、棋士のほとんどは、まず「リーグ入り」を目標とするようです。

<a href="http://si-igo.seesaa.net/article/390185605.html" target="_blank">※棋聖戦については第8回の＜「囲碁」の対局現場～棋聖戦七番勝負～＞もぜひご覧ください！</a>


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      <content:encoded><![CDATA[
<br />マンガ<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF3200;">『ヒカルの碁』</span></span>のおかげで、囲碁が「おじいちゃんのゲーム」というイメージはだいぶ払拭されたように思います。<br /><br />とはいえ、まだまだ、囲碁と聞いて高齢者が打っている姿を思い浮かべる方は多いことでしょう。現実にも、高齢の囲碁ファンはおおぜいいらっしゃいます。<br /><br /><br /><br /><strong><span style="font-size:large;"><span style="color:#000098;"><ins>■「囲碁」でアクティブエイジング！</ins></span></span></strong><br /><br />では、「なぜ <span style="font-size:large;"><span style="color:#009898;">高齢者は囲碁が好き</span></span> なのか」ということを考えたことはあるでしょうか？<br /><br />「高齢者は、時間がたくさんあるから」とか、「昔覚えたから」といった理由がぼんやり頭に浮かばれたかもしれません。もちろん、そういうこともあるでしょう。<br /><br />でも一番大きな理由は、「囲碁が <span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6565;">何歳になっても強くなれるゲーム</span></span> だから」ではないかと思います。<br /><br />体力が落ち、目も耳も悪くなり……という気落ちしそうな日々の中で、「一年前より強くなった」と自覚できるものがある。<br /><br />自分の子供や孫ぐらいの年齢の相手とも対等に戦い、楽しくも興奮した時間を持つことができる。しかも勝つことだってできる。喜びだけではなく自信にもつながり、そして何より、<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6565;">向上心</span></span> を持ち続けられることが、高齢者をひきつけてやまない囲碁の奥深い魅力なのです。<br /><br />プロの世界では、中国・韓国の影響を受け、囲碁の内容が変化しつつあります。<br /><br />極論すると、「 <span style="font-size:large;"><span style="color:#009898;">若い脳</span></span> が勝つ」内容になっているのかもしれません。<br /><br />小学校にも行かずに囲碁道場で徹底した英才教育を受ける中国・韓国選手の強さは圧倒的で、追い抜かれ、水をあけられ続けた日本ですが、数年前から世界で負けたくないという意識が高まり、勉強法が改善され若手が台頭してきました。<br /><br />今年に入り、<span style="color:#FF0000;">ビッグニュース</span>が２つ。<br />まず、一力遼さんが、３月に史上最年少記録の16歳9ヶ月で <span style="font-size:large;"><span style="color:#0065CB ;"><ins>棋聖戦リーグ入り</span></span><span style="color:#0065CB;">＊</span></ins>を果たしました。<br />井山裕太さんの17歳10ヶ月を塗り替える大記録です。<br /><br />４月には、20歳の伊田篤史さんが <span style="font-size:large;"><span style="color:#0065CB;"><ins>本因坊戦リーグ</span></span><span style="color:#0065CB;">＊</span></ins>１年目で大活躍し、挑戦者の椅子を勝ちとりました。<br /><br />20歳での挑戦者は、井山さんに次いで <span style="color:#0065CB;"><span style="font-size:large;"><ins>７大タイトル</ins></span>＊</span>、史上２位の若さという快挙。５月14日から始まる井山本因坊との七番勝負に勝つと、史上最年少の本因坊が誕生することになります。ちなみに、伊田さんは「『ヒカ碁』を見て碁を始めた」そうです。<br /><br />若手の台頭に興奮して、つい話がそれました。<br />でも、どんな競技でも、幼少から鍛え上げれば強くなるのは、まあ、当たり前といえば当たり前の話。<br /><br />やはり、驚かなくてはいけないのは、なぜ囲碁は何歳になっても強くなることができ、それ故、高齢者が強いのか、という点だと思います。<br /><br />「高齢者が強い」と聞いても、「それほどでもなかろう」とぼんやり思われたかもしれません。それが違うのです。<br /><br />どのぐらい強いかというと、例えば、以前にもご紹介したことのあるプロ棋士の杉内雅男九段は、大正９年生まれ。プロ生活は <span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6565;">70</span></span> 余年にわたられます。今なお現役で活躍され、今も、孫かひ孫ほど年の離れた棋士たちと互角、あるいはそれ以上の戦績を残されています。<br /><br />アマチュアの世界でも、2011年に平田博則さんが、「世界アマチュア囲碁選手権」の日本代表選手に、<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6565;">84歳</span></span> で選ばれました。<br />20代、30代の若者を次々となぎ倒して、です。<br /><br />これはもう、人間の脳の神秘といわざるを得ません。<br />その神秘を引き出すという意味で、囲碁は <span style="font-size:large;"><span style="color:#009898;">医学</span></span> の分野でも注目されはじめています。<br /><br />囲碁を打つときに、人間の脳のどの部分が使われるのか。といった研究が何件か発表されてきました。<br /><br />最近では、東北大学の川島隆太郎教授と日本棋院の共同研究<span style="font-size:large;"><span style="color:#009898;">「囲碁と脳に関する研究」</span></span>が注目されました。<br /><br />小学生を対象にしたこの研究では、囲碁が <span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6565;">認知機能</span></span>（思考力、短期記憶力、総合的な作業力）を向上させるという結果を得ています。<br /><br /><br /><br /><strong><span style="font-size:large;"><span style="color:#003298;"><ins>■医療にも役立つ「囲碁」</ins></span></span></strong><br /><br />さて、囲碁は<span style="color:#FF0000;">認知症の予防</span>にもつながる、ということは以前から言われていますが、この研究に本格的に取り組もうとしている方に、今回お会いして取材してまいりました。<br /><br />東京都立神経病院の脳神経内科医で、東京都健康長寿医療センター研究所の協力研究員でもある<strong>飯塚あいさん</strong>。<br /><br /><span style="color:#CB3298;">「考えることが好きで、人間の脳に興味があります」</span>と可愛い目を輝かせ、<span style="color:#CB3298;">「好きなアーチストはFear and Loathing in LasVegasとマキシマムザホルモン。ハードロックを聴きながら勉強すると、はかどるんです」</span>と笑う26歳です。<br /><br />飯塚さんは、中学１年で囲碁を始め、１年後にはなんと <span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6565;">院生</span></span>（プロ養成機関）に。<br /><br /><span style="color:#CB3298;">「院生には入ったのですが一番下のクラスから上がれずプロになることはあきらめ、高校１年の夏に辞めました。でも囲碁はずっと好きです。嫌いにならずに本当によかったと思っています」。</span><br /><br />その後、医師を目指すことになったきっかけは、<span style="color:#CB3298;">「家族で『白い巨塔』を見て（笑）」</span>だとか。ちなみに、何度もドラマ化されていますが、主演が唐沢寿明さんの、です。さらにちなみに、私はテレビを見ない家に育ったのですが、『白い巨塔』と言えば田宮二郎でしょう、という世代です。...話がそれました。<br /><br />飯塚さんは、お休みの日も急患があれば呼び出されるという多忙な中、囲碁の普及にも取り組んでおり、アマチュア最高峰の大会の一つ「全日本アマチュア本因坊戦」で優勝経験もある村上深さん、プロ棋士の大橋拓文六段らが立ち上げている<span style="font-size:large;"><span style="color:#009898;">「日本社会人囲碁協会」</span></span>のメンバーでもあります。<br /><br /><span style="color:#CB3298;">「このグループは、囲碁を何がしかの手段としてとらえて、世の中のために役立てる、ということをコンセプトにしています。地域貢献のチーム、アプリをつくるＩＴのチームなどがあり、私は医療チームです」</span><br /><br />そして「医療チーム」は今年、本格的に始動しました。<br />３月には<span style="color:#FF0000;"><strong>第１回健康長寿囲碁祭り</strong></span>を開催し、研究資料を展示したり、高齢者の囲碁入門教室や指導碁などを行って大盛況。今後も半年に１回のペースで開催の予定だそうです。<br /><br /><br /><img border="0" alt="写真 (4).JPG" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/E58699E79C9F2028429-thumbnail2.JPG" width="320" height="240" border="1";> <br /><span style="font-size:x-small;"><span style="color:#FF9865;">第一回健康長寿囲碁まつり（撮影:服部俊夫）</span></span><br /><br /><img border="1" alt="資料.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/E8B387E69699-thumbnail2.jpg" width="320" height="236"><br /><span style="font-size:x-small;"><span style="color:#FF9865;">囲碁と医療の展示資料より（作成:飯塚あい）</span></span><br /><br /><br />上の資料にもあるように、囲碁を打っているときは、脳のいろいろな部分を使うことがわかってきています。20代がピークと言われる<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6565;">「計算力」</span></span>や<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6565;">「記憶力」</span></span>も、もちろん使うのですが、それだけでは囲碁を打てないわけですね。<br /><br />そのあたりに、高齢者が強い理由が隠されているのでしょう。<br />飯塚さんが<span style="font-size:large;"><span style="color:#CB3298;">「脳の活性化に必ず効果がある」</span></span>と考えるのも、この囲碁の特性ゆえです。<br /><br />飯塚さんはこれから、高齢者を対象に「囲碁を知らない人に囲碁を教えることで <span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6565;">認知機能</span></span> がどう活性化するか」という研究や、「認知症で囲碁を打てる方を対象に、症状の進み具合」の研究などを具体的にスタートさせる予定。<br /><br /><span style="color:#CB3298;">「囲碁は認知症の予防や進行の抑制につながると、私は信じていて、早く証明したいです。証明できなかったとしても、囲碁が高齢者の社会参加につながり、生きがいになることだけは確か。囲碁を通じて、入院している患者さんや、外出せず元気がなくなってしまった高齢者の方には生きる気力を与え、元気がなくなりかけている方には元気を取り戻してもらい、元気な方には元気を保ってもらいたいというのが私の理想です」</span><br /><br />医療の現場に囲碁が取り入れられる日は、案外近いかもしれません。<br /><br /><br /><img border="0" alt="ph1.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/ph1-a5186-thumbnail2.jpg" width="320" height="214"><br /><span style="font-size:x-small;"><span style="color:#FF9865;">飯塚あいさん（右）と大橋拓文六段（左）</span></span><br /><br /><img border="0" alt="ph2.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/ph2-5948b-thumbnail2.jpg" width="320" height="214"><br /><span style="font-size:x-small;"><span style="color:#FF9865;">日本社会人囲碁協会のメンバー</span></span><br /><br /><br /><span style="color:#0065CB;" "border:1"><strong> <ins>＊「七大タイトル」と「リーグ」について </ins></strong><br /><br />七大タイトルとは、プロの公式棋戦の中でも優勝賞金が高く由緒ある<strong>「棋聖」「名人」「本因坊」「王座」「天元」「碁聖」「十段」</strong>（優勝賞金の高い順）のことです。この内、「棋聖」「名人」「本因坊」は<strong>三大タイトル</strong>と呼ばれています。<br /><br />七大タイトルに共通する特徴は、男女、段位、所属に関係なく、全棋士が予選に参加すること。そして、タイトルホルダーは翌年の予選には参加せず、一年かけて勝ち上がったたった一人の挑戦者とタイトルマッチを戦うこと。<br /><br />タイトルマッチは、三大タイトルが<strong>七番勝負</strong>（先に４勝した方が勝ち）で、一局を二日かけて行います。残りの四棋戦のタイトルマッチは<strong>五番勝負</strong>（先に３勝した方が勝ち）です。<br /><br />極端なことを言えば、棋聖というタイトルを一つ持っていれば、残りの全ての対局に負けても、１年でたった４局、棋聖戦七番勝負で４勝すれば<strong>4500万円</strong>の賞金を手中にできるわけです。<br /><br />挑戦者の決め方は、各棋戦で少しずつ異なるのですが、大きくとらえれば<strong>「トーナメント戦」</strong>です。<br /><br />三大タイトルだけが、トーナメント戦を勝ち上がった最強棋士たち（現在、棋聖戦は12名、名人戦は9名、本因坊戦8名）が、最後に総当たり戦を行います（棋聖戦はＡ、Ｂリーグに分かれて総当たり戦の後に決勝戦）。この総当たり戦が<strong>「リーグ」</strong>です。<br /><br />棋聖戦の場合は、毎年リーグから４名が陥落。そのあいたリーグ４席をかけて、全棋士が予選を戦うわけです。というわけで、「リーグ入り」は一流棋士の証とされ、棋士のほとんどは、まず「リーグ入り」を目標とするようです。</span><br /><br /><span style="color:#0065CB;"><a href="http://si-igo.seesaa.net/article/390185605.html" target="_blank"><ins>※棋聖戦については第8回の＜「囲碁」の対局現場～棋聖戦七番勝負～＞もぜひご覧ください！</ins></a><br /></span><br /><br /><a name="more"></a>

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            <category>コラム</category>
      <author>si</author>
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      <title>第8回：「囲碁」の対局現場　～棋聖戦七番勝負～</title>
      <pubDate>Mon, 03 Mar 2014 00:00:00 +0900</pubDate>
            <description>ただ今、プロの囲碁界では、棋聖戦（読売新聞主催）のタイトルマッチが行われています。優勝賞金4500万円は囲碁界最高。棋聖位を獲ると棋士序列も１位。文字どおり最高峰の対局舞台です。棋聖は井山裕太六冠、挑戦者は山下敬吾九段。タイトルマッチは七番勝負（先に４勝した方が勝ち）で、私は2月20日、21日に打たれた第４局の観戦記を担当させていただきました。今回は、七番勝負の現場をご紹介しようと思います。■最高の舞台「棋聖戦」今年は、第1局がスペインで打たれ話題を集めました。井山棋聖が３連..</description>
            <itunes:summary><![CDATA[

ただ今、プロの囲碁界では、棋聖戦（読売新聞主催）のタイトルマッチが行われています。

優勝賞金4500万円は囲碁界最高。

棋聖位を獲ると棋士序列も１位。

文字どおり最高峰の対局舞台です。

棋聖は井山裕太六冠、挑戦者は山下敬吾九段。

タイトルマッチは七番勝負（先に４勝した方が勝ち）で、私は2月20日、21日に打たれた第４局の観戦記を担当させていただきました。
今回は、七番勝負の現場をご紹介しようと思います。



■最高の舞台「棋聖戦」

今年は、第1局がスペインで打たれ話題を集めました。
井山棋聖が３連勝し、そのままストレート勝ちで防衛してしまう勢いでしたが、第4局の対局地は山下九段の地元、北海道。
ファンの応援にも勇気づけられたのでしょう、１勝を返しました。

ちなみに、２月26、27日の第5局も山下九段が勝ち、3月2日現在は、井山六冠の３勝２敗という状況です。


はじめに「持ち時間」のお話を。

棋聖戦、名人戦（朝日新聞主催）、本因坊戦（毎日新聞主催）が三大タイトルと呼ばれます。

２日かけて対局するのは、世界中でこの３つのタイトル戦だけ。

持ち時間が一人８時間という対局も、世界中で三大タイトルの他にありません。

昔は、のんびりしていましたので、「持ち時間」などありませんでした。
江戸時代の対局は、「一日お休み」したりして、何日もかけて１局の碁を打っていたようです。

持ち時間を設定するようになってからも、昭和８年には、持ち時間一人24時間、13回打ちかけて、４ヵ月かけて打った記念対局もありましたし、昭和14年から始まった有名な「十番碁」は、一人13時間で３日かけたそうです。

こうした歴史を踏襲し、現在の「一人８時間。２日制」が整ったのでしょう。
中国や韓国では３時間、１時間が主流になりつつあると聞きます。

世界戦（国際戦）もほとんどが３時間以内ですので、これに慣れる意味もあって、日本の棋戦ものきなみ持ち時間を短縮する流れになっています。

その中での「８時間」には、「単に勝ち負けを競うのではなく、内容が濃いものを目指す」という日本の美学が込められているように思います。

中国や韓国のトップ棋士から「日本の三大タイトル戦を打ってみたい」という声を耳にすると、少し誇らしい気分になります。

　＊

さて、棋聖戦第４局です。

棋士によって、また対局地によっては、対局日の前々日に現地入りして、ゆっくり体調を整えることもありますが、今回は全員、前日に北海道、帯広市に到着しました。

立ち合い、新聞解説、記録、現地大盤解説などの役を担った対局者以外の棋士たち、新聞社の方、雑誌記者、ネット記者、日本棋院の職員、ＮＨＫスタッフなどなど、総勢20名を越える大所帯です。

少し以前の棋士は、ピリピリした空気をまとっていらっしゃいました。
対局者どおしの顔を合わせないように、移動の電車の車両を変えるなどの配慮もしていたほど。

でも、今30代の世代のあたりから、逆に周囲の関係者に気を配ってくださるような棋士が増えてきました。
時代の流れを感じます。

前日のスケジュールは、２つ。
対局室の下見と地元ファンを集めた前夜祭です。

<img border="0" alt="&#x4E0B;&#x898B;.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/E4B88BE8A68B-thumbnail2.jpg" width="244" height="280">

写真は下見の儀式。
向かって右が井山棋聖、左が山下挑戦者。
正面中央は立ち合いの宮沢吾朗九段（さかなクンのお父様です）、左は記録係の鈴木伸二四段、右が藤村洋輔初段。

碁盤や碁石に問題はないか、対局者にチェックしてもらうのですね。
地元の方から高価な碁盤・碁石をお借りすることもあり、まれに碁石が高価すぎて（高価な碁石はふっくらと厚みがあります）「持ちにくいので別の石にしてください」という要望が出ることがありますが、今回は、日本棋院所有のタイトル戦専用の盤石。儀式は１分ほどで終了しました（笑）。

今回同行した棋士はほとんどが北海道出身。
ということもあり、前夜祭会場に集まった方たちは終始笑顔。
地元の山下九段はもちろん、井山六冠もたちまちファンに囲まれて、何枚も記念撮影をしていました。

ちなみに、前夜祭は、いよいよ勝負が煮詰まる第6局、第7局では行われないことがほとんど。棋士たちに気づかいをさせない配慮です。

今回は山下九段はカド番に追い詰められていたわけですが、「北海道での対局を楽しみにしていいたのですが、まさかこんなに苦しい状況で迎えることになるとは想定していませんでした。気が重かったのですが、こうして地元の皆さまに暖かく迎えていただいて、明日から気持ちよく対局に臨めます。井山さんは人間がとてもできているので、地元で僕をいじめるようなことはしないと思います」とユーモアを交えたあいさつで会場を沸かせていました。

前夜祭会場に１時間ほどとどまった後、対局者は退室し、分かれてそれぞれ関係者と夕食。私は井山棋聖とご一緒させていただきました。

六冠を獲ったことで、この1年「情熱大陸」や「プロフェッショナル」などのテレビ番組にも取り上げられた井山棋聖。「少し疲れたので、今年は取材に応じるのを控えようかなと思ってます」などなどの話をにこやかに話されていました。



■対局開始

翌朝９時。
いよいよ対局開始です。
先に打つのは黒で、第４局は井山棋聖が黒。

黒の１手目、白の２手目、黒の３手目……と数えていくわけですが、16手目で39分の長考（長く考えること）。この白の手を発端に難解な戦いに突入すると、21手目では46分、24手目で50分、29手目で55分と、お互いに時間を存分に使って考え、盤面はほとんど動かず。

午後４時50分に、山下九段が「次の手を封じます」と宣言して一日目が終了。
結局一日かけて30手しか進みませんでした。
　
<img border="0" alt="ph1.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/ph1-thumbnail2.jpg" width="400" height="202">
（左）控室で検討する棋士たち　（右）控室隣の記者席


「次の手を封じます」について補足しましょう。

２日制の対局では、１日目の最後の一手を、盤上ではなく、棋譜（対局の手順を紙に記録したもの）に書き込みます。もちろん、誰にも見せないように、です。

次の手が書き込まれた棋譜は、折りたたまれて封筒に入れられ、立ち合い人に手渡されます。

これを立ち合い人が一晩保管し（実際には宿の金庫などに預けるのですが）、翌朝、立ち合い人が封を開けて棋譜に書き込まれた次の手を発表するという流れ。

この一手を「封じ手」と呼んでいます。

「封じ手」を巡っての駆け引きは、２日制ならではの見所の一つ、対局者にとっては気を使うところです。

あまりにも難しい場面で封じると、一晩考えているうちにもっといい手を見つけてしまい後悔する可能性もあります。

反対に、あまりにもわかりやすい場面で封じると、相手にその次の手を一晩じっくり考えられてしまいます。

また、棋聖戦では、午後５時半の時点で手番の人が次の手を必ず封じなければいけない決まりですが、４時半を過ぎたらいつ封じてもよいという決まりもあり、その場合は、５時半までの時間が折半されます。（例えば４時半に封じた場合は、５時半までの１時間を折半。両対局者が30分ずつ使ったことに）

それゆえ、自分の持ち時間も減るわけですが、相手の持ち時間を少しでも減らしたい場合に早めに封じるという作戦も立てられるわけです。

　＊

かつて、坂田栄男23世本因坊と藤沢秀行名誉棋聖という歴史に残る大棋士二人の名人戦では、封じ手を巡る有名な攻防がありました。

お二人は、犬猿の仲でも有名でした。

坂田先生は封じたくないので、打つ手は決まっていながら打たずにいて、「定刻」のぎりぎり直前に、相手を考えさせる難しい手を打ち下ろしました。

「定刻」になったら次の手を封じなければなりません。

秀行先生は「そうはさせじ」とすぐに次の手を打ちました。

すると、坂田先生がすかさずまた次の手を打ったのです。

秀行先生が「頭にきた」瞬間に「定刻」。

頭にカッカと血がのぼった状態で次の手を封じることになり、これが、「敗着」になってしまったようです。
坂田先生は後年「幼いことをした」と振り返っておられます。

最近では、残念ながら（？）、こんな光景が見られることは滅多にありません。

今回も、「封じるタイミングとしては、味がよい」との評判でした。

　＊

打ちかけの夜も、両対局者は分かれて、それぞれ夕食。
この日は山下九段と同席させていただきました。

打ちかけの日の夕食の席は、少し気を使います。
一日目を終えた時点で明らかに劣勢の側の棋士と同席する場合は特に、です。

かつて、趙治勲25世本因坊は、ご本人は意識していないのでしょうが、頭の中の碁盤をじっと見つめて集中している感じ。

料理に目を向けることもなく、ずっと黙り込んでいるのです。
30分ほど経って、ようやくこちらの世界に下りてきてくださり、ホッとしたものです。

でも、今回、山下九段は大丈夫でした。
「依田先生の息子さんは、小６だけど、マイ包丁を持っているそうだ」などという話をしながら、明るく過ごしました。

ちなみに、井山六冠も山下九段も、アルコール〓は一滴も飲みませんでした。
昔と比べてばかりですが、最近のトップ棋士はお酒を飲まない人が多いです。

　＊

二日目は、両者７時間59分使い、残り１分の「秒読み」をされ続けながら（59秒以内に打てば、切り捨てで0分消費という扱いになります）、午後８時７分までの熱戦となりました。

結果は山下九段の半目勝ち。
最少差での決着でした。
（興味のある方はぜひ読売新聞朝刊の囲碁欄をご覧ください！）

<img border="0" alt="&#x691C;&#x8A0E;1.2.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/E6A49CE8A88E1.2-thumbnail2.jpg" width="400" height="202">

写真左は終局後の検討。

終局した後は、お互いの陣地を数えやすいように、石を動かして整えます。
ですから、終局したときとは全く違う形になります。
その状態で、両対局者が、盤上を指しながら、「この手がこうでしたね」と感想を言い合うのはよくある光景。でも素人にはどの手がどうなのか、サッパリわからなかったりします。

少しして、対局場面を一部再現しながらの検討が始まりました（写真右）。
これなら、少しは話についていけます。

一勝を返した山下九段は嬉しそうでした。
打ち上げの後は早々と自室に戻り、次局に備えます。

井山六冠は、毎局そうなのですが、控室で若手棋士たちと検討。
夜中の１時半まで〓　
若さと囲碁への真摯な探究心に改めて感動しました。

翌日は、両対局者は早朝に帰宅。
その他の棋士たちは「棋聖戦帯広対局記念イベント」に向かいました。

アマチュア棋聖戦の他、指導対局、親子入門教室の企画に、地元ファンが集まり、明るく賑やかなひとときでした。

　＊

ここからは余談です。
イベントが終わり、飛行機〓の時間まで１時間ほど自由時間となりました。

そこで向かったのが、ばんえい競馬。

農耕馬による競馬で、ウィキペディアによると「日本国内の公営競技（地方競馬）としては北海道帯広市が主催する「ばんえい競馬（ばんえい十勝）」のみが行われており、世界的にみても唯一となる形態の競馬」とあります。

<img border="0" alt="&#x99AC;.JPG" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/E9A6AC-thumbnail2.JPG" width="280" height="210">

ばんえい競馬とはいえ、生まれて初めての競馬場でした〓
同行したのは、宮沢吾朗九段とやはり競馬経験ゼロの加藤充志九段と新聞社のＯ氏です。

Ｏ氏　「お客さんはスタートラインに立って馬と一緒に走るんですよ」
加藤　「え？　どういうことですか？」
Ｏ氏　「そのぐらい遅いんだよ（笑）」

わけもわからず連れてこられた加藤九段は、サラブレッドたちが走る普通の競馬を思っていたようです。我らの目の前で、急に走るのをやめて休憩してしまった馬を唖然と見つめ、「…何これ…」。
そして、じわじわと笑顔が広がると「俄然やる気がでてきた！」。

宮沢　「自分の名前（※ゴロー）が入った馬にしようと思ったけど直前に
　　　　やめちゃったら、５番と６番の「ゴロー」がきちゃったよ！」
加藤　「わはははは」
宮沢　「どこで止まるかわかんないんだよ。２つ山を越えたからそのまま
　　　　いくのかと思ったら、そこでも止まっちゃうんだもん」
加藤　「わはははは」

30分に１度のレースを２レース興じて、飛行場へと向かったのでした。

　＊

さて、演劇公演も迫っております。

３月２７日初日〓です。

これから怒涛の日々。
というわけで、勝手ながら、次回は１回こちらのブログをお休みさせていただこうと思います。

↓↓↓ 公演、お時間ありましたら、ぜひお越しください！ ↓↓↓

かもねぎショット公演　
高見亮子新作『エッシャーの家』ご予約受付中！ 

3月27日（木）～31日（月）＠下北沢 <a href="http://www.honda-geki.com/rakuen.html" target="_blank">小劇場楽園</a>

チケット予約専用アドレス
kamonegishot_ticket@yahoo.co.jp 
※公演詳細は <a href="http://kamonegi-shot.dreamlog.jp/" target="_blank">かもねぎブログ</a>へ<a></a>

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      <content:encoded><![CDATA[
<br />ただ今、プロの囲碁界では、<span style="font-size:large;"><span style="color:#006598;">棋聖戦</span></span>（読売新聞主催）のタイトルマッチが行われています。<br /><br /><span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6532;">優勝賞金<strong>4500万円</strong></span></span>は囲碁界最高。<br /><br /><span style="font-size:large;"><span style="color:#006598;">棋聖位</span></span>を獲ると棋士序列も<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF0000;"><strong>１位</strong></span></span>。<br /><br />文字どおり最高峰の対局舞台です。<br /><br />棋聖は<span style="font-size:large;">井山裕太六冠</span>、挑戦者は<span style="font-size:large;">山下敬吾九段</span>。<br /><br />タイトルマッチは七番勝負（先に４勝した方が勝ち）で、私は2月20日、21日に打たれた第４局の観戦記を担当させていただきました。<br />今回は、七番勝負の現場をご紹介しようと思います。<br /><br /><br /><br /><strong><span style="font-size:large;"><span style="color:#009898;">■最高の舞台「棋聖戦」</span></span></strong><br /><br />今年は、第1局が<strong>スペイン</strong>で打たれ話題を集めました。<br />井山棋聖が３連勝し、そのままストレート勝ちで防衛してしまう勢いでしたが、第4局の対局地は山下九段の地元、北海道。<br />ファンの応援にも勇気づけられたのでしょう、１勝を返しました。<br /><br />ちなみに、２月26、27日の第5局も山下九段が勝ち、3月2日現在は、井山六冠の<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6532;">３勝２敗</span></span>という状況です。<br /><br /><br />はじめに<span style="font-size:large;">「持ち時間」</span>のお話を。<br /><br /><span style="font-size:large;"><span style="color:#006598;">棋聖戦、名人戦</span></span>（朝日新聞主催）<span style="font-size:large;"><span style="color:#006598;">、本因坊戦</span></span>（毎日新聞主催）が<span style="font-size:large;"><span style="color:#006598;"><strong>三大タイトル</strong></span></span>と呼ばれます。<br /><br /><span style="font-size:large;"><span style="color:#FF3265;">２日</span></span>かけて対局するのは、世界中でこの３つのタイトル戦だけ。<br /><br />持ち時間が一人<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF3265;">８時間</span></span>という対局も、世界中で三大タイトルの他にありません。<br /><br />昔は、のんびりしていましたので、「持ち時間」などありませんでした。<br />江戸時代の対局は、「一日お休み」したりして、何日もかけて１局の碁を打っていたようです。<br /><br />持ち時間を設定するようになってからも、昭和８年には、持ち時間一人24時間、13回打ちかけて、４ヵ月かけて打った記念対局もありましたし、昭和14年から始まった有名な<strong>「十番碁」</strong>は、一人13時間で３日かけたそうです。<br /><br />こうした歴史を踏襲し、現在の<strong><span style="color:#FF0000;">「一人８時間。２日制」</span></strong>が整ったのでしょう。<br />中国や韓国では<strong>３時間、１時間</strong>が主流になりつつあると聞きます。<br /><br />世界戦（国際戦）もほとんどが３時間以内ですので、これに慣れる意味もあって、日本の棋戦ものきなみ持ち時間を短縮する流れになっています。<br /><br />その中での「８時間」には、<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF3265;">「単に勝ち負けを競うのではなく、内容が濃いものを目指す」</span></span>という日本の美学が込められているように思います。<br /><br />中国や韓国のトップ棋士から<span style="color:#006598;"><span style="font-size:large;">「日本の三大タイトル戦を打ってみたい」</span></span>という声を耳にすると、少し誇らしい気分になります。<br /><br />　＊<br /><br />さて、<span style="font-size:large;">棋聖戦第４局</span>です。<br /><br />棋士によって、また対局地によっては、対局日の前々日に現地入りして、ゆっくり体調を整えることもありますが、今回は全員、前日に北海道、帯広市に到着しました。<br /><br />立ち合い、新聞解説、記録、現地大盤解説などの役を担った対局者以外の棋士たち、新聞社の方、雑誌記者、ネット記者、日本棋院の職員、ＮＨＫスタッフなどなど、総勢20名を越える大所帯です。<br /><br />少し以前の棋士は、ピリピリした空気をまとっていらっしゃいました。<br />対局者どおしの顔を合わせないように、移動の電車の車両を変えるなどの配慮もしていたほど。<br /><br />でも、今30代の世代のあたりから、逆に周囲の関係者に気を配ってくださるような棋士が増えてきました。<br />時代の流れを感じます。<br /><br />前日のスケジュールは、２つ。<br />対局室の下見と地元ファンを集めた前夜祭です。<br /><br /><img border="0" alt="下見.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/E4B88BE8A68B-thumbnail2.jpg" width="244" height="280"><br /><br />写真は<span style="font-size:large;"><span style="color:#006598;">下見の儀式</span></span>。<br />向かって右が井山棋聖、左が山下挑戦者。<br />正面中央は立ち合いの宮沢吾朗九段（さかなクンのお父様です）、左は記録係の鈴木伸二四段、右が藤村洋輔初段。<br /><br />碁盤や碁石に問題はないか、対局者にチェックしてもらうのですね。<br />地元の方から高価な碁盤・碁石をお借りすることもあり、まれに碁石が高価すぎて（高価な碁石はふっくらと厚みがあります）「持ちにくいので別の石にしてください」という要望が出ることがありますが、今回は、日本棋院所有のタイトル戦専用の盤石。儀式は１分ほどで終了しました（笑）。<br /><br />今回同行した棋士はほとんどが北海道出身。<br />ということもあり、前夜祭会場に集まった方たちは終始笑顔。<br />地元の山下九段はもちろん、井山六冠もたちまちファンに囲まれて、何枚も記念撮影をしていました。<br /><br />ちなみに、前夜祭は、いよいよ勝負が煮詰まる第6局、第7局では行われないことがほとんど。棋士たちに気づかいをさせない配慮です。<br /><br />今回は山下九段はカド番に追い詰められていたわけですが、<span style="color:#980032;">「北海道での対局を楽しみにしていいたのですが、まさかこんなに苦しい状況で迎えることになるとは想定していませんでした。気が重かったのですが、こうして地元の皆さまに暖かく迎えていただいて、明日から気持ちよく対局に臨めます。井山さんは人間がとてもできているので、地元で僕をいじめるようなことはしないと思います」</span>とユーモアを交えたあいさつで会場を沸かせていました。<br /><br />前夜祭会場に１時間ほどとどまった後、対局者は退室し、分かれてそれぞれ関係者と夕食。私は井山棋聖とご一緒させていただきました。<br /><br /><span style="font-size:large;"><span style="color:#FF3265;">六冠</span></span>を獲ったことで、この1年「情熱大陸」や「プロフェッショナル」などのテレビ番組にも取り上げられた井山棋聖。<span style="color:#980032;">「少し疲れたので、今年は取材に応じるのを控えようかなと思ってます」</span>などなどの話をにこやかに話されていました。<br /><br /><br /><br /><strong><span style="font-size:large;"><span style="color:#009898;">■対局開始</span></span></strong><br /><br />翌朝９時。<br />いよいよ対局開始です。<br />先に打つのは黒で、第４局は井山棋聖が黒。<br /><br />黒の１手目、白の２手目、黒の３手目……と数えていくわけですが、16手目で39分の長考（長く考えること）。この白の手を発端に難解な戦いに突入すると、21手目では46分、24手目で50分、29手目で55分と、お互いに時間を存分に使って考え、盤面はほとんど動かず。<br /><br />午後４時50分に、山下九段が<strong>「次の手を封じます」</strong>と宣言して一日目が終了。<br />結局一日かけて<span style="font-size:large;">30手</span>しか進みませんでした。<br />　<br /><img border="0" alt="ph1.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/ph1-thumbnail2.jpg" width="400" height="202"><br /><span style="font-size:x-small;"><span style="color:#009832;">（左）控室で検討する棋士たち　（右）控室隣の記者席</span></span><br /><br /><br /><span style="font-size:large;"><span style="color:#FF3265;">「次の手を封じます」</span></span>について補足しましょう。<br /><br />２日制の対局では、１日目の最後の一手を、盤上ではなく、棋譜（対局の手順を紙に記録したもの）に書き込みます。もちろん、誰にも見せないように、です。<br /><br />次の手が書き込まれた棋譜は、折りたたまれて封筒に入れられ、立ち合い人に手渡されます。<br /><br />これを立ち合い人が一晩保管し（実際には宿の金庫などに預けるのですが）、翌朝、立ち合い人が封を開けて棋譜に書き込まれた次の手を発表するという流れ。<br /><br />この一手を<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF0000;"><strong>「封じ手」</strong></span></span>と呼んでいます。<br /><br />「封じ手」を巡っての駆け引きは、２日制ならではの見所の一つ、対局者にとっては気を使うところです。<br /><br />あまりにも難しい場面で封じると、一晩考えているうちにもっといい手を見つけてしまい後悔する可能性もあります。<br /><br />反対に、あまりにもわかりやすい場面で封じると、相手にその次の手を一晩じっくり考えられてしまいます。<br /><br />また、棋聖戦では、午後５時半の時点で手番の人が次の手を必ず封じなければいけない決まりですが、４時半を過ぎたらいつ封じてもよいという決まりもあり、その場合は、５時半までの時間が折半されます。（例えば４時半に封じた場合は、５時半までの１時間を折半。両対局者が30分ずつ使ったことに）<br /><br />それゆえ、自分の持ち時間も減るわけですが、相手の持ち時間を少しでも減らしたい場合に早めに封じるという作戦も立てられるわけです。<br /><br />　＊<br /><br />かつて、<strong>坂田栄男23世本因坊</strong>と<strong>藤沢秀行名誉棋聖</strong>という歴史に残る大棋士二人の名人戦では、封じ手を巡る有名な攻防がありました。<br /><br />お二人は、<strong>犬猿の仲</strong>でも有名でした。<br /><br />坂田先生は封じたくないので、打つ手は決まっていながら打たずにいて、「定刻」のぎりぎり直前に、相手を考えさせる難しい手を打ち下ろしました。<br /><br />「定刻」になったら次の手を封じなければなりません。<br /><br />秀行先生は「そうはさせじ」とすぐに次の手を打ちました。<br /><br />すると、坂田先生がすかさずまた次の手を打ったのです。<br /><br />秀行先生が「頭にきた」瞬間に「定刻」。<br /><br />頭にカッカと血がのぼった状態で次の手を封じることになり、これが、「敗着」になってしまったようです。<br />坂田先生は後年「幼いことをした」と振り返っておられます。<br /><br />最近では、残念ながら（？）、こんな光景が見られることは滅多にありません。<br /><br />今回も、<span style="font-size:large;">「封じるタイミングとしては、味がよい」</span>との評判でした。<br /><br />　＊<br /><br />打ちかけの夜も、両対局者は分かれて、それぞれ夕食。<br />この日は山下九段と同席させていただきました。<br /><br />打ちかけの日の夕食の席は、少し気を使います。<br />一日目を終えた時点で明らかに劣勢の側の棋士と同席する場合は特に、です。<br /><br />かつて、<strong>趙治勲25世本因坊</strong>は、ご本人は意識していないのでしょうが、頭の中の碁盤をじっと見つめて集中している感じ。<br /><br />料理に目を向けることもなく、ずっと黙り込んでいるのです。<br />30分ほど経って、ようやくこちらの世界に下りてきてくださり、ホッとしたものです。<br /><br />でも、今回、山下九段は大丈夫でした。<br /><span style="color:#980032;">「依田先生の息子さんは、小６だけど、マイ包丁を持っているそうだ」</span>などという話をしながら、明るく過ごしました。<br /><br />ちなみに、井山六冠も山下九段も、アルコール〓は一滴も飲みませんでした。<br />昔と比べてばかりですが、最近のトップ棋士はお酒を飲まない人が多いです。<br /><br />　＊<br /><br />二日目は、両者７時間59分使い、残り１分の「秒読み」をされ続けながら（59秒以内に打てば、切り捨てで0分消費という扱いになります）、午後８時７分までの熱戦となりました。<br /><br />結果は山下九段の<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF3265;">半目勝ち</span></span>。<br />最少差での決着でした。<br /><span style="color:#FF6598;">（興味のある方はぜひ<strong>読売新聞朝刊の囲碁欄</strong>をご覧ください！）</span><br /><br /><img border="0" alt="検討1.2.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/E6A49CE8A88E1.2-thumbnail2.jpg" width="400" height="202"><br /><br />写真左は終局後の<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF3265;">検討</span></span>。<br /><br />終局した後は、お互いの陣地を数えやすいように、石を動かして整えます。<br />ですから、終局したときとは全く違う形になります。<br />その状態で、両対局者が、盤上を指しながら、「この手がこうでしたね」と感想を言い合うのはよくある光景。でも素人にはどの手がどうなのか、サッパリわからなかったりします。<br /><br />少しして、対局場面を一部再現しながらの検討が始まりました（写真右）。<br />これなら、少しは話についていけます。<br /><br />一勝を返した山下九段は嬉しそうでした。<br />打ち上げの後は早々と自室に戻り、次局に備えます。<br /><br />井山六冠は、毎局そうなのですが、控室で若手棋士たちと検討。<br />夜中の１時半まで〓　<br />若さと囲碁への真摯な探究心に改めて感動しました。<br /><br />翌日は、両対局者は早朝に帰宅。<br />その他の棋士たちは「棋聖戦帯広対局記念イベント」に向かいました。<br /><br />アマチュア棋聖戦の他、指導対局、親子入門教室の企画に、地元ファンが集まり、明るく賑やかなひとときでした。<br /><br />　＊<br /><br />ここからは余談です。<br />イベントが終わり、飛行機〓の時間まで１時間ほど自由時間となりました。<br /><br />そこで向かったのが、<span style="font-size:large;">ばんえい競馬</span>。<br /><br />農耕馬による競馬で、ウィキペディアによると「日本国内の公営競技（地方競馬）としては北海道帯広市が主催する「ばんえい競馬（ばんえい十勝）」のみが行われており、世界的にみても唯一となる形態の競馬」とあります。<br /><br /><img border="0" alt="馬.JPG" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/E9A6AC-thumbnail2.JPG" width="280" height="210"><br /><br />ばんえい競馬とはいえ、生まれて初めての競馬場でした〓<br />同行したのは、宮沢吾朗九段とやはり競馬経験ゼロの加藤充志九段と新聞社のＯ氏です。<br /><br />Ｏ氏　「お客さんはスタートラインに立って馬と一緒に走るんですよ」<br />加藤　「え？　どういうことですか？」<br />Ｏ氏　「そのぐらい遅いんだよ（笑）」<br /><br />わけもわからず連れてこられた加藤九段は、サラブレッドたちが走る普通の競馬を思っていたようです。我らの目の前で、急に走るのをやめて休憩してしまった馬を唖然と見つめ、「…何これ…」。<br />そして、じわじわと笑顔が広がると「俄然やる気がでてきた！」。<br /><br />宮沢　「自分の名前（※ゴロー）が入った馬にしようと思ったけど直前に<br />　　　　やめちゃったら、５番と６番の「ゴロー」がきちゃったよ！」<br />加藤　「わはははは」<br />宮沢　「どこで止まるかわかんないんだよ。２つ山を越えたからそのまま<br />　　　　いくのかと思ったら、そこでも止まっちゃうんだもん」<br />加藤　「わはははは」<br /><br />30分に１度のレースを２レース興じて、飛行場へと向かったのでした。<br /><br />　＊<br /><br />さて、<span style="font-size:large;"><span style="color:#000098;"><strong>演劇公演</strong></span></span>も迫っております。<br /><br /><strong><span style="color:#FF0000;"><span style="font-size:large;">３月２７日初日</span></span></strong>〓です。<br /><br />これから怒涛の日々。<br />というわけで、勝手ながら、次回は１回こちらのブログをお休みさせていただこうと思います。<br /><br /><span style="color:#FF6500;"><strong>↓↓↓ 公演、お時間ありましたら、ぜひお越しください！ ↓↓↓</strong></span><br /><br /><span style="font-size:large;"><span style="color:#FF0000;">かもねぎショット公演　<br />高見亮子新作<strong>『エッシャーの家』ご予約受付中！ </span></span></strong><br /><br /><span style="font-size:large;"><span style="color:#FF0000;"><strong>3月27日（木）～31日（月）</strong>＠下北沢 <a href="http://www.honda-geki.com/rakuen.html" target="_blank">小劇場楽園</a></span></span><br /><br /><span style="color:#000098;">チケット予約専用アドレス<br />kamonegishot_ticket@yahoo.co.jp <br /><ins>※公演詳細は <a href="http://kamonegi-shot.dreamlog.jp/" target="_blank">かもねぎブログ</a>へ</ins></span><a name="more"></a>

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            <category>コラム</category>
      <author>si</author>
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      <title>第7回：「囲碁」と学校教育</title>
      <pubDate>Fri, 31 Jan 2014 00:00:00 +0900</pubDate>
            <description>井山裕太六冠の、「七冠達成」という夢の挑戦が、今年は実現しないことになりました。唯一手にしていない「十段」戦も、挑戦者まであと１勝と迫っていたのですが、挑戦者決定戦で高尾紳路九段に敗れてしまったのです。平成四天王の一人、高尾九段がまだまだ明け渡すわけにはいかない、と意地を見せられたのでしょう。気合を入れ直されたのか、井山さん、今年１月から始まっている棋聖戦の七番勝負で二連勝。六冠をキープし続けるのか、ここでもまた四天王の一人、山下敬吾九段が意地を見せて、棋聖位を奪還するのか、..</description>
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井山裕太六冠の、「七冠達成」という夢の挑戦が、今年は実現しないことになりました。

唯一手にしていない「十段」戦も、挑戦者まであと１勝と迫っていたのですが、挑戦者決定戦で高尾紳路九段に敗れてしまったのです。

平成四天王の一人、高尾九段がまだまだ明け渡すわけにはいかない、と意地を見せられたのでしょう。

気合を入れ直されたのか、井山さん、今年１月から始まっている棋聖戦の七番勝負で二連勝。

六冠をキープし続けるのか、ここでもまた四天王の一人、山下敬吾九段が意地を見せて、棋聖位を奪還するのか、井山さんを巡って、目の離せない囲碁界です。

私は、棋聖戦七番勝負の第四局を担当します。
来月は、この模様をお伝えしたいと思っております。



■ 囲碁と教育現場
──小学校の「囲碁の時間」

先日、小学校を対象にした「学校教育と囲碁」を考える研修会を見学させていただきました。

こちらのブログの<a href="http://si-igo.seesaa.net/article/366110733.html" target="_blank">第一回</a>でも「囲碁と教育」をテーマにしたのですが、小学校での囲碁の授業については具体的にほとんど触れなかったので、今回もう一度書いてみようと思います。
　
さて、マンガ『ヒカルの碁』をご存じの方はおおぜいいらっしゃることでしょう。子供だけでなく大人もハマる傑作 〓 。

当時、囲碁を全く知らない私の友人も「続きを読みたくて、会社から走って帰った」とか、「１巻読むのにだいたい１時間。これを読むと明日がつらい、ここでやめなきゃ、とわかっていながら止まらなくなっちゃうんだよね」という声がいろいろ聞こえてきました。

もちろん子供たちにも大人気で、「囲碁をはじめたい！」という子供が爆発的に増えました。

その影響力はかなりのもので、事実、ここ数年の間に、マンガやアニメで『ヒカルの碁』を見て囲碁をはじめた子供が何人もプロ棋士になっています。

というか、新しくプロになった若者の９割以上が、「『ヒカ碁』がきっかけ」と話し、半数以上が「家族で囲碁を打つ人はいない」そう。

日本全国どこにでも、囲碁が強くなる子供は潜在している、ということがわかったのは、嬉しい大収穫でした。

ところが、反対に、残念なこともありました。
「囲碁をはじめたい！」子供が爆発的に増えたために、各地に「にわか子供囲碁教室」が開設されたわけですが、多くが失敗に終わった、ということ。

つまり、教える側の態勢が整わなかったのです。

私も一度、都内公民館の囲碁教室をのぞいたことがあります。

「こんなに大勢集まってるんだ！」と喜んだのもつかの間、ご近所のアマチュアの方でしょう老先生の興味の持てない講義が延々と続いてゆき、だんだんと子供たちの顔がつまらなそうになってゆき、そのことに先生が気づいておらず……「ああ、もうこの子たちは、二度とこの教室には来ない」と確信するに至って、がっかりと寂しい思いをしたものです。

囲碁は、入門のあたりが実は最もとっつきにくく、教わる人にとってはいきなり大きな壁にぶつかることになります。それは同時に、教える人にとっても最も大きな壁だということでしょう。

手前みそで恐縮ですが、あのとき<a href="http://www.shueisha-int.co.jp/archives/289" target="_blank">『ヒカルの囲碁入門』</a>があれば……と残念でなりません。

子供たちが囲碁を始めたいと自ら公民館の囲碁教室に足を運ぶ。その自発性はかなりのものです。

それほどのやる気のある子供たちならば、よい教材が手元にありさえすれば、大人が放っておいても勝手に強くなっていくというもの。

私自身、友人のお子さんに実験（？）したことがあるのですが、まず『ヒカルの碁』を貸してあげ、その後に<a href="http://www.shueisha-int.co.jp/archives/289" target="_blank">『ヒカルの囲碁入門』</a>を渡す。
これが、やる気のある子供が碁を打てるようになる、最も簡単で効率のよい方法かもしれません。

ちなみに私の友人のお子さんは、当時小学校４年生でしたが、１年ほどで初段になってしまいました。

<img border="0" alt="hikarunoigo-nyumon.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/hikarunoigo-nyumon-thumbnail2.jpg" width="106" height="150">
『ヒカルの囲碁入門』（石倉昇･著／高見亮子･編集協力） 


実際に子供たちと触れ合う教育現場でも、「このままでは、だめだ」と真剣に指導法を考え続けているプロ棋士がいます。

水間俊文七段もその一人。
先日の研修会では、水間流指導法に「これならいける」と感動させられました。

小学校での「囲碁の時間」とは、具体的にはどんなものなのでしょうか。

<a href="http://www.nihonkiin.or.jp/" target="_blank">日本棋院</a>では、小学校に向けて３つのアプローチをしているといいます。

一つ目はクラブ活動での指導。
「囲碁部」に教えに行く、というものです。

二つ目は放課後の活動。
品川区などでは近年、学童保育（放課後児童クラブ）のために小学校の体育館などを解放しているそうです。
その中に囲碁コーナーを設けるというものです。

そして三つ目が、小学校の授業「総合的な学習の時間」（※今、小学校にこんな科目があることを、最近まで知りませんでした。３年～６年生対象で、週に２時間あるそうです）内での囲碁指導です。


<img border="0" alt="&#x6559;&#x79D1;&#x66F8;2.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/E69599E7A791E69BB82-thumbnail2.jpg" width="220" height="165">
<img border="0" alt="&#x6559;&#x79D1;&#x66F8;3.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/E69599E7A791E69BB83-thumbnail2.jpg" width="220" height="165">
<img border="0" alt="&#x6559;&#x79D1;&#x66F8;1.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/E69599E7A791E69BB81-thumbnail2.jpg" width="220" height="165">
日本棋院の学校用ガイドブック


この「総合的な学習の時間」を補足すると、目標は、「自ら課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、よりよく問題を解決する能力や資質。問題の解決や探究活動に主体的・創造的・協同的に取り組む態度」だそうです。

研修会にご出席された今野正保氏（小学校の校長先生を退役され、今も囲碁指導にあたっておられる方です）からは、興味深いお話を聞くことができました。

「この時間の『目標』には『自ら』の文字が何度出てくるかわかりません。それほど、今の子供たちは、自ら何かをするという経験がないのです。口をあければ食べ物が放り込まれる、という環境で育っていますから（笑）」。

そして、この「目標」に囲碁がいかにふさわしいか、さらに、相手の気持ちを思いやれるようになることが、囲碁の素晴らしさだとのこと。

「今の子供は、優しい言葉をかければ、それで親切をしたと思ってしまう。そんな言葉は今はかけてほしくない、という相手の気持ちまでは推しはかれないのです。でも、囲碁を打てば、相手が今何を考え、どうしたいと思っているのか、ということがわかる子供になります」



■「最後まで打つ」
──子供たちは「気づき」から強くなる

そこで、もう一度、指導法が問題になってきます。

一つ目のクラブ活動、二つ目の放課後の活動は、元々囲碁に興味のある子供が対象ですが、問題は三つ目の「授業」。

興味がない子供もいれば、さらに「囲碁なんてやりたくない」という子供もいるでしょう。

そういう子供たちに、どのように囲碁の楽しさを知ってもらうか。
これは指導者には大変な難問に思えます。

ここで、前述の水間七段のお考えを。

「これまでは、百人いたら十人ぐらい強くなる子がいればよい、という指導法でした。でも僕は、百人いたら百人全員に囲碁が打てるようになってほしい。そのためには、とにかくわかりやすくわかりやすく伝えることです」。

子供たちが何がわからないのか、どうすればわかってもらえるのか、ということを書きためた水間ノートは、実に何百ページにも渡ります。
その熱心さと細やかさには本当に驚かされました。

そして、「そうか！　なるほど〓」と文字どおり〓目から鱗が落ちるようなわかりやすい画期的な指導法をいくつも提案・実践されているのです。

もちろん、その効果は表れており、中央区の小学校などで、子供たち全員が囲碁を楽しんでいるといいます。

今野氏からも、水間流の素晴らしさについてお話がありました。
少し専門的な話になってしまうのですが……
しかも、山ほどあるのですが……

一例としては、囲碁では「終局」（対局の終わり）が難しいのですね。

どうなったら終わりなのか、これを正確に理解できれば、10級ぐらいの棋力はあるといってもよいでしょう。

ですから、これまでの囲碁入門書などでは「終局は、強くなれば自然にわかってきます」とか「まわりに強い人がいたら、終局のあたりは見てもらいましょう」などというふうにお茶をにごした書き方になっています。

もちろん、これは間違いではなく、本当に、終局は自然にわかってくるものなのですが、教育の現場では、全員の対局の終局を見て回るだけでも大変です。

水間流は、「もう打つところがないと思ったらパスをして、続けて、もう一人もパスをしたら終局」ということだけを伝えて、子供たち同士で終わりにする、というもの。

強い人が見れば、「本当はまだ打つ場所がある」としても、反対に、「今終わりにするべきで、これ以上打つと自分が損をする一方」だとしても、口を出さず、子供たちが納得するように打たせるわけです。

大切なのは、「最後まで打つ」ことです。

この方法のよいところは、先生が近くにいなくても、子供たちだけで囲碁の対局を楽しめるようになること。

経験を積みながら、自分から「本当はまだ打つ場所がある」ことや「これ以上打つと損をする」ことに気づいていけること。

この「気づき」から強くなっていくこと、でしょう。

水間七段が何度も口にされる言葉は、囲碁以外の教育現場にも共通するような気がします。

「強い人は、とかく、正しい打ち方・きれいな打ち方を教えようとします。でも、それは、もっと強くなってからの話なんです」


水間七段から、入門したばかりの子供たち、少し強くなった子供たちの棋譜（対局を紙に記録したもの）を見せていただきました。

それはそのまま、囲碁というゲームが現代の形になるまでの歴史をなぞっているように思えました。

囲碁は「お互いに自分の『地』（陣地）を取り合う」ゲームで、結果として「『地』（陣地）が多い方が勝ち」になります。

入門したばかりの子供たちの対局は、女の子同士だと、争いもせずにお互いに仲良く陣地を分け合う結末になることが多いようです。

男の子同士だと、相手の陣地の中にどんどん入っていき、碁盤の上が碁石で埋め尽くされるような結末になるようです。

この男の子同士の対局は、人間が囲碁をはじめた頃の対局と重なるのではないでしょうか。

かつて、囲碁は、地（陣地）の多さではなく、碁盤に自分の石をたくさん残した方が勝ちでした（中国ルールは基本的に今もこれです）。

相手の石を囲むと取れる（※「取る」とは、相手の石を盤上から取り上げること）、というルールがありますので、取られないようにしながら打たなくてはなりません。

やがて人間は、まず広く自分のエリアをつくり、その中に自分の石を埋めていけば、取られずにかつ自分の石をたくさん残せることに気づくようになりました。

すると、お互いにまずエリアをつくるようになっていく。

これが、後の（今の）「地」です。
そして、その中にいちいち石を埋めていくのも面倒なので、石の数ではなく、「地」を数えるようになったのですね。

囲碁では「地」の概念を理解するまでが、とても大変です。

歴史を振り返っても、おそらく何百年もかかったのですから。

そう考えると、子供たちが、「これ以上打つと損」ということに気づくまでの……地の概念を理解するまでの、ほんの数日か数週間ぐらいは、短いもの。
いくらでもゆっくり見守ってあげようという大らかな気持ちになれそうです。

指導者全員が、水間七段のような熱意と細やかさと優しさと忍耐をもって入門指導にあたれば、間違いなく子供たちは全員が囲碁を打てるようになると確信します。

問題は、全員が水間七段ではない、ということでしょうか。……いやいや、目から鱗の指導法を、ぜひ多くの方に取り入れていただき、真の意味での囲碁普及が浸透することを願っています。

<img border="0" alt="Image.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/Image-thumbnail2.jpg" width="320" height="320">
写真は、友人の囲碁インストラクター熊坂直子さん（「くまちゃん子ども囲碁教室」主宰）からお借りしました。囲碁を楽しんでいる子供たちの表情をご覧ください！



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集英社インターナショナル好評既刊
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■『ヒカルの囲碁入門』（石倉昇･著／高見亮子･編集協力）
「囲碁」初心者におすすめの入門書！

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<a href="http://www.shueisha-int.co.jp/archives/289" target="_blank">書籍詳細</a>／<a href="http://books.shueisha.co.jp/CGI/search/syousai_put.cgi?isbn_cd=978-4-7976-7188-9&amp;mode=1" target="_blank">書籍を購入する</a>

■『わが天才棋士・井山裕太』（石井邦生･著）
師匠がみた天才棋士の素顔と成長の記録
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]]></itunes:summary>
      <content:encoded><![CDATA[
<br />井山裕太六冠の、<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6565;">「七冠達成」</span></span>という夢の挑戦が、今年は実現しないことになりました。<br /><br />唯一手にしていない<strong><span style="color:#FF0032;">「十段」</span></strong>戦も、挑戦者まであと１勝と迫っていたのですが、挑戦者決定戦で高尾紳路九段に敗れてしまったのです。<br /><br />平成四天王の一人、高尾九段がまだまだ明け渡すわけにはいかない、と意地を見せられたのでしょう。<br /><br />気合を入れ直されたのか、井山さん、今年１月から始まっている<strong><span style="color:#FF0032;">棋聖戦</span></strong>の七番勝負で二連勝。<br /><br />六冠をキープし続けるのか、ここでもまた四天王の一人、山下敬吾九段が意地を見せて、棋聖位を奪還するのか、井山さんを巡って、目の離せない囲碁界です。<br /><br />私は、棋聖戦七番勝負の第四局を担当します。<br />来月は、この模様をお伝えしたいと思っております。<br /><br /><br /><br /><strong><span style="font-size:large;"><span style="color:#0065CB;">■ 囲碁と教育現場</span></span></strong><br /><strong><span style="color:#0065CB;">──小学校の「囲碁の時間」<br /></span></strong><br />先日、小学校を対象にした「学校教育と囲碁」を考える研修会を見学させていただきました。<br /><br />こちらのブログの<a href="http://si-igo.seesaa.net/article/366110733.html" target="_blank"><ins>第一回</ins></a>でも<strong><span style="color:#FF0032;">「囲碁と教育」</span></strong>をテーマにしたのですが、小学校での囲碁の授業については具体的にほとんど触れなかったので、今回もう一度書いてみようと思います。<br />　<br />さて、マンガ<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6565;">『ヒカルの碁』</span></span>をご存じの方はおおぜいいらっしゃることでしょう。子供だけでなく大人もハマる傑作 〓 。<br /><br />当時、囲碁を全く知らない私の友人も「続きを読みたくて、会社から走って帰った」とか、「１巻読むのにだいたい１時間。これを読むと明日がつらい、ここでやめなきゃ、とわかっていながら止まらなくなっちゃうんだよね」という声がいろいろ聞こえてきました。<br /><br />もちろん子供たちにも大人気で、<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6565;">「囲碁をはじめたい！」</span></span>という子供が爆発的に増えました。<br /><br />その影響力はかなりのもので、事実、ここ数年の間に、マンガやアニメで『ヒカルの碁』を見て囲碁をはじめた子供が何人もプロ棋士になっています。<br /><br />というか、新しくプロになった若者の９割以上が、<strong><span style="color:#FF0032;">「『ヒカ碁』がきっかけ」</span></strong>と話し、半数以上が「家族で囲碁を打つ人はいない」そう。<br /><br />日本全国どこにでも、囲碁が強くなる子供は潜在している、ということがわかったのは、嬉しい大収穫でした。<br /><br />ところが、反対に、残念なこともありました。<br />「囲碁をはじめたい！」子供が爆発的に増えたために、各地に「にわか子供囲碁教室」が開設されたわけですが、多くが失敗に終わった、ということ。<br /><br />つまり、<strong><span style="color:#FF0032;">教える側の態勢が整わなかった</span></strong>のです。<br /><br />私も一度、都内公民館の囲碁教室をのぞいたことがあります。<br /><br />「こんなに大勢集まってるんだ！」と喜んだのもつかの間、ご近所のアマチュアの方でしょう老先生の興味の持てない講義が延々と続いてゆき、だんだんと子供たちの顔がつまらなそうになってゆき、そのことに先生が気づいておらず……「ああ、もうこの子たちは、二度とこの教室には来ない」と確信するに至って、がっかりと寂しい思いをしたものです。<br /><br />囲碁は、<strong><span style="color:#FF0032;">入門のあたりが実は最もとっつきにくく</span></strong>、教わる人にとってはいきなり大きな壁にぶつかることになります。それは同時に、教える人にとっても最も大きな壁だということでしょう。<br /><br />手前みそで恐縮ですが、あのとき<strong><a href="http://www.shueisha-int.co.jp/archives/289" target="_blank"><ins>『ヒカルの囲碁入門』</ins></a></strong>があれば……と残念でなりません。<br /><br />子供たちが囲碁を始めたいと自ら公民館の囲碁教室に足を運ぶ。その自発性はかなりのものです。<br /><br />それほどのやる気のある子供たちならば、よい教材が手元にありさえすれば、大人が放っておいても勝手に強くなっていくというもの。<br /><br />私自身、友人のお子さんに実験（？）したことがあるのですが、まず『ヒカルの碁』を貸してあげ、その後に<strong><a href="http://www.shueisha-int.co.jp/archives/289" target="_blank"><ins>『ヒカルの囲碁入門』</ins></a></strong>を渡す。<br />これが、やる気のある子供が碁を打てるようになる、最も簡単で効率のよい方法かもしれません。<br /><br />ちなみに私の友人のお子さんは、当時小学校４年生でしたが、１年ほどで<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6565;">初段</span></span>になってしまいました。<br /><br /><img border="0" alt="hikarunoigo-nyumon.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/hikarunoigo-nyumon-thumbnail2.jpg" width="106" height="150"><br /><span style="font-size:x-small;"><span style="color:#009800;">『ヒカルの囲碁入門』（石倉昇･著／高見亮子･編集協力） </span></span><br /><br /><br />実際に子供たちと触れ合う教育現場でも、「このままでは、だめだ」と真剣に指導法を考え続けているプロ棋士がいます。<br /><br /><strong><span style="color:#003298;">水間俊文七段</span></strong>もその一人。<br />先日の研修会では、水間流指導法に「これならいける」と感動させられました。<br /><br />小学校での「囲碁の時間」とは、具体的にはどんなものなのでしょうか。<br /><br /><a href="http://www.nihonkiin.or.jp/" target="_blank"><ins>日本棋院</ins></a>では、小学校に向けて<strong><span style="color:#FF0032;">３つのアプローチ</span></strong>をしているといいます。<br /><br />一つ目は<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6565;">クラブ活動</span></span>での指導。<br />「囲碁部」に教えに行く、というものです。<br /><br />二つ目は<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6565;">放課後</span></span>の活動。<br />品川区などでは近年、学童保育（放課後児童クラブ）のために小学校の体育館などを解放しているそうです。<br />その中に囲碁コーナーを設けるというものです。<br /><br />そして三つ目が、小学校の授業<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6565;">「総合的な学習の時間」</span></span>（※今、小学校にこんな科目があることを、最近まで知りませんでした。３年～６年生対象で、週に２時間あるそうです）内での囲碁指導です。<br /><br /><br /><img border="0" alt="教科書2.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/E69599E7A791E69BB82-thumbnail2.jpg" width="220" height="165"><br /><img border="0" alt="教科書3.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/E69599E7A791E69BB83-thumbnail2.jpg" width="220" height="165"><br /><img border="0" alt="教科書1.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/E69599E7A791E69BB81-thumbnail2.jpg" width="220" height="165"><br /><span style="font-size:x-small;"><span style="color:#009800;">日本棋院の学校用ガイドブック</span></span><br /><br /><br />この「総合的な学習の時間」を補足すると、目標は、<strong><span style="color:#003265;">「自ら課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、よりよく問題を解決する能力や資質。問題の解決や探究活動に主体的・創造的・協同的に取り組む態度」</span></strong>だそうです。<br /><br />研修会にご出席された今野正保氏（小学校の校長先生を退役され、今も囲碁指導にあたっておられる方です）からは、興味深いお話を聞くことができました。<br /><br />「この時間の『目標』には<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6565;">『自ら』</span></span>の文字が何度出てくるかわかりません。それほど、今の子供たちは、自ら何かをするという経験がないのです。口をあければ食べ物が放り込まれる、という環境で育っていますから（笑）」。<br /><br />そして、この「目標」に囲碁がいかにふさわしいか、さらに、<strong><span style="color:#FF0032;">相手の気持ちを思いやれるようになる</span></strong>ことが、囲碁の素晴らしさだとのこと。<br /><br />「今の子供は、優しい言葉をかければ、それで親切をしたと思ってしまう。そんな言葉は今はかけてほしくない、という相手の気持ちまでは推しはかれないのです。でも、囲碁を打てば、相手が今何を考え、どうしたいと思っているのか、ということがわかる子供になります」<br /><br /><br /><br /><strong><span style="font-size:large;"><span style="color:#0065CB;">■「最後まで打つ」</span></span></strong><br /><strong><span style="color:#0065CB;">──子供たちは「気づき」から強くなる</span></strong><br /><br />そこで、もう一度、<strong><span style="color:#FF0032;">指導法</span></strong>が問題になってきます。<br /><br />一つ目のクラブ活動、二つ目の放課後の活動は、元々囲碁に興味のある子供が対象ですが、問題は三つ目の<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6565;">「授業」</span></span>。<br /><br />興味がない子供もいれば、さらに「囲碁なんてやりたくない」という子供もいるでしょう。<br /><br />そういう子供たちに、どのように囲碁の楽しさを知ってもらうか。<br />これは指導者には大変な難問に思えます。<br /><br />ここで、前述の水間七段のお考えを。<br /><br /><span style="color:#003298;"><strong>「これまでは、百人いたら十人ぐらい強くなる子がいればよい、という指導法でした。でも僕は、百人いたら百人全員に囲碁が打てるようになってほしい。そのためには、とにかくわかりやすくわかりやすく伝えることです」。</strong></span><br /><br />子供たちが何がわからないのか、どうすればわかってもらえるのか、ということを書きためた水間ノートは、実に何百ページにも渡ります。<br />その熱心さと細やかさには本当に驚かされました。<br /><br />そして、「そうか！　なるほど〓」と文字どおり〓目から鱗が落ちるようなわかりやすい画期的な指導法をいくつも提案・実践されているのです。<br /><br />もちろん、その効果は表れており、中央区の小学校などで、子供たち全員が囲碁を楽しんでいるといいます。<br /><br />今野氏からも、水間流の素晴らしさについてお話がありました。<br />少し専門的な話になってしまうのですが……<br />しかも、山ほどあるのですが……<br /><br />一例としては、囲碁では<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6565;">「終局」</span></span>（対局の終わり）が難しいのですね。<br /><br />どうなったら終わりなのか、これを正確に理解できれば、10級ぐらいの棋力はあるといってもよいでしょう。<br /><br />ですから、これまでの囲碁入門書などでは「終局は、強くなれば自然にわかってきます」とか「まわりに強い人がいたら、終局のあたりは見てもらいましょう」などというふうにお茶をにごした書き方になっています。<br /><br />もちろん、これは間違いではなく、本当に、終局は自然にわかってくるものなのですが、教育の現場では、全員の対局の終局を見て回るだけでも大変です。<br /><br />水間流は、「もう打つところがないと思ったらパスをして、続けて、もう一人もパスをしたら終局」ということだけを伝えて、<strong><span style="color:#FF0032;">子供たち同士で終わりにする</span></strong>、というもの。<br /><br />強い人が見れば、「本当はまだ打つ場所がある」としても、反対に、「今終わりにするべきで、これ以上打つと自分が損をする一方」だとしても、口を出さず、<strong><span style="color:#FF0032;">子供たちが納得するように</span></strong>打たせるわけです。<br /><br />大切なのは、<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6565;">「最後まで打つ」</span></span>ことです。<br /><br />この方法のよいところは、先生が近くにいなくても、<strong><span style="color:#FF0032;">子供たちだけで</span></strong>囲碁の対局を楽しめるようになること。<br /><br />経験を積みながら、自分から「本当はまだ打つ場所がある」ことや「これ以上打つと損をする」ことに気づいていけること。<br /><br />この<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6565;">「気づき」</span></span>から強くなっていくこと、でしょう。<br /><br />水間七段が何度も口にされる言葉は、囲碁以外の教育現場にも共通するような気がします。<br /><br /><span style="color:#003298;"><strong>「強い人は、とかく、正しい打ち方・きれいな打ち方を教えようとします。でも、それは、もっと強くなってからの話なんです」</strong></span><br /><br /><br />水間七段から、入門したばかりの子供たち、少し強くなった子供たちの棋譜（対局を紙に記録したもの）を見せていただきました。<br /><br />それはそのまま、囲碁というゲームが現代の形になるまでの歴史をなぞっているように思えました。<br /><br />囲碁は「お互いに自分の<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6565;">『地』</span></span>（陣地）を取り合う」ゲームで、結果として「<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6565;">『地』</span></span>（陣地）が多い方が勝ち」になります。<br /><br />入門したばかりの子供たちの対局は、女の子同士だと、争いもせずにお互いに仲良く陣地を分け合う結末になることが多いようです。<br /><br />男の子同士だと、相手の陣地の中にどんどん入っていき、碁盤の上が碁石で埋め尽くされるような結末になるようです。<br /><br />この男の子同士の対局は、<strong><span style="color:#FF0032;">人間が囲碁をはじめた頃の対局</span></strong>と重なるのではないでしょうか。<br /><br />かつて、囲碁は、地（陣地）の多さではなく、碁盤に自分の<strong><span style="color:#FF0032;">石</span></strong>をたくさん残した方が勝ちでした（中国ルールは基本的に今もこれです）。<br /><br />相手の石を囲むと取れる（※「取る」とは、相手の石を盤上から取り上げること）、というルールがありますので、取られないようにしながら打たなくてはなりません。<br /><br />やがて人間は、まず広く自分のエリアをつくり、その中に自分の石を埋めていけば、取られずにかつ自分の石をたくさん残せることに気づくようになりました。<br /><br />すると、お互いにまずエリアをつくるようになっていく。<br /><br />これが、後の（今の）「地」です。<br />そして、その中にいちいち石を埋めていくのも面倒なので、石の数ではなく、「地」を数えるようになったのですね。<br /><br />囲碁では<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6565;">「地」の概念を理解する</span></span>までが、とても大変です。<br /><br />歴史を振り返っても、おそらく何百年もかかったのですから。<br /><br />そう考えると、子供たちが、「これ以上打つと損」ということに気づくまでの……地の概念を理解するまでの、ほんの数日か数週間ぐらいは、短いもの。<br />いくらでもゆっくり見守ってあげようという大らかな気持ちになれそうです。<br /><br />指導者全員が、水間七段のような熱意と細やかさと優しさと忍耐をもって入門指導にあたれば、間違いなく子供たちは<strong><span style="color:#FF0032;">全員が囲碁を打てるようになる</span></strong>と確信します。<br /><br />問題は、全員が水間七段ではない、ということでしょうか。……いやいや、目から鱗の指導法を、ぜひ多くの方に取り入れていただき、真の意味での囲碁普及が浸透することを願っています。<br /><br /><img border="0" alt="Image.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/Image-thumbnail2.jpg" width="320" height="320"><br /><span style="font-size:x-small;"><span style="color:#009800;">写真は、友人の囲碁インストラクター熊坂直子さん（「くまちゃん子ども囲碁教室」主宰）からお借りしました。囲碁を楽しんでいる子供たちの表情をご覧ください！</span></span><br /><br /><br /><br /><span style="color:#FF0032;">---------------------------------------------------------------------</span><br /><strong><span style="color:#FF0032;"><span style="font-size:large;">集英社インターナショナル好評既刊</span></span></strong><br /><span style="color:#FF0032;">---------------------------------------------------------------------</span><br /><br /><strong><span style="color:#006598;"><ins>■『ヒカルの囲碁入門』（石倉昇･著／高見亮子･編集協力）</ins></span></strong><br /><strong><span style="color:#000098;">「囲碁」初心者におすすめの入門書！</span></strong><br /><br /><img border="0" alt="hikarunoigo-nyumon.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/hikarunoigo-nyumon-thumbnail2.jpg" width="106" height="150"><br /><a href="http://www.shueisha-int.co.jp/archives/289" target="_blank"><ins>書籍詳細</ins></a>／<a href="http://books.shueisha.co.jp/CGI/search/syousai_put.cgi?isbn_cd=978-4-7976-7188-9&mode=1" target="_blank"><ins>書籍を購入する</ins></a><br /><br /><strong><span style="color:#006598;"><ins>■『わが天才棋士・井山裕太』（石井邦生･著）</ins></span></strong><br /><strong><span style="color:#000098;">師匠がみた天才棋士の素顔と成長の記録</span></strong><br /><img border="0" alt="iyamayuta.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/iyamayuta-thumbnail2.jpg" width="105" height="150"><br /><a href="http://www.shueisha-int.co.jp/archives/210" target="_blank"><ins>書籍詳細はこちら</ins></a>／<a 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            <category>コラム</category>
      <author>si</author>
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      <title>第6回：「囲碁」と日本人</title>
      <pubDate>Fri, 27 Dec 2013 00:00:00 +0900</pubDate>
            <description>今回は「囲碁と日本人」というタイトルにしてみました。・日本は文化的に碁に向いている？──素直な日本人と、徹底議論の欧米人もう20年以上も前ですが、私は、アメリカ人と囲碁を打ったことがあります。私のほうが少し強かった（と自分では思った）ので、対局が終わってから反省会を試みてみました。「この手は、ここに打った方がよかったと思います」と、相手の失敗を指摘してみたわけです。すると彼は「僕はそうは思わない」と返してきました。一瞬絶句した後、「でも、ここに打っていれば、ここがこんなにいい..</description>
            <itunes:summary><![CDATA[

今回は「囲碁と日本人」というタイトルにしてみました。


・日本は文化的に碁に向いている？
──素直な日本人と、徹底議論の欧米人

もう20年以上も前ですが、私は、アメリカ人と囲碁を打ったことがあります。

私のほうが少し強かった（と自分では思った）ので、対局が終わってから反省会を試みてみました。

「この手は、ここに打った方がよかったと思います」と、相手の失敗を指摘してみたわけです。すると彼は「僕はそうは思わない」と返してきました。

一瞬絶句した後、「でも、ここに打っていれば、ここがこんなにいい結果になるでしょう？」と言い返してみました。

すると彼からは「そんなにいい結果だとも思わないし、僕は実戦の結果でも全くかまわない」と返ってきました。

そう言われると、私は囲碁の神様であるはずもなく、自分が言っていることが100％正しいという自信はありません。加えて説き伏せるほどの英語力などとうてい持ち合わせていません。

そこで私は、文字通り、閉口してしまったのでした。
以来、なんとなく、小さなトラウマになっていました。

でも、最近、プロ棋士のマイケル・レドモンド九段から「僕は日本人に教えるときと、欧米人に教えるときとでは、教え方が全く違う」というお話を聞いて、少し安堵しました。

「日本人と指導対局するときには、やさしくきれいに打ち、ほんの少し勝たせてあげることもありますが、欧米人が相手のときは、はじめは必ず木端微塵に叩きのめす」のだそうです。

「日本人にそんなことをしたら、もう囲碁は打たないと嫌われてしまいそうですが、欧米人は、こちらがどれほど強いかということをきちんと見せておかないと、その先こちらの言うことを全く聞かないから」と笑っておられました。

レドモンド九段の指導経験によれば、「もちろん、個人差はありますが」と前置きしたうえで、自分の意見を主張する欧米人よりも、相手の意見を素直に聞く日本人の方が囲碁の上達は早いとのこと。

その代わり、欧米人は徹底的に論議して納得すれば本当に理解し自分のものにできるけれど、日本人はわかったつもりになって（あるいは、わかったフリをして）実際には理解しておらず、いつまでも身につかないこともままある、とのことでした。

なるほど、囲碁に限らず、私も思い当たることが大ありです。

アメリカ出身のレドモンド九段ご自身も、来日してしばらくは「他人の意見を素直に聞くことができず、聞けるようになって強くなった」とのこと。

アメリカは多民族国家なので、日本のように皆が一緒の価値感や常識といったものは存在せず、あらゆることを全て法で規制するしかなく、「すぐに裁判になりますし、自分の非を認めると損をする、という社会なわけです。だから僕も、いつの間にか『言い訳』することを覚えたのでしょう」というのは、なかなか興味深いお話。

「でも、碁の上達においては、『言い訳』はマイナスにしかなりません。言い訳するうちに、自分自身も騙されて、自分で自分の失敗がわからなくなってしまうからです。失敗を消化して同じことを繰り返さない、というプロセスを踏んでこそ強くなれるのです。その点では、日本は文化的に碁に向いているのかもしれません」との結論でした。

ちなみにレドモンド九段は、日本に来て間もない頃、タイトルを持っているトップ棋士が、「この手を間違えた」と自分の非を認め反省しているのを見聞きしたときに、「それこそ衝撃的に」驚いたそうです。

日本に来て一番のカルチャーショックだったとまでおっしゃっていました。

下の写真は、今年の「ヨーロッパ碁コングレス」（ヨーロッパで毎年２～３週間にわたって開かれる囲碁のイベント。ヨーロッパの囲碁ファンが大勢集まり、ヨーロッパ各国の選手による大会や、プロの指導対局や講義など、さまざまな企画が盛り込まれます。今年の開催都市はポーランドでした）の様子。
指導に訪れたプロ棋士、大橋拓文六段からお借りしたものです。


<img border="0" alt="076.JPG" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/076-thumbnail2.JPG" width="330" height="247">
指導対局中。
囲碁は実力の上の人は白石を持ちますが、よく見ると、左側の大橋六段が、黒石を持っています。「僕は黒のときに一手目を天元に打つ（※天元とは碁盤のど真ん中の位置です。一手目をここに打つのは珍しい試みです）研究をしているんだ、と話したら、その試みと、自分が白でぜひ対戦してみたいと言われて。だから僕が黒を持ってるんです」と大橋六段。
日本人なら、どんな場合であっても、アマチュアがプロ棋士に向かって「自分が白で対戦したい」などとは、おそれおおくてとても言えません。さすがはポーランド人です。
快くＯＫした大橋六段も心が広い！

<img border="0" alt="ph2.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/ph2-thumbnail2.jpg" width="320" height="238">
指導対局の後の検討風景。左が大橋六段。
プロの指導を聞きもらすまいと、周囲の若者たちも、熱心に検討に加わっています。



・15歳で既に大きな実力差
──韓国･中国と日本の棋士教育

欧米ではなく、中国、韓国と比べてみると、日本は囲碁界でどんなポジションにあるでしょうか。

今、プロ組織を持っているのは、世界で４カ国。
成立した順に、日本、韓国、中国、台湾です。

20年ほど前までは日本の実力は世界一位でしたが、韓国に抜かれ、ついで中国に抜かれ、現在は三位といってよいでしょう。

日本の全盛期を知る年配のアマチュア囲碁ファンの方からは「日本の棋士は何をやっているんだ」という声が今も聞こえてきます。

でも、実はそう簡単なことではないのだ、ということが、私も10年ほど前からわかってきました。

日本が一位になれない理由の一つは、棋士を育てる環境にあります。

日本の場合、多くの棋士は高校に行きません。
中学を卒業するや囲碁の勉強に打ち込むためです。

このことに違和感を覚える方もいるかもしれませんが、なんと、韓国、中国の場合は、小学校にも行かずに囲碁道場に通う子供が多いといいます。

そこで、15歳の時点で、日本の子供と、韓国・中国の子供とでは、囲碁の実力に大きな差が開いてしまっているのです。

でも、「プロになれないかもしれないのに、子供を小学校にも行かせない」という決断は、日本人にはなかなかできないことだと思います。

さらに、プロになってからの環境も大きく異なるようです。

例えば中国では、プロの中でもトップ棋士たちは国家チームに所属し、その国家チームのメンバーは毎日、国が管轄する「中国棋院」に集まり（多くはそこに寝泊まりし）、朝から晩まで、一緒に研究を重ねています。

中国の元エース、常昊九段（1976年生）は「一人の時間も強くなればなるほど必要ですが、集団で勉強するという行為は必要です。特にトップ棋士どうしの集まりは絶対に必要です。集団の研究のよさは、結論が出ることです。でも、ただ暗記するのではなく、自分の理解がなければだめですね。理解して整理して初めて吸収できる。そうでなければ忘れてしまいます」と話されています。

でも、それは、日本でいえば、井山裕太六冠（２）と、結城聡十段と、平成四天王（張栩九段（３）、山下敬吾九段、羽根直樹九段、高尾紳路九段）と、三大棋戦のリーグ在籍棋士たちが日本棋院に集まり、朝から晩まで毎日一緒に研究している、ということ。

そんな光景は、全く想像もできませんし、あり得ないことです。



・「芸」か「勝負」か
──独創的な一手を追い求める日本と、勝負にこだわる世界

囲碁の捉え方も、日本と、韓国・中国では大きく異なるようです。
中国出身の日本棋士、孔令文七段（４）のコメントを引用してみると……

日本の碁には、いわゆる「芸」を重んじる歴史があります。「定石の勉強や、答えの出る場面──詰碁やヨセ──の勉強だけしても芸は備わらない」という考え方が脈々と受け継がれているのです。この曖昧な考え方が、私も素敵な気がしていました。定石や詰碁やヨセだけやれば強くなるだなんて、「碁は、そんな狭いものじゃない」と言い切るのもまたカッコイイではありませんか。だから、答えの出る場面にではなく、答えの出ない無限の局面に挑戦するロマンに芸を求めてしまうのです。
でも、勝負の世界ならば、答えの出る場面を研究した方が絶対に有利であることが、世界の現状から知らされています。
（『碁ワールド』日本棋院。連載「勝負の赤壁」より）

乱暴にまとめると……

日本の棋士は、序盤から妥協せず、最善の一手、美しい一手、自分にしか打てない独創的な一手を追い求める。

そのために持ち時間をどれほど使っても惜しまない。
その美意識が孔令文七段が言っておられる「芸」なのです。

そして繰り出された一手によって、ファンは感動し、局面も優勢になる。

ところが中盤以降に時間がなくなり、うっかりミス…うっかりとはいえ致命的なミスをして負けてしまう。

それでも、「あの一手は魅せてくれた」とファンは喜び、「勝負には負けたが、碁では勝っていた」と満足する。

これが、国内戦の話なら誰も何も言わないのだが、世界戦の場合になると、ファンの声も「なぜ負けるんだ」と変わってくる……

つまり、日本人は勝負より「芸」や「ロマン」を求めてきた。
ということでしょうか。

今も、囲碁を「勝負」か「芸」かと問えば、日本棋士の何名かは「芸」と答えるのではないかなと想像します。

「勝負だが、芸でもある」と中庸の回答をする棋士も多いでしょう。

でも、世界の一線で活躍する韓国・中国の棋士はおそらく全員が迷わず「勝負」と断言するでしょう。

どちらを追い求めてきたのか。
その結果が今表に出ている。ということなのかもしれません。

さて、今年は井山裕太六冠が、「テレビアジア囲碁選手権」という世界戦で、日本人として久々の優勝。という嬉しいニュースがありました。

「世界で勝つ」という強い志を抱く若手棋士も増えています。
これからは、これまでより、日本勢が「勝負」にこだわる時代がやってくる、という予感がします。

「囲碁と日本人」というタイトルからは少しそれてしまいましたが、最後に、孔令文七段のコメントをもう一度引用させていただいて、今回は終わりにします。

日本の碁は、感覚的なもの──一例として、相場感覚や布石の段階での判断力──において、特殊な優れた能力があります。「碁は広く、どの分野も非常に奥深い」という日本の碁の考え方を、私は今も捨ててはいませんし、日本の碁が素晴らしいという気持ちは一度も揺らいだことはありません。（略）

日本は対局を楽しむアマチュア囲碁ファンが大勢います。囲碁を通して多くを学ぶことができるという伝統的な文化があります。これは確実に中国や韓国より優れており、羨ましがられている側面であり、決して絶やしてはならないものです。また、伝統的な日本の魅力である「芸」もまた衰退させてはなりません。日本としては、誇りを持ってこれらを後世に世界に広めていくべきだと私は思っています。（略）

日本の「芸」に憧れ、でも世界で勝てなくなってしまった現状に悶々としていた私に、父（聶衛平九段（５））の言葉はとても響くものでした。「碁が後世に残るとしたら、絶対に『芸』であってほしい。日本の囲碁界が証明してきたように、残るものは必ず『芸』だ。でも、今を勝ち抜きたかったら『勝負』にこだわるしかない」。私は、いい言葉だと思っています。そして、前向きに、囲碁界のために私にできることは全てやっていくつもりです。



〓棋士、一言紹介（プロフィールは<a href="http://www.nihonkiin.or.jp/" target="_blank">日本棋院のＨＰ</a>をご覧ください！）

（１）マイケル・レドモンド九段
（２）井山裕太六冠
（３）張栩九段
<a href="http://si-igo.seesaa.net/article/370750967.html" target="_blank">第2回「囲碁」とコンピュータ</a> 参照。

（４）孔令文（こう れいぶん）七段
中国出身。来日後、日本帰化。中国時代を「当時は、鄧小平さんが、父と僕をかわいがってくださっていて、そんな中で育った僕は、世間を知らなければ、礼儀も知らず、本当にやりたい放題でした」と振り返る孔七段。「母（※中国女流棋士の先駆的存在、孔祥明八段。国家チームのコーチも長年つとめる）は、このまま中国にいてはこの子はダメになると思ったのでしょう（笑）、僕を日本に送り込んだのです」と語る。本文最後に引用した言葉のとおり、日中のパイプ役を買って出て、日本の若手陣の中国遠征や、中国の大会への出場を実現させ続けている。熱い心を持った有言実行の人。

今をときめく井山裕太六冠も、小学生のころ強い中国に遠征したことがあります。そのとき出場した子供大会での成績は、出場選手中、真ん中あたり。生まれて初めて自分より年下の子供に負けるというショッキングな体験も。以来「どんなにもてはやされても、世界に出れば僕は真ん中あたり、と思っていましたから、慢心することは一度もありませんでした」と語っています。
孔七段の「日本の若い人たちにも、井山さんのように、強い中国を肌で感じて欲しい。その経験は、必ずこれからの囲碁人生に役立つ」という言葉には説得力があります。

（５）聶衛平（じょう えいへい）九段
中国が現在のプロ制度になってからのプロ第一号。世界最強棋士の一人。1984年から始まった日本と中国の勝ち抜き制の団体対抗戦「日中スーパー囲碁」で主将をつとめ、中国を三連勝に導くなどの大活躍。「鉄のゴールキーパー」の異名をとり、日本にも広く知れ渡りおそれられた。当時は国民的大スターにして英雄で、その人気は「日本で言えば、長嶋茂雄人気と美空ひばり人気を足したぐらい」（孔令文七段）という圧倒的なものだった。現在は囲碁道場を開き、後進の指導育成にも多大な力を注いでいる。


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集英社インターナショナル好評既刊
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■『わが天才棋士・井山裕太』（石井邦生･著）
師匠がみた天才棋士の素顔と成長の記録
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「囲碁」初心者におすすめの入門書！

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]]></itunes:summary>
      <content:encoded><![CDATA[
<br />今回は<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF0000;">「囲碁と日本人」</span></span>というタイトルにしてみました。<br /><br /><br /><strong><span style="font-size:large;"><span style="color:#006598;">・日本は文化的に碁に向いている？</span></span><br /><span style="color:#006598;">──素直な日本人と、徹底議論の欧米人</span></strong><br /><br />もう20年以上も前ですが、私は、アメリカ人と囲碁を打ったことがあります。<br /><br />私のほうが少し強かった（と自分では思った）ので、対局が終わってから反省会を試みてみました。<br /><br />「この手は、ここに打った方がよかったと思います」と、相手の失敗を指摘してみたわけです。すると彼は「僕はそうは思わない」と返してきました。<br /><br />一瞬絶句した後、「でも、ここに打っていれば、ここがこんなにいい結果になるでしょう？」と言い返してみました。<br /><br />すると彼からは「そんなにいい結果だとも思わないし、僕は実戦の結果でも全くかまわない」と返ってきました。<br /><br />そう言われると、私は囲碁の神様であるはずもなく、自分が言っていることが100％正しいという自信はありません。加えて説き伏せるほどの英語力などとうてい持ち合わせていません。<br /><br />そこで私は、文字通り、閉口してしまったのでした。<br />以来、なんとなく、小さなトラウマになっていました。<br /><br />でも、最近、プロ棋士の<strong><span style="color:#009865;">マイケル・レドモンド九段</span></strong>から「僕は日本人に教えるときと、欧米人に教えるときとでは、教え方が全く違う」というお話を聞いて、少し安堵しました。<br /><br />「日本人と指導対局するときには、やさしくきれいに打ち、<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6598;">ほんの少し勝たせてあげる</span></span>こともありますが、欧米人が相手のときは、はじめは必ず<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6598;">木端微塵に叩きのめす</span></span>」のだそうです。<br /><br />「日本人にそんなことをしたら、<strong><span style="color:#983200;">もう囲碁は打たない</span></strong>と嫌われてしまいそうですが、欧米人は、こちらがどれほど強いかということをきちんと見せておかないと、その先<strong><span style="color:#983200;">こちらの言うことを全く聞かない</span></strong>から」と笑っておられました。<br /><br />レドモンド九段の指導経験によれば、「もちろん、個人差はありますが」と前置きしたうえで、<strong><span style="color:#983200;">自分の意見を主張する欧米人</span></strong>よりも、<strong><span style="color:#983200;">相手の意見を素直に聞く日本人</span></strong>の方が囲碁の上達は早いとのこと。<br /><br />その代わり、欧米人は<strong><span style="color:#983200;">徹底的に論議して納得</span></strong>すれば本当に理解し自分のものにできるけれど、日本人は<strong><span style="color:#983200;">わかったつもりになって</span></strong>（あるいは、わかったフリをして）実際には理解しておらず、いつまでも身につかないこともままある、とのことでした。<br /><br />なるほど、囲碁に限らず、私も思い当たることが大ありです。<br /><br />アメリカ出身のレドモンド九段ご自身も、来日してしばらくは「他人の意見を素直に聞くことができず、聞けるようになって強くなった」とのこと。<br /><br />アメリカは多民族国家なので、日本のように皆が一緒の価値感や常識といったものは存在せず、あらゆることを全て法で規制するしかなく、「すぐに裁判になりますし、自分の非を認めると損をする、という社会なわけです。だから僕も、いつの間にか『言い訳』することを覚えたのでしょう」というのは、なかなか興味深いお話。<br /><br />「でも、碁の上達においては、<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6598;">『言い訳』はマイナスにしかなりません</span></span>。言い訳するうちに、自分自身も騙されて、自分で自分の失敗がわからなくなってしまうからです。失敗を消化して同じことを繰り返さない、というプロセスを踏んでこそ強くなれるのです。その点では、日本は<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6598;">文化的に碁に向いている</span></span>のかもしれません」との結論でした。<br /><br />ちなみにレドモンド九段は、日本に来て間もない頃、タイトルを持っているトップ棋士が、「この手を間違えた」と自分の非を認め反省しているのを見聞きしたときに、「それこそ衝撃的に」驚いたそうです。<br /><br />日本に来て一番のカルチャーショックだったとまでおっしゃっていました。<br /><br />下の写真は、今年の<strong><span style="color:#983200;">「ヨーロッパ碁コングレス」</span></strong>（ヨーロッパで毎年２～３週間にわたって開かれる囲碁のイベント。ヨーロッパの囲碁ファンが大勢集まり、ヨーロッパ各国の選手による大会や、プロの指導対局や講義など、さまざまな企画が盛り込まれます。今年の開催都市はポーランドでした）の様子。<br />指導に訪れたプロ棋士、大橋拓文六段からお借りしたものです。<br /><br /><br /><img border="0" alt="076.JPG" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/076-thumbnail2.JPG" width="330" height="247"><br /><span style="font-size:x-small;"><span style="color:#009898;">指導対局中。<br />囲碁は実力の上の人は白石を持ちますが、よく見ると、左側の大橋六段が、黒石を持っています。「僕は黒のときに一手目を天元に打つ（※天元とは碁盤のど真ん中の位置です。一手目をここに打つのは珍しい試みです）研究をしているんだ、と話したら、その試みと、自分が白でぜひ対戦してみたいと言われて。だから僕が黒を持ってるんです」と大橋六段。<br />日本人なら、どんな場合であっても、アマチュアがプロ棋士に向かって「自分が白で対戦したい」などとは、おそれおおくてとても言えません。さすがはポーランド人です。<br />快くＯＫした大橋六段も心が広い！</span></span><br /><br /><img border="0" alt="ph2.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/ph2-thumbnail2.jpg" width="320" height="238"><br /><span style="font-size:x-small;"><span style="color:#009898;">指導対局の後の検討風景。左が大橋六段。<br />プロの指導を聞きもらすまいと、周囲の若者たちも、熱心に検討に加わっています。</span></span><br /><br /><br /><br /><strong><span style="font-size:large;"><span style="color:#006598;">・15歳で既に大きな実力差</span></span><br /><span style="color:#006598;">──韓国･中国と日本の棋士教育</span></strong><br /><br />欧米ではなく、中国、韓国と比べてみると、日本は囲碁界でどんなポジションにあるでしょうか。<br /><br />今、プロ組織を持っているのは、世界で４カ国。<br />成立した順に、日本、韓国、中国、台湾です。<br /><br />20年ほど前までは日本の実力は世界一位でしたが、韓国に抜かれ、ついで中国に抜かれ、現在は三位といってよいでしょう。<br /><br />日本の全盛期を知る年配のアマチュア囲碁ファンの方からは「日本の棋士は何をやっているんだ」という声が今も聞こえてきます。<br /><br />でも、実はそう簡単なことではないのだ、ということが、私も10年ほど前からわかってきました。<br /><br />日本が一位になれない理由の一つは、<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6598;">棋士を育てる環境</span></span>にあります。<br /><br />日本の場合、多くの棋士は<strong><span style="color:#983200;">高校</span></strong>に行きません。<br />中学を卒業するや囲碁の勉強に打ち込むためです。<br /><br />このことに違和感を覚える方もいるかもしれませんが、なんと、韓国、中国の場合は、<strong><span style="color:#983200;">小学校</span></strong>にも行かずに囲碁道場に通う子供が多いといいます。<br /><br />そこで、15歳の時点で、日本の子供と、韓国・中国の子供とでは、囲碁の実力に大きな差が開いてしまっているのです。<br /><br />でも、「プロになれないかもしれないのに、子供を小学校にも行かせない」という決断は、日本人にはなかなかできないことだと思います。<br /><br />さらに、プロになってからの環境も大きく異なるようです。<br /><br />例えば中国では、プロの中でもトップ棋士たちは国家チームに所属し、その国家チームのメンバーは毎日、<strong><span style="color:#983200;">国</span></strong>が管轄する「中国棋院」に集まり（多くはそこに寝泊まりし）、朝から晩まで、一緒に研究を重ねています。<br /><br />中国の元エース、常昊九段（1976年生）は<span style="color:#006532;">「一人の時間も強くなればなるほど必要ですが、集団で勉強するという行為は必要です。特にトップ棋士どうしの集まりは絶対に必要です。集団の研究のよさは、結論が出ることです。でも、ただ暗記するのではなく、自分の理解がなければだめですね。理解して整理して初めて吸収できる。そうでなければ忘れてしまいます」</span>と話されています。<br /><br />でも、それは、日本でいえば、<strong><span style="color:#009865;">井山裕太六冠</span></strong><span style="font-size:x-small;"><strong><span style="color:#009865;">（２）</span></strong></span>と、結城聡十段と、平成四天王（<strong><span style="color:#009865;">張栩九段</span></strong><strong><span style="font-size:x-small;"><span style="color:#009865;">（３）</span></span></strong>、山下敬吾九段、羽根直樹九段、高尾紳路九段）と、三大棋戦のリーグ在籍棋士たちが日本棋院に集まり、朝から晩まで毎日一緒に研究している、ということ。<br /><br />そんな光景は、全く想像もできませんし、あり得ないことです。<br /><br /><br /><br /><strong><span style="font-size:large;"><span style="color:#006598;">・「芸」か「勝負」か</span></span><br /><span style="color:#006598;">──独創的な一手を追い求める日本と、勝負にこだわる世界</span></strong><br /><br /><span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6598;">囲碁の捉え方</span></span>も、日本と、韓国・中国では大きく異なるようです。<br />中国出身の日本棋士、<strong><span style="color:#009865;">孔令文七段</span></strong><strong><span style="font-size:x-small;"><span style="color:#009865;">（４）</span></span></strong>のコメントを引用してみると……<br /><br /><span style="color:#980098;">日本の碁には、いわゆる「芸」を重んじる歴史があります。「定石の勉強や、答えの出る場面──詰碁やヨセ──の勉強だけしても芸は備わらない」という考え方が脈々と受け継がれているのです。この曖昧な考え方が、私も素敵な気がしていました。定石や詰碁やヨセだけやれば強くなるだなんて、「碁は、そんな狭いものじゃない」と言い切るのもまたカッコイイではありませんか。だから、答えの出る場面にではなく、答えの出ない無限の局面に挑戦するロマンに芸を求めてしまうのです。<br />でも、勝負の世界ならば、答えの出る場面を研究した方が絶対に有利であることが、世界の現状から知らされています。<br />（『碁ワールド』日本棋院。連載「勝負の赤壁」より）</span><br /><br />乱暴にまとめると……<br /><br />日本の棋士は、序盤から妥協せず、最善の一手、美しい一手、自分にしか打てない<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6598;">独創的な一手</span></span>を追い求める。<br /><br />そのために持ち時間をどれほど使っても惜しまない。<br />その美意識が孔令文七段が言っておられる<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6598;">「芸」</span></span>なのです。<br /><br />そして繰り出された一手によって、ファンは感動し、局面も優勢になる。<br /><br />ところが中盤以降に時間がなくなり、うっかりミス…うっかりとはいえ<strong><span style="color:#983200;">致命的なミス</span></strong>をして負けてしまう。<br /><br />それでも、「あの一手は魅せてくれた」とファンは喜び、「勝負には負けたが、碁では勝っていた」と満足する。<br /><br />これが、国内戦の話なら誰も何も言わないのだが、世界戦の場合になると、ファンの声も「なぜ負けるんだ」と変わってくる……<br /><br />つまり、日本人は勝負より<strong><span style="color:#983200;">「芸」や「ロマン」</span></strong>を求めてきた。<br />ということでしょうか。<br /><br />今も、囲碁を「勝負」か「芸」かと問えば、日本棋士の何名かは「芸」と答えるのではないかなと想像します。<br /><br />「勝負だが、芸でもある」と中庸の回答をする棋士も多いでしょう。<br /><br />でも、世界の一線で活躍する韓国・中国の棋士はおそらく全員が迷わず<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6598;">「勝負」</span></span>と断言するでしょう。</strong><br /><br />どちらを追い求めてきたのか。<br />その結果が今表に出ている。ということなのかもしれません。<br /><br />さて、今年は井山裕太六冠が、「テレビアジア囲碁選手権」という世界戦で、日本人として久々の優勝。という嬉しいニュースがありました。<br /><br /><span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6598;">「世界で勝つ」</span></span>という強い志を抱く若手棋士も増えています。<br />これからは、これまでより、日本勢が「勝負」にこだわる時代がやってくる、という予感がします。<br /><br />「囲碁と日本人」というタイトルからは少しそれてしまいましたが、最後に、孔令文七段のコメントをもう一度引用させていただいて、今回は終わりにします。<br /><br /><span style="color:#980098;">日本の碁は、感覚的なもの──一例として、相場感覚や布石の段階での判断力──において、特殊な優れた能力があります。「碁は広く、どの分野も非常に奥深い」という日本の碁の考え方を、私は今も捨ててはいませんし、日本の碁が素晴らしいという気持ちは一度も揺らいだことはありません。（略）<br /><br />日本は対局を楽しむアマチュア囲碁ファンが大勢います。囲碁を通して多くを学ぶことができるという伝統的な文化があります。これは確実に中国や韓国より優れており、羨ましがられている側面であり、決して絶やしてはならないものです。また、伝統的な日本の魅力である「芸」もまた衰退させてはなりません。日本としては、誇りを持ってこれらを後世に世界に広めていくべきだと私は思っています。（略）<br /><br />日本の「芸」に憧れ、でも世界で勝てなくなってしまった現状に悶々としていた私に、父（<strong><span style="color:#009865;">聶衛平九段</span></strong><span style="font-size:x-small;"><strong><span style="color:#009865;">（５）</span></strong></span>）の言葉はとても響くものでした。「碁が後世に残るとしたら、絶対に『芸』であってほしい。日本の囲碁界が証明してきたように、残るものは必ず『芸』だ。でも、今を勝ち抜きたかったら『勝負』にこだわるしかない」。私は、いい言葉だと思っています。そして、前向きに、囲碁界のために私にできることは全てやっていくつもりです。<br /></span><br /><br /><br />〓<ins>棋士、一言紹介（プロフィールは<a href="http://www.nihonkiin.or.jp/" target="_blank">日本棋院のＨＰ</a>をご覧ください！）<br /></ins><br /><strong><span style="color:#009865;">（１）マイケル・レドモンド九段</span></strong><br /><strong><span style="color:#009865;">（２）井山裕太六冠</span></strong><br /><strong><span style="color:#009865;">（３）張栩九段</span></strong><br /><span style="color:#009865;"><a href="http://si-igo.seesaa.net/article/370750967.html" target="_blank"><ins>第2回「囲碁」とコンピュータ</ins></a> 参照。<br /></span><br /><strong><span style="color:#009865;">（４）孔令文（こう れいぶん）七段</span></strong><br /><span style="color:#009865;">中国出身。来日後、日本帰化。中国時代を「当時は、鄧小平さんが、父と僕をかわいがってくださっていて、そんな中で育った僕は、世間を知らなければ、礼儀も知らず、本当にやりたい放題でした」と振り返る孔七段。「母（※中国女流棋士の先駆的存在、孔祥明八段。国家チームのコーチも長年つとめる）は、このまま中国にいてはこの子はダメになると思ったのでしょう（笑）、僕を日本に送り込んだのです」と語る。本文最後に引用した言葉のとおり、日中のパイプ役を買って出て、日本の若手陣の中国遠征や、中国の大会への出場を実現させ続けている。熱い心を持った有言実行の人。<br /><br />今をときめく井山裕太六冠も、小学生のころ強い中国に遠征したことがあります。そのとき出場した子供大会での成績は、出場選手中、真ん中あたり。生まれて初めて自分より年下の子供に負けるというショッキングな体験も。以来「どんなにもてはやされても、世界に出れば僕は真ん中あたり、と思っていましたから、慢心することは一度もありませんでした」と語っています。<br />孔七段の「日本の若い人たちにも、井山さんのように、強い中国を肌で感じて欲しい。その経験は、必ずこれからの囲碁人生に役立つ」という言葉には説得力があります。<br /></span><br /><strong><span style="color:#009865;">（５）聶衛平（じょう えいへい）九段</span></strong><br /><span style="color:#009865;">中国が現在のプロ制度になってからのプロ第一号。世界最強棋士の一人。1984年から始まった日本と中国の勝ち抜き制の団体対抗戦「日中スーパー囲碁」で主将をつとめ、中国を三連勝に導くなどの大活躍。「鉄のゴールキーパー」の異名をとり、日本にも広く知れ渡りおそれられた。当時は国民的大スターにして英雄で、その人気は「日本で言えば、長嶋茂雄人気と美空ひばり人気を足したぐらい」（孔令文七段）という圧倒的なものだった。現在は囲碁道場を開き、後進の指導育成にも多大な力を注いでいる。</span><br /><br /><br /><span style="color:#FF0032;">---------------------------------------------------------------------</span><br /><strong><span style="color:#FF0032;"><span style="font-size:large;">集英社インターナショナル好評既刊</span></span></strong><br /><span style="color:#FF0032;">---------------------------------------------------------------------</span><br /><br /><strong><span style="color:#006598;"><ins>■『わが天才棋士・井山裕太』（石井邦生･著）</ins></span></strong><br /><strong><span style="color:#000098;">師匠がみた天才棋士の素顔と成長の記録</span></strong><br /><img border="0" alt="iyamayuta.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/iyamayuta-thumbnail2.jpg" width="105" height="150"><br /><a 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            <category>コラム</category>
      <author>si</author>
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      <title>第5回：「囲碁」とオリンピック</title>
      <pubDate>Fri, 29 Nov 2013 00:00:00 +0900</pubDate>
            <description>11月初旬に公演があり、ブログ更新、１か月お休みいただきました。この約２カ月の間に、囲碁界では井山裕太さんが名人位を奪取して再び六冠に。そして昨日、11月28日に「天元戦」の五番勝負を３－０のストレートで防衛。夢の大記録「七冠」がまた見えてきました。とはいえ、現在進行中の「王座戦」（五番勝負）を防衛し、新年からスタートする「棋聖戦」の七番勝負を防衛し、その間に「十段戦」の挑戦者に勝ち上がり、結城聡十段に勝つ、という長く険しい道のり。100年に1人とも200年に1人とも日本囲碁..</description>
            <itunes:summary><![CDATA[

11月初旬に<a href="http://kamonegi-shot.dreamlog.jp/" target="_blank">公演</a>があり、ブログ更新、１か月お休みいただきました。

この約２カ月の間に、囲碁界では井山裕太さんが名人位を奪取して再び六冠に。
そして昨日、11月28日に「天元戦」の五番勝負を３－０のストレートで防衛。
夢の大記録「七冠」がまた見えてきました。

とはいえ、現在進行中の「王座戦」（五番勝負）を防衛し、新年からスタートする「棋聖戦」の七番勝負を防衛し、その間に「十段戦」の挑戦者に勝ち上がり、結城聡十段に勝つ、という長く険しい道のり。

100年に1人とも200年に1人とも日本囲碁界の「奇跡」とも言われる大天才の前人未到の挑戦を皆さんとともに見守りたいと思います。

さて、４年前とは大違いの大興奮のなか、2020年のオリンピック・パラリンピック東京招致が決定しました。

今回は「囲碁とオリンピック」というタイトルにしてみます。



・囲碁は「マインドスポーツ」

2008年、囲碁界では嬉しいビッグニュースがありました。
「囲碁がオリンピックに参加」というものです。

「え？　なんのこと？」と思われる方が多いでしょう。
一般的にはほとんど知られていないかもしれません。

日本ではあまり馴染みがありませんが、世界には「マインドスポーツ」という概念があるようです。

体の運動能力ではなく知力を競うのが、「マインドスポーツ」。

国際オリンピック連盟が認定するスポーツ競技には、夏季・冬季オリンピックの正式種目となっている競技（フィジカルスポーツ）のほかに、ブリッジやチェス（マインドスポーツ）が含まれているのだそうです。

そして、実際に開催されたのです。
通称、頭脳オリンピック、正式には「第一回ワールドマインドスポーツゲームズ」は、2008年10月3日から18日の16日間、中国の北京市で行われました。

<a href="http://www.imsaworld.com/wp/" target="_blank">IMSA（国際マインドスポーツ協会）</a>主催によるマインドスポーツの国際競技会。その記念すべき第１回大会でした。


<img border="0" alt="&#x5927;&#x4F1A;&#x4F1A;&#x5834;&#x98A8;&#x666F;2.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/E5A4A7E4BC9AE4BC9AE5A0B4E9A2A8E699AF2-thumbnail2.jpg" width="350" height="264">
「智力運動会」の文字が端的。ⓒ日本ペア碁協会


競技種目は、IMSA加盟の囲碁、ブリッジ、チェス、チェッカーと特別参加のシャンチー（中国将棋）の５競技35種目。

もう５年も前の話ですが、私もこの「頭脳オリンピック」に後半の10日間取材に行きました。懐かしがりながら少しだけ振り返ってみようと思います。

会場は、同じ年の８月のオリンピック、９月のパラリンピックでも使用された北京国際コンベンションセンターや国家会議センター。

建物が巨大で、方向音痴の私は、報道関係者用の部屋（ほとんどの時間は、そこでパソコンに向かっていました）から「覚えていられるだけ足を伸ばして、来た道を戻る」というやり方で会場内の探検に出かけましたが、ついぞチェスやチェッカーの競技場には辿りつけませんでした。


<img border="0" alt="&#x5927;&#x4F1A;&#x4F1A;&#x5834;&#x98A8;&#x666F;.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/E5A4A7E4BC9AE4BC9AE5A0B4E9A2A8E699AF-thumbnail2.jpg" width="350" height="264">
「鳥の巣」の愛称で親しまれた北京国家体育場もよく見えました。ⓒ日本ペア碁協会


囲碁の種目は男女個人戦、男女団体戦とペア戦（男女がペアになって対局）。
60の国や地域から560人が参加しました。

さて、60か国と聞いて驚かれる方もあるかもしれません。
そうなのです。

囲碁 -ＧＯ- は今や世界のゲームといってもよいでしょう。


<img border="0" alt="&#x958B;&#x4F1A;&#x5F0F;&#x98A8;&#x666F;2.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/E9968BE4BC9AE5BC8FE9A2A8E699AF2-thumbnail2.jpg" width="350" height="264">
開会式　ⓒ日本ペア碁協会


ヨーロッパでは、ドイツやオランダなど、江戸時代や明治時代に日本と行き来のあった国を中心に囲碁が盛んになったのではないかといわれています。

アメリカでは、日系人のほかに、ドイツから渡ってきたユダヤ系の物理学者が囲碁を広めたのではないか、というのがアメリカ出身のプロ棋士マイケル・レドモンド九段（1）の推測です。

その後、インターネットの普及にともない、飛躍的に世界に広まっていきました。

世界アマチュア選手権戦という大会は実に1979年から毎年開催されており（2003年のみＳＡＲＳ問題で中止になりました）、はじめは15か国の参加だったのですが、年々増えてゆき、今では70か国に届く勢いです。

開催地は日本か中国。
今年は仙台市で行われました。

インド代表の女性が囲碁の魅力を「ギブ・アンド・テイクのゲームであるところです」と語っていたのが印象的です。

独特の棋風から世界中にファンの多い武宮正樹九段（２）は、大会審判長をつとめる機会が多いのですが、「囲碁を打つ国には戦争がないんだよ。内戦が絶えない国の人は碁を打たないんだ。だから、みんな碁を打てばいいのにと思うよね」とよく話されています。



●「囲碁」でオリンピックへ！

話をオリンピックに戻しましょう。

日本勢は男女ともに団体戦で銅メダル。
全競技を通じても、メダルはこの２つでした。

結果はともあれ、143の国や地域から約3000人が参加した「智の祭典」が実現したことは画期的な出来事と興奮したものです。

ただ、第1回大会の成果は、中国政府と北京市の全面支援というバックアップ体制によるところが大きかったのでしょう、その後の運営には課題も多くあるようです。

第2回ワールドマインドスポーツゲームズは、2012年8月9日から23日にフランスのリールで開催されましたが、95の国や地域から2000人が参加、と規模は縮小されたもよう。

囲碁界もプロ棋士は参加しないことになり、また、中国と韓国からは参加者なし、と少し寂しい大会になりました。

日本の囲碁競技への参加者も、「六段以上の希望者」を募る形で渡航費も滞在費も自費だったために、男性５名、女性１名と小編成でした。

それでも、「ペア戦」で大澤摩耶さん・中曽根理樹さんペアが見事に金メダル〓。大澤さんは個人戦でも銀メダル〓を獲得する大活躍でした。


<img border="0" alt="&#x8868;&#x5F70;&#x5F0F;.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/E8A1A8E5BDB0E5BC8F-thumbnail2.jpg" width="350" height="264">
表彰式　ⓒ日本ペア碁協会


大澤さんは「姉に行くといいよと薦められて。姉がそう言うなら、と」参加を決めたそうです（お姉さまはプロ棋士の大澤奈留美四段（３））。

「他に誰が来るかなぁと楽しみにしていたら、女性は私だけ（笑）。少し寂しかったですが、友人もおおぜいでき、よい時間を過ごせ参加して本当によかったです」と話されています。

「ペアを組んだ中曽根君とは現地で初めて会い、一回練習しただけでしたが、そのときに周囲から強いペアだと言われて『けっこういいのかな』とその気になれた」のが勝因だそうです。（<a href="http://ameblo.jp/rintun/" target="_blank">大澤摩耶さんのブログ</a>もご覧下さい）


<img border="0" alt="&#x65E5;&#x672C;_&#x30A2;&#x30E1;&#x30EA;&#x30AB;.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/E697A5E69CAC_E382A2E383A1E383AAE382AB-thumbnail2.jpg" width="320" height="241">
ペア碁　日本-アメリカ戦　ⓒ日本ペア碁協会


第3回は、ブラジルでの開催が予定されています。

「頭脳オリンピック」という響きには魅力を感じますし、「マインドスポーツ」という言葉にも人の可能性が秘められているようで魅かれます。

まだスタートしたばかりですから、問題や課題が山積みでしょうが、一つ一つ模索しながら乗り越えて、とにかくこの大会が続いていってほしいと願っています。

あれほどオリンピックの東京招致に無関心だった日本人が、たった４年で変貌したことを思えば、頭脳オリンピックが世界の人々に認知され浸透し人気を博すことも夢ではないと期待しつつ。

2020年は東京開催でしょうか！？　
皆さんも今から碁を始めて、オリンピックを目指してはいかがでしょう！



〓棋士、一言紹介（プロフィールは<a href="http://www.nihonkiin.or.jp/" target="_blank">日本棋院のＨＰ</a>をご覧ください！）

（１）マイケル・レドモンド九段
<a href="http://si-igo.seesaa.net/article/370750967.html" target="_blank">第2回「囲碁」とコンピュータ</a> 参照。

（２）武宮正樹九段
「私が武宮さんに対してすぐ思うことは『一人で世界の碁を変えた』ことです」と評したのは王銘琬九段（<a href="http://si-igo.seesaa.net/article/373239286.html" target="_blank">第3回「囲碁」と演劇</a> 参照）。
「まだプロ棋士になる前、小学生のときに、中学生だった武宮さんに打ってもらったことがあるんだけど、同じゲームをしていると思えなかった」と語ったのは石倉昇九段（<a href="http://si-igo.seesaa.net/article/373239286.html" target="_blank">第3回「囲碁」と演劇</a> 参照）。
盤上に展開される独自の世界観は「宇宙流」と命名され、その一流の感性から、天才である棋士たちに「天才」と呼ばれる人。
「名人」「本因坊」をはじめとする数々の国内タイトル獲得の他、プロ棋士による初の世界選手権戦・富士通杯の第１回・第２回で優勝するなど全盛期は世界に君臨。碁盤を離れても･･････バックギャモンの大会で優勝したこともあれば、スキー、テニス、ゴルフも玄人はだし。歌も抜群。最近は社交ダンスに夢中で毎日３時間のレッスンを欠かさない。還暦をすぎても若々しく陽気で、武宮九段のいる場所はいつも南国のよう。 

（３）大澤奈留美四段
女流鶴聖というタイトルホルダーだったこともある実力者。
今日本の女流囲碁界をけん引する謝依旻女流名人・女流棋聖が台湾から来日したばかりのころ「一番の仲よし。本当のお姉さんのよう」と慕っていたのが印象的。最近はヨーロッパへの囲碁普及の旅にもでかけています。（来月、とある忘年会でご一緒することになっているので、ヨーロッパ囲碁事情など、詳しく伺ってきます！） 


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集英社インターナショナル好評既刊
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■『わが天才棋士・井山裕太』（石井邦生･著）
師匠がみた天才棋士の素顔と成長の記録
<img border="0" alt="iyamayuta.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/iyamayuta-thumbnail2.jpg" width="105" height="150">
<a href="http://www.shueisha-int.co.jp/archives/210" target="_blank">書籍詳細はこちら</a>／<a href="http://books.shueisha.co.jp/CGI/search/syousai_put.cgi?isbn_cd=978-4-7976-7195-7&amp;mode=1" target="_blank">書籍を購入する</a>


<a></a>

]]></itunes:summary>
      <content:encoded><![CDATA[
<br />11月初旬に<a href="http://kamonegi-shot.dreamlog.jp/" target="_blank"><ins>公演</ins></a>があり、ブログ更新、１か月お休みいただきました。<br /><br />この約２カ月の間に、囲碁界では井山裕太さんが名人位を奪取して再び六冠に。<br />そして昨日、11月28日に「天元戦」の五番勝負を３－０のストレートで防衛。<br />夢の大記録<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6598;">「七冠」</span></span>がまた見えてきました。<br /><br />とはいえ、現在進行中の「王座戦」（五番勝負）を防衛し、新年からスタートする「棋聖戦」の七番勝負を防衛し、その間に「十段戦」の挑戦者に勝ち上がり、結城聡十段に勝つ、という長く険しい道のり。<br /><br />100年に1人とも200年に1人とも日本囲碁界の「奇跡」とも言われる大天才の前人未到の挑戦を皆さんとともに見守りたいと思います。<br /><br />さて、４年前とは大違いの大興奮のなか、2020年のオリンピック・パラリンピック東京招致が決定しました。<br /><br />今回は<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF3232;">「囲碁とオリンピック」</span></span>というタイトルにしてみます。<br /><br /><br /><br /><strong><span style="color:#006598;"><span style="font-size:large;">・囲碁は「マインドスポーツ」</span></span></strong><br /><br />2008年、囲碁界では嬉しいビッグニュースがありました。<br /><strong><span style="font-size:large;">「囲碁がオリンピックに参加」</span></strong>というものです。<br /><br />「え？　なんのこと？」と思われる方が多いでしょう。<br />一般的にはほとんど知られていないかもしれません。<br /><br />日本ではあまり馴染みがありませんが、世界には「マインドスポーツ」という概念があるようです。<br /><br /><span style="font-size:large;">体の運動能力ではなく知力を競う</span>のが、「マインドスポーツ」。<br /><br />国際オリンピック連盟が認定するスポーツ競技には、夏季・冬季オリンピックの正式種目となっている競技（フィジカルスポーツ）のほかに、ブリッジやチェス（マインドスポーツ）が含まれているのだそうです。<br /><br />そして、実際に開催されたのです。<br />通称、<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6598;">頭脳オリンピック</span></span>、正式には「第一回ワールドマインドスポーツゲームズ」は、2008年10月3日から18日の16日間、中国の北京市で行われました。<br /><br /><a href="http://www.imsaworld.com/wp/" target="_blank"><ins>IMSA（国際マインドスポーツ協会）</ins></a>主催によるマインドスポーツの国際競技会。その記念すべき第１回大会でした。<br /><br /><br /><img border="0" alt="大会会場風景2.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/E5A4A7E4BC9AE4BC9AE5A0B4E9A2A8E699AF2-thumbnail2.jpg" width="350" height="264"><br /><span style="font-size:x-small;"><span style="color:#0098CB;">「智力運動会」の文字が端的。ⓒ日本ペア碁協会</span></span><br /><br /><br />競技種目は、IMSA加盟の<span style="color:#FF6598;">囲碁、ブリッジ、チェス、チェッカー</span>と特別参加の<span style="color:#FF6598;">シャンチー</span>（中国将棋）の５競技35種目。<br /><br />もう５年も前の話ですが、私もこの「頭脳オリンピック」に後半の10日間取材に行きました。懐かしがりながら少しだけ振り返ってみようと思います。<br /><br />会場は、同じ年の８月のオリンピック、９月のパラリンピックでも使用された北京国際コンベンションセンターや国家会議センター。<br /><br />建物が巨大で、方向音痴の私は、報道関係者用の部屋（ほとんどの時間は、そこでパソコンに向かっていました）から「覚えていられるだけ足を伸ばして、来た道を戻る」というやり方で会場内の探検に出かけましたが、ついぞチェスやチェッカーの競技場には辿りつけませんでした。<br /><br /><br /><img border="0" alt="大会会場風景.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/E5A4A7E4BC9AE4BC9AE5A0B4E9A2A8E699AF-thumbnail2.jpg" width="350" height="264"><br /><span style="font-size:x-small;"><span style="color:#0098CB;">「鳥の巣」の愛称で親しまれた北京国家体育場もよく見えました。ⓒ日本ペア碁協会</span></span><br /><br /><br />囲碁の種目は男女個人戦、男女団体戦とペア戦（男女がペアになって対局）。<br />60の国や地域から560人が参加しました。<br /><br />さて、60か国と聞いて驚かれる方もあるかもしれません。<br />そうなのです。<br /><br /><span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6598;">囲碁 -ＧＯ- は今や世界のゲーム</span></span>といってもよいでしょう。<br /><br /><br /><img border="0" alt="開会式風景2.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/E9968BE4BC9AE5BC8FE9A2A8E699AF2-thumbnail2.jpg" width="350" height="264"><br /><span style="font-size:x-small;"><span style="color:#0098CB;">開会式　ⓒ日本ペア碁協会</span></span><br /><br /><br />ヨーロッパでは、ドイツやオランダなど、江戸時代や明治時代に日本と行き来のあった国を中心に囲碁が盛んになったのではないかといわれています。<br /><br />アメリカでは、日系人のほかに、ドイツから渡ってきたユダヤ系の物理学者が囲碁を広めたのではないか、というのがアメリカ出身のプロ棋士<span style="color:#009865;"><strong><ins>マイケル・レドモンド九段</ins></strong></span><strong><span style="font-size:x-small;"><span style="color:#009865;">（1）</span></span></strong>の推測です。<br /><br />その後、インターネットの普及にともない、飛躍的に世界に広まっていきました。<br /><br />世界アマチュア選手権戦という大会は実に1979年から毎年開催されており（2003年のみＳＡＲＳ問題で中止になりました）、はじめは15か国の参加だったのですが、年々増えてゆき、今では<span style="font-size:large;">70か国</span>に届く勢いです。<br /><br />開催地は日本か中国。<br />今年は仙台市で行われました。<br /><br />インド代表の女性が囲碁の魅力を「<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6598;">ギブ・アンド・テイクのゲーム</span></span>であるところです」と語っていたのが印象的です。<br /><br />独特の棋風から世界中にファンの多い<span style="color:#009865;"><strong><ins>武宮正樹九段</ins></strong></span><strong><span style="font-size:x-small;"><span style="color:#009865;">（２）</span></span></strong>は、大会審判長をつとめる機会が多いのですが、<span style="color:#CB6532;">「囲碁を打つ国には戦争がないんだよ。内戦が絶えない国の人は碁を打たないんだ。だから、みんな碁を打てばいいのにと思うよね」</span>とよく話されています。<br /><br /><br /><br /><strong><span style="font-size:large;"><span style="color:#006598;">●「囲碁」でオリンピックへ！</span></span></strong><br /><br />話をオリンピックに戻しましょう。<br /><br />日本勢は男女ともに団体戦で銅メダル。<br />全競技を通じても、メダルはこの２つでした。<br /><br />結果はともあれ、143の国や地域から約3000人が参加した<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6598;">「智の祭典」</span></span>が実現したことは画期的な出来事と興奮したものです。<br /><br />ただ、第1回大会の成果は、中国政府と北京市の全面支援というバックアップ体制によるところが大きかったのでしょう、その後の運営には課題も多くあるようです。<br /><br />第2回ワールドマインドスポーツゲームズは、2012年8月9日から23日にフランスのリールで開催されましたが、95の国や地域から2000人が参加、と規模は縮小されたもよう。<br /><br />囲碁界もプロ棋士は参加しないことになり、また、中国と韓国からは参加者なし、と少し寂しい大会になりました。<br /><br />日本の囲碁競技への参加者も、「六段以上の希望者」を募る形で渡航費も滞在費も自費だったために、男性５名、女性１名と小編成でした。<br /><br />それでも、「ペア戦」で<span style="color:#FF6598;">大澤摩耶さん・中曽根理樹さんペア</span>が見事に<span style="color:#FF3232;"><strong>金メダル</strong></span>〓。大澤さんは個人戦でも<strong><span style="color:#FF6500;">銀メダル〓</span></strong>を獲得する大活躍でした。<br /><br /><br /><img border="0" alt="表彰式.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/E8A1A8E5BDB0E5BC8F-thumbnail2.jpg" width="350" height="264"><br /><span style="font-size:x-small;"><span style="color:#0098CB;">表彰式　ⓒ日本ペア碁協会</span></span><br /><br /><br />大澤さんは「姉に行くといいよと薦められて。姉がそう言うなら、と」参加を決めたそうです（お姉さまはプロ棋士の<span style="color:#009865;"><strong><ins>大澤奈留美四段</ins></strong></span><strong><span style="font-size:x-small;"><span style="color:#009865;">（３）</span></span></strong>）。<br /><br />「他に誰が来るかなぁと楽しみにしていたら、女性は私だけ（笑）。少し寂しかったですが、友人もおおぜいでき、よい時間を過ごせ参加して本当によかったです」と話されています。<br /><br />「ペアを組んだ中曽根君とは現地で初めて会い、一回練習しただけでしたが、そのときに周囲から強いペアだと言われて『けっこういいのかな』とその気になれた」のが勝因だそうです。（<a href="http://ameblo.jp/rintun/" target="_blank"><ins>大澤摩耶さんのブログ</ins></a>もご覧下さい）<br /><br /><br /><img border="0" alt="日本_アメリカ.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/E697A5E69CAC_E382A2E383A1E383AAE382AB-thumbnail2.jpg" width="320" height="241"><br /><span style="font-size:x-small;"><span style="color:#0098CB;">ペア碁　日本-アメリカ戦　ⓒ日本ペア碁協会</span></span><br /><br /><br />第3回は、ブラジルでの開催が予定されています。<br /><br />「頭脳オリンピック」という響きには魅力を感じますし、「マインドスポーツ」という言葉にも人の可能性が秘められているようで魅かれます。<br /><br />まだスタートしたばかりですから、問題や課題が山積みでしょうが、一つ一つ模索しながら乗り越えて、とにかくこの大会が続いていってほしいと願っています。<br /><br />あれほどオリンピックの東京招致に無関心だった日本人が、たった４年で変貌したことを思えば、頭脳オリンピックが世界の人々に認知され浸透し人気を博すことも夢ではないと期待しつつ。<br /><br />2020年は東京開催でしょうか！？　<br />皆さんも今から碁を始めて、オリンピックを目指してはいかがでしょう！<br /><br /><br /><br />〓<ins>棋士、一言紹介（プロフィールは<a href="http://www.nihonkiin.or.jp/" target="_blank">日本棋院のＨＰ</a>をご覧ください！）<br /></ins><br /><strong><span style="color:#009865;">（１）マイケル・レドモンド九段</span></strong><br /><span style="color:#009865;"><a href="http://si-igo.seesaa.net/article/370750967.html" target="_blank"><ins>第2回「囲碁」とコンピュータ</ins></a> 参照。<br /></span><br /><strong><span style="color:#009865;">（２）武宮正樹九段</span></strong><br /><span style="color:#009865;">「私が武宮さんに対してすぐ思うことは『一人で世界の碁を変えた』ことです」と評したのは王銘琬九段（<a href="http://si-igo.seesaa.net/article/373239286.html" target="_blank"><ins>第3回「囲碁」と演劇</ins></a> 参照）。<br />「まだプロ棋士になる前、小学生のときに、中学生だった武宮さんに打ってもらったことがあるんだけど、同じゲームをしていると思えなかった」と語ったのは石倉昇九段（<a href="http://si-igo.seesaa.net/article/373239286.html" target="_blank"><ins>第3回「囲碁」と演劇</ins></a> 参照）。<br />盤上に展開される独自の世界観は「宇宙流」と命名され、その一流の感性から、天才である棋士たちに「天才」と呼ばれる人。<br />「名人」「本因坊」をはじめとする数々の国内タイトル獲得の他、プロ棋士による初の世界選手権戦・富士通杯の第１回・第２回で優勝するなど全盛期は世界に君臨。碁盤を離れても･･････バックギャモンの大会で優勝したこともあれば、スキー、テニス、ゴルフも玄人はだし。歌も抜群。最近は社交ダンスに夢中で毎日３時間のレッスンを欠かさない。還暦をすぎても若々しく陽気で、武宮九段のいる場所はいつも南国のよう。 </span><br /><br /><strong><span style="color:#009865;">（３）大澤奈留美四段</span></strong><br /><span style="color:#009865;">女流鶴聖というタイトルホルダーだったこともある実力者。<br />今日本の女流囲碁界をけん引する謝依旻女流名人・女流棋聖が台湾から来日したばかりのころ「一番の仲よし。本当のお姉さんのよう」と慕っていたのが印象的。最近はヨーロッパへの囲碁普及の旅にもでかけています。（来月、とある忘年会でご一緒することになっているので、ヨーロッパ囲碁事情など、詳しく伺ってきます！） <br /></span><br /><br /><span style="color:#FF0032;">---------------------------------------------------------------------</span><br /><strong><span style="color:#FF0032;"><span style="font-size:large;">集英社インターナショナル好評既刊</span></span></strong><br /><span style="color:#FF0032;">---------------------------------------------------------------------</span><br /><br /><strong><span style="color:#006598;"><ins>■『わが天才棋士・井山裕太』（石井邦生･著）</ins></span></strong><br /><strong><span style="color:#000098;">師匠がみた天才棋士の素顔と成長の記録</span></strong><br /><img border="0" alt="iyamayuta.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/iyamayuta-thumbnail2.jpg" width="105" height="150"><br /><a href="http://www.shueisha-int.co.jp/archives/210" target="_blank">書籍詳細はこちら</a>／<a href="http://books.shueisha.co.jp/CGI/search/syousai_put.cgi?isbn_cd=978-4-7976-7195-7&mode=1" target="_blank">書籍を購入する</a><br /><br /><br /><a name="more"></a>

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            <category>コラム</category>
      <author>si</author>
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      <title>第4回：「囲碁」と女性</title>
      <pubDate>Fri, 27 Sep 2013 00:00:00 +0900</pubDate>
            <description>今月８日、アマチュアの女性だけの囲碁大会、第一回「勝負美人杯」が開催され、東京・市谷にある囲碁総本山、日本棋院に応援に行ってきました。女性の大会といえば、「全日本アマチュア女流選手権」が有名です。第一回が1959年（！）という長い歴史を持ち、文字通り、全国の予選を勝ち上がった強～い女性が一堂に会する大会で、歴代優勝者からは何人もプロに転向しているほど、ハイレベルの戦いが繰り広げられます。「そこまで強くなくても、囲碁が好きな女性なら誰でも参加できるような大会をつくりましょう」と..</description>
            <itunes:summary><![CDATA[

今月８日、アマチュアの女性だけの囲碁大会、第一回「勝負美人杯」が開催され、東京・市谷にある囲碁総本山、日本棋院に応援に行ってきました。

女性の大会といえば、「全日本アマチュア女流選手権」が有名です。

第一回が1959年（！）という長い歴史を持ち、文字通り、全国の予選を勝ち上がった強～い女性が一堂に会する大会で、歴代優勝者からは何人もプロに転向しているほど、ハイレベルの戦いが繰り広げられます。


<img border="0" alt="igo01.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/igo01-37320-thumbnail2.jpg" width="350" height="232">


「そこまで強くなくても、囲碁が好きな女性なら誰でも参加できるような大会をつくりましょう」というのが、今回の<a href="http://www.syobubizin.com/igokouyukai/Welcome.html" target="_blank">「勝負美人杯」</a>。

六段以上のクラスから、入門したばかりのクラスまで、棋力（囲碁の実力）別に対局する方式で、参加者は20代からなんと80代まで。
皆さん真剣な美しい表情で対局を楽しまれていました。

大会幹事役のお一人、石井恵子さんは、「勝負美人」の名付け親でもあります。
「真剣に戦う人は美しいので」と、元々は大会のキャッチコピーとして考えられたそうです。

「美人じゃないと出場できないんですか？　という問い合わせが多かった」
と笑う石井さん。

「ご自分で美人と思えばどなたでも参加できます、とお答えしました。そうしたら、こんなに集まってしまって」とユーモアたっぷり。

参加申し込みは、予定していた「定員200人」をあっという間にオーバーして250人になり、急遽、借りる部屋を増やして対応されたようです。

「長野や福島や岐阜の飛騨高山からも参加者がありました。これから、もっと全国的な大会になってほしいと思っています」とのこと。
これからも楽しみな大会です。


<img border="0" alt="igo04.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/igo04-thumbnail2.jpg" width="350" height="232">




●囲碁で読み解く『源氏物語』のヒロイン像

さて、囲碁をあまり知らない方にとっては、250人もの女性が集まって対局している光景は、想像できないものかもしれません。
中には、「囲碁は男性の遊び」と思い込んでいる方もいるかもしれません。

でも実は、囲碁はかなり女性に向いているゲーム。

そして、歴史を振り返れば、中世の頃から、女性たちは囲碁に夢中になっていました。

有名なところでは、紫式部。
相当な囲碁好きだったと想像できます。

『源氏物語』にも女官たちが囲碁を打っている描写がありますが、ポイントは、それが一か所ではないこと。
囲碁を打つヒロインが何人も登場しているということです。

例えば、さっそく第三帖に登場する囲碁シーンでは、ヒロイン「空蟬（うつせみ）」の対局姿に、17歳の光源氏がみとれてしまうわけで、彼女は「勝負美人」だったようです。

のぞき見していた光源氏の気配を察した彼女が、薄衣を脱ぎ捨て逃げてしまい、あとに残された衣を蟬の抜け殻に例えたのが「空蟬」という呼び名の由来ですが、それはさておき……。

『源氏物語』は、時代、時代で何回も「現代語」に訳されていますが、実は、この空蟬が囲碁を打っているシーンの訳が正確ではないことが、最近わかってきました。

訳した方は、囲碁をあまりご存じなかったのかもしれませんね。
というわけで、囲碁観戦記者の秋山賢司さんによる最新版の訳は…


　　＊

碁はあらかた打ち終わり、ヨセに入ったあたり、軒端荻（のぎばのおぎ）は心せく様子で、たいそうざわついていたが、奥にいた空蟬はもの静かな調子でやんわりと、"ちょっとお待ちなさい。そこはセキですよ。こっちのコウが残ってますよ"という。

しかし軒端荻が、"この碁は負けたわ。さあさあ、この隅もあの隅も数えましょうよ"と、指を使って、十、二十、三十、四十、と地の計算をする様子は、伊予の道後温泉の湯船（数の多いことで有名）を数えるような調子である。
（『碁のうた　碁のこころ』講談社から抜粋）

　　＊


ここに登場する「ヨセ」と「セキ」と「コウ」は、囲碁を始めれば、わりとすぐに覚える囲碁の用語です。

そして、碁が少し強い人には、空蟬が「そこはセキですよ……」と教えてあげている様子から、彼女がなかなか強いということもわかるのですね。

というか、何より興味深いのは、この様子が、囲碁ファンならば手にとるように想像できるということ。

なぜなら、現代の碁会所や囲碁サロンでも、これと全く同じような光景が繰り広げられているからです。

乱暴ながら、今風にさらに意訳してみるとこんな感じでしょうか。


軒「もう打つところないですよね。じゃあ、ダメをつめようっと（と打つ）」

空「そこは、セキだから、打ったら損しちゃう」

軒「あ。そっか」

空「ここのコウを取ったら？」

軒「もういいですよ。（コウを）ついでください。
　どうせ負けですから。この隅もこっちの隅の白地も大きいし、
　全部で100目ぐらいあるんじゃないですか」


女性が囲碁に夢中になる様は、千年の時を経ても変わらないのだなあと可笑しく、そして、さらに想像してみると、紫式部は空蟬以上に碁が強かったでしょうし、何の注釈もつけずにこんな描写をしていたということは、当時の読者の中には碁を打つ人がけっこう多く、しかも、この可笑しさを解せるほどに皆さんそれなりに強かったのではないか。

そう考えると嬉しくなってきます。


<img border="0" alt="igo03.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/igo03-thumbnail2.jpg" width="350" height="232">
第一回勝負美人杯の一番強いクラスで優勝した小田彩子さん



●女性が「囲碁」にハマる理由（わけ）

では、囲碁のどういう点が女性に向いているのでしょうか。

石倉昇九段は「スポーツに例えると、将棋は短距離走、囲碁はマラソン」とおっしゃっています。

また、将棋は王様を取るか取られるか、つまり「百対０」か「０対百」で勝負がつきますが、囲碁は「５１対４９」のように、相手にも与えるゲーム。

道中の景色を楽しみながら、対戦相手と共に作品を創る「平和のゲーム」である点が、女性に向いているのでしょう、という説です。
たしかに、一理あります。

ただ、少し美しすぎる見解かも、とも思います。

子供のころは、男の子同士で対戦すると戦いの碁になり、女の子同士で対戦すると穏やかに陣地を分け合う碁になることが多いようです。
ところが、大人になると、男性より女性のほうが戦いを挑むことが多いような気がするのは私だけでしょうか。（たぶん違いますよね。笑）

このあたりをどう分析すればよいのか……まだ結論は出ていないのですが……普段、がまん強く生きている女性が、盤上では思う存分「野心」を爆発させる、のではないかと想像することもできる気がします。

また、男女差があまりないことも、女性の知的好奇心をくすぐるのでしょう。

プロの世界でも、将棋と違って囲碁は男女が同じ土俵で戦います。

芮廼偉（ぜい のい）九段（１）のように、韓国のトップ棋士たちを負かして大きなタイトルを獲るほどの女流棋士も現われました。

囲碁が、「もっと強くなれる」「もっと強くなりたい」という前向きな気持ちを受け止めてくれる世界だということが、女性を虜にする大きな理由であることは間違いないでしょう。


（１）芮廼偉（ぜい のい・ルイ･ナイウェイ）九段
1963年中国生まれ。中国で世界初の女性の九段となるも、「もっと囲碁を打てる環境」を目指して1990年に日本に移住。
さまざまな事情から公式戦を打つことが叶わない中、1992年、応昌期杯（台湾の応昌期さんが私財を投じて創設。４年に一度開催。世界中のトップ棋士が参加。優勝賞金40万ドル）に招待されベスト４に進出。準決勝戦で日本の大竹英雄九段に敗れたときに流した涙は「負けたからではなく、また（公式戦で）碁を打てなくなる寂しさ」だったことは碁界で有名な逸話。その後、ご主人の江鋳久九段とアメリカに移住。1999年に韓国に客員棋士として招じ入れられ、翌2000年にタイトル「国手」を奪取。2011年帰国。


芮廼偉さんの波乱に満ちた激動の半生は、とても少ない紙面では語りきれません。

「鉄の女」の異名をもつ史上最強の女流棋士・芮廼偉九段と聞けば、近寄りがたい印象を持たれるかもしませんが、ひとたび碁盤を離れれば、ひとなつこい笑顔で気づかいにあふれ、ほんわりと優しく、なぜか「放っておけない」と思わせる不思議な魅力に包まれています。

仲良しのご主人、江鋳久（こう ちゅうきゅう・ジャン･ジュウジォウ）九段といつも一緒で、ユーモアあふれるお二人のまわりには暖かい笑いが絶えません。
ご夫婦そろって日本語も堪能です。

一度取材させていただいたとき、「ご主人はどのような存在？」と尋ねると、
「普通はみんなどう言うのですか？」と照れてから「そばにいないといけないでしょう。外出するとき一緒に来てくれないとイライラして」というご返答。

すると隣で江九段が
「道を知らないから。道に迷うから（笑）」。

「ご主人は、何も言わなくても全部わかってくれる？」と追いうちをかけると、「えーと、そこまではできないでしょう（笑）。でも、私にとって何が一番大切なのかをわかってくれている。だから、今までずっと碁を打ってくることができたと思っています」。

今も中国棋院で後進の指導にあたりながら、日々研鑽を積まれていらっしゃいます。



〓大人気　10/1 13刷出来！
■『ヒカルの囲碁入門』（石倉昇･著／高見亮子･編集協力）
「囲碁」初心者におすすめの入門書！

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<a></a>

]]></itunes:summary>
      <content:encoded><![CDATA[
<br />今月８日、アマチュアの女性だけの囲碁大会、第一回<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6500;">「勝負美人杯」</span></span>が開催され、東京・市谷にある囲碁総本山、日本棋院に応援に行ってきました。<br /><br />女性の大会といえば、「全日本アマチュア女流選手権」が有名です。<br /><br />第一回が1959年（！）という長い歴史を持ち、文字通り、全国の予選を勝ち上がった強～い女性が一堂に会する大会で、歴代優勝者からは何人もプロに転向しているほど、ハイレベルの戦いが繰り広げられます。<br /><br /><br /><img border="0" alt="igo01.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/igo01-37320-thumbnail2.jpg" width="350" height="232"><br /><br /><br />「そこまで強くなくても、囲碁が好きな女性なら誰でも参加できるような大会をつくりましょう」というのが、今回の<a href="http://www.syobubizin.com/igokouyukai/Welcome.html" target="_blank">「勝負美人杯」</a>。<br /><br />六段以上のクラスから、入門したばかりのクラスまで、棋力（囲碁の実力）別に対局する方式で、参加者は<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6500;">20代</span></span>からなんと<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6500;">80代</span></span>まで。<br />皆さん真剣な美しい表情で対局を楽しまれていました。<br /><br />大会幹事役のお一人、石井恵子さんは、「勝負美人」の名付け親でもあります。<br /><span style="font-size:large;"><span style="color:#0098CB;">「真剣に戦う人は美しいので」</span></span>と、元々は大会のキャッチコピーとして考えられたそうです。<br /><br />「美人じゃないと出場できないんですか？　という問い合わせが多かった」<br />と笑う石井さん。<br /><br />「ご自分で美人と思えばどなたでも参加できます、とお答えしました。そうしたら、こんなに集まってしまって」とユーモアたっぷり。<br /><br />参加申し込みは、予定していた「定員200人」をあっという間にオーバーして250人になり、急遽、借りる部屋を増やして対応されたようです。<br /><br />「長野や福島や岐阜の飛騨高山からも参加者がありました。これから、もっと全国的な大会になってほしいと思っています」とのこと。<br />これからも楽しみな大会です。<br /><br /><br /><img border="0" alt="igo04.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/igo04-thumbnail2.jpg" width="350" height="232"><br /><br /><br /><br /><br /><span style="font-size:large;"><span style="color:#0065CB;"><strong>●囲碁で読み解く『源氏物語』のヒロイン像</strong></span></span><br /><br />さて、囲碁をあまり知らない方にとっては、250人もの女性が集まって対局している光景は、想像できないものかもしれません。<br />中には、「囲碁は男性の遊び」と思い込んでいる方もいるかもしれません。<br /><br />でも実は、<span style="font-size:large;">囲碁はかなり<span style="color:#FF6500;">女性</span>に向いている</span>ゲーム。<br /><br />そして、歴史を振り返れば、<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6500;">中世の頃から、女性たちは囲碁に夢中</span></span>になっていました。<br /><br />有名なところでは、<span style="font-size:large;"><span style="color:#0098CB;">紫式部</span></span>。<br />相当な囲碁好きだったと想像できます。<br /><br />『源氏物語』にも女官たちが囲碁を打っている描写がありますが、ポイントは、それが一か所ではないこと。<br />囲碁を打つヒロインが何人も登場しているということです。<br /><br />例えば、さっそく第三帖に登場する囲碁シーンでは、ヒロイン<span style="color:#FF6500;"><span style="font-size:large;">「空蟬</span>（うつせみ）<span style="font-size:large;">」</span></span>の対局姿に、17歳の光源氏がみとれてしまうわけで、彼女は「勝負美人」だったようです。<br /><br />のぞき見していた光源氏の気配を察した彼女が、薄衣を脱ぎ捨て逃げてしまい、あとに残された衣を蟬の抜け殻に例えたのが「空蟬」という呼び名の由来ですが、それはさておき……。<br /><br />『源氏物語』は、時代、時代で何回も「現代語」に訳されていますが、実は、この空蟬が囲碁を打っているシーンの訳が正確ではないことが、最近わかってきました。<br /><br />訳した方は、囲碁をあまりご存じなかったのかもしれませんね。<br />というわけで、囲碁観戦記者の秋山賢司さんによる最新版の訳は…<br /><br /><br />　　<span style="color:#983232;">＊<br /><br />碁はあらかた打ち終わり、ヨセに入ったあたり、軒端荻（のぎばのおぎ）は心せく様子で、たいそうざわついていたが、奥にいた空蟬はもの静かな調子でやんわりと、"ちょっとお待ちなさい。そこはセキですよ。こっちのコウが残ってますよ"という。<br /><br />しかし軒端荻が、"この碁は負けたわ。さあさあ、この隅もあの隅も数えましょうよ"と、指を使って、十、二十、三十、四十、と地の計算をする様子は、伊予の道後温泉の湯船（数の多いことで有名）を数えるような調子である。<br />（『碁のうた　碁のこころ』講談社から抜粋）<br /><br />　　＊</span><br /><br /><br />ここに登場する<span style="font-size:large;"><span style="color:#0098CB;">「ヨセ」</span></span>と<span style="font-size:large;"><span style="color:#0098CB;">「セキ」</span></span>と<span style="font-size:large;"><span style="color:#0098CB;">「コウ」</span></span>は、囲碁を始めれば、わりとすぐに覚える囲碁の用語です。<br /><br />そして、碁が少し強い人には、空蟬が「そこはセキですよ……」と教えてあげている様子から、彼女がなかなか強いということもわかるのですね。<br /><br />というか、何より興味深いのは、この様子が、囲碁ファンならば手にとるように想像できるということ。<br /><br />なぜなら、現代の碁会所や囲碁サロンでも、これと全く同じような光景が繰り広げられているからです。<br /><br />乱暴ながら、今風にさらに意訳してみるとこんな感じでしょうか。<br /><br /><br /><span style="color:#009898;">軒「もう打つところないですよね。じゃあ、ダメをつめようっと（と打つ）」<br /><br />空「そこは、セキだから、打ったら損しちゃう」<br /><br />軒「あ。そっか」<br /><br />空「ここのコウを取ったら？」<br /><br />軒「もういいですよ。（コウを）ついでください。<br />　どうせ負けですから。この隅もこっちの隅の白地も大きいし、<br />　全部で100目ぐらいあるんじゃないですか」</span><br /><br /><br />女性が囲碁に夢中になる様は、千年の時を経ても変わらないのだなあと可笑しく、そして、さらに想像してみると、紫式部は空蟬以上に碁が強かったでしょうし、何の注釈もつけずにこんな描写をしていたということは、当時の読者の中には碁を打つ人がけっこう多く、しかも、この可笑しさを解せるほどに皆さんそれなりに強かったのではないか。<br /><br />そう考えると嬉しくなってきます。<br /><br /><br /><img border="0" alt="igo03.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/igo03-thumbnail2.jpg" width="350" height="232"><br /><span style="font-size:x-small;">第一回勝負美人杯の一番強いクラスで優勝した小田彩子さん</span><br /><br /><br /><br /><span style="font-size:large;"><span style="color:#0065CB;"><strong>●女性が「囲碁」にハマる理由</strong><span style="font-size:x-small;"><strong>（わけ）</strong></span></span></span><br /><br />では、囲碁のどういう点が女性に向いているのでしょうか。<br /><br />石倉昇九段は<span style="font-size:large;">「スポーツに例えると、将棋は<span style="color:#FF6500;">短距離走</span>、囲碁は<span style="color:#FF6500;">マラソン」</span></span>とおっしゃっています。<br /><br />また、将棋は王様を取るか取られるか、つまり「百対０」か「０対百」で勝負がつきますが、囲碁は「５１対４９」のように、<span style="font-size:large;"><span style="color:#0098CB;">相手にも与えるゲーム</span></span>。<br /><br />道中の景色を楽しみながら、対戦相手と共に作品を創る<span style="font-size:large;"><span style="color:#0098CB;">「平和のゲーム」</span></span>である点が、女性に向いているのでしょう、という説です。<br />たしかに、一理あります。<br /><br />ただ、少し美しすぎる見解かも、とも思います。<br /><br />子供のころは、男の子同士で対戦すると戦いの碁になり、女の子同士で対戦すると穏やかに陣地を分け合う碁になることが多いようです。<br />ところが、大人になると、男性より女性のほうが戦いを挑むことが多いような気がするのは私だけでしょうか。（たぶん違いますよね。笑）<br /><br />このあたりをどう分析すればよいのか……まだ結論は出ていないのですが……普段、がまん強く生きている女性が、<span style="font-size:large;">盤上では思う存分<span style="color:#FF6500;">「野心」</span>を爆発させる</span>、のではないかと想像することもできる気がします。<br /><br />また、<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6500;">男女差があまりない</span></span>ことも、女性の知的好奇心をくすぐるのでしょう。<br /><br />プロの世界でも、将棋と違って囲碁は男女が同じ土俵で戦います。<br /><br /><strong><span style="color:#009832;">芮廼偉（ぜい のい）九段</span></strong><strong><span style="font-size:x-small;"><span style="color:#009832;">（１）</span></span></strong>のように、韓国のトップ棋士たちを負かして大きなタイトルを獲るほどの女流棋士も現われました。<br /><br />囲碁が、「もっと強くなれる」「もっと強くなりたい」という<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6500;">前向き</span>な気持ちを受け止めてくれる世界</span>だということが、女性を虜にする大きな理由であることは間違いないでしょう。<br /><br /><br /><strong><span style="color:#009832;">（１）芮廼偉（ぜい のい・ルイ･ナイウェイ）九段</span></strong><br /><span style="color:#009832;">1963年中国生まれ。中国で世界初の女性の九段となるも、「もっと囲碁を打てる環境」を目指して1990年に日本に移住。<br />さまざまな事情から公式戦を打つことが叶わない中、1992年、応昌期杯（台湾の応昌期さんが私財を投じて創設。４年に一度開催。世界中のトップ棋士が参加。優勝賞金40万ドル）に招待されベスト４に進出。準決勝戦で日本の大竹英雄九段に敗れたときに流した涙は「負けたからではなく、また（公式戦で）碁を打てなくなる寂しさ」だったことは碁界で有名な逸話。その後、ご主人の江鋳久九段とアメリカに移住。1999年に韓国に客員棋士として招じ入れられ、翌2000年にタイトル「国手」を奪取。2011年帰国。</span><br /><br /><br />芮廼偉さんの波乱に満ちた激動の半生は、とても少ない紙面では語りきれません。<br /><br /><span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6500;">「鉄の女」</span></span>の異名をもつ史上最強の女流棋士・芮廼偉九段と聞けば、近寄りがたい印象を持たれるかもしませんが、ひとたび碁盤を離れれば、ひとなつこい笑顔で気づかいにあふれ、ほんわりと優しく、なぜか「放っておけない」と思わせる不思議な魅力に包まれています。<br /><br />仲良しのご主人、江鋳久（こう ちゅうきゅう・ジャン･ジュウジォウ）九段といつも一緒で、ユーモアあふれるお二人のまわりには暖かい笑いが絶えません。<br />ご夫婦そろって日本語も堪能です。<br /><br />一度取材させていただいたとき、「ご主人はどのような存在？」と尋ねると、<br />「普通はみんなどう言うのですか？」と照れてから「そばにいないといけないでしょう。外出するとき一緒に来てくれないとイライラして」というご返答。<br /><br />すると隣で江九段が<br />「道を知らないから。道に迷うから（笑）」。<br /><br />「ご主人は、何も言わなくても全部わかってくれる？」と追いうちをかけると、「えーと、そこまではできないでしょう（笑）。でも、私にとって何が一番大切なのかをわかってくれている。だから、今までずっと碁を打ってくることができたと思っています」。<br /><br />今も中国棋院で後進の指導にあたりながら、日々研鑽を積まれていらっしゃいます。<br /><br /><br /><br />〓<span style="color:#FF0000;"><strong>大人気　10/1 13刷出来！</strong></span><br /><strong><span style="color:#006598;"><ins>■『ヒカルの囲碁入門』（石倉昇･著／高見亮子･編集協力）</ins></span></strong><br /><strong><span style="color:#000098;">「囲碁」初心者におすすめの入門書！</span></strong><br /><br /><img border="0" alt="hikarunoigo-nyumon.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/hikarunoigo-nyumon-thumbnail2.jpg" width="106" height="150"><br /><a href="http://www.shueisha-int.co.jp/archives/289" target="_blank">書籍詳細</a>／<a href="http://books.shueisha.co.jp/CGI/search/syousai_put.cgi?isbn_cd=978-4-7976-7188-9&mode=1" target="_blank">書籍を購入する</a><br /><a name="more"></a>

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            <category>コラム</category>
      <author>si</author>
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                </item>
        <item>
      <link>https://si-igo.seesaa.net/article/373239286.html</link>
      <title>第3回：「囲碁」と演劇</title>
      <pubDate>Thu, 29 Aug 2013 00:00:00 +0900</pubDate>
            <description>●王銘琬九段の衝撃王銘琬（オウ　メイエン）（１）という九段の棋士がいます。1961年台湾出身で1975年の11月に来日し1977年にプロ入り。日本の三大タイトルの一つ「本因坊」を獲ったこともある超一流棋士の一人です。メイエン九段と初めてお話したのは、今からちょうど10年ほど前、日本棋院から帰宅する電車の中でした。たまたま隣の席になり、お辞儀をして緊張している私に、「高見さんはお芝居をやってらっしゃるそうですね」とメイエン九段が話しかけてくださったのです。「は、はい」と答えたき..</description>
            <itunes:summary><![CDATA[

●王銘琬九段の衝撃

王銘琬（オウ　メイエン）（１）という九段の棋士がいます。
1961年台湾出身で1975年の11月に来日し1977年にプロ入り。
日本の三大タイトルの一つ「本因坊」を獲ったこともある超一流棋士の一人です。

メイエン九段と初めてお話したのは、今からちょうど10年ほど前、日本棋院から帰宅する電車の中でした。

たまたま隣の席になり、お辞儀をして緊張している私に、
「高見さんはお芝居をやってらっしゃるそうですね」
とメイエン九段が話しかけてくださったのです。

「は、はい」と答えたきり、＜知ってるんだ…！＞と驚き恐縮して何も言えずにいると、「どういうお芝居ですか？」と尋ねてこられました。

＜こういうときには、きちんと返事ができなければ＞と気持ちばかりあせり、「一作一作違うのですが、主には現代が舞台で、隣に住んでいそうな普通の人々が主人公で、彼らがあり得ない世界に投げ込まれて……」と話し始めたもののまとまりそうになく、「わかりやすい不条理劇を目指しています」と強引にまとめてみました。

そして一人赤くなったり青くなったりして＜ああ、もっと気が利いた答えを、なぜいつもできないんだろう＞と自分を責め、落ち込んでいきそうになったとき、メイエン九段から次の言葉が発せられたのでした。

「僕はね、別役実さんの書くものは不条理だとは思わないんですよ」。

＜･･････＞

そのときの驚嘆というか、それを通り越して愕然としたことは今でも忘れられません。

年齢は私とさほど変わらず、14歳で来日してから日本語を覚え、ひたすら囲碁の道を極めてきた方が、日本の劇作家「別役実」を知っているだけでも驚きなのに、その戯曲を読んだこともあり、かつ「不条理だとは思わない」という自らの意見を持ち、堂々とにこやかに私に語っているのです。

＜私は一体この二十年何をやってきたんだ。
メイエン先生と比べて、どれだけ無駄に時間を過ごしてしまったんだろう＞。

その後の私の頭の中は、メイエン九段への畏敬の念とショックの間を全速力で行ったり来たりしていたものでした。

この頭の中の往復運動は、今も（つい１カ月前に、やはり電車でたまたま一緒になったメイエン九段から「ワケあって」若い頃にお芝居をよく観ていた時期がある、というお話を聞いて少し速度は落ちたのですが）続いています。

今回は、自己紹介も兼ねながら、「囲碁と演劇」というタイトルにしてみました。

私は大学入学と同時に早稲田小劇場（後のＳＣＯT）という劇団に入り、それからずっと演劇を続け、今はかもねぎショット（２）というグループの代表をしています。

一年に２公演のペースですが、今年度は３公演とちょっとハードスケジュール。
７月公演を終えてホッとしたのもつかの間、11月公演の準備が始まっています。

<img border="0" alt="2009&#x300E;&#x30B5;&#x30FC;&#x30AF;&#x30EB;&#x30C0;&#x30F3;&#x30B9;&#x300F;.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/2009E3808EE382B5E383BCE382AFE383ABE38380E383B3E382B9E3808F-thumbnail2.jpg" width="350" height="234">
かもねぎショット公演『Circle Dance ～ロマンス～』（2009年) 
撮影＝伊藤雅章　振付・演出＝伊藤多恵　テキスト＝高見亮子



●囲碁は＜生身の人間力＞を映す鏡

さて、勝ち負けがつく囲碁と演劇とでは、全く世界が違うと考えていたのですが、囲碁も一局一局が作品だと考えると、共通点が多いことに気づきました。

まず、舞台が四角いこと（演劇では円形や変形舞台もありますが）。
始まりには何もないこと。
ここはポイントです。

そしてそこに、自分にしか創れない世界を立ち上げようと大望を抱き、今自分が持っている技と芸の全てを注ぎ込もうとすること。

プロ棋士はときどき、対局がまだ始まったばかりだというのに長考すること（長く考えること）があります。

以前は、「もう考えてる！　やはりプロは違うなあ」と闇雲に尊敬していたのですが、どうやら「考えている」とは限らない、ということがだんだんわかってきました。

例えば、石倉昇九段（３）は「碁盤を前にして、今日はどんな碁を打とうかと構想を巡らせるときが一番幸せ」と話されたことがあります。

その言葉を思い出すと、なるほど、依田紀基九段（４）などは、ご本人は気がついていないでしょうが、何もない碁盤を見つめながら幸せそうにニコニコしていたりするのです。

やはり、構想を巡らせて、想像の世界を広げているのでしょう。
そして、そんなふうにニコニコ笑えるときというのは、心身ともに広々していながら充実しているに違いなく、＜ああ、あやかりたいな＞と羨ましげに見入ってしまいます。

そうかと思うと、趙治勲二十五世本因坊（５）のように厳しい表情のまま長考する棋士もいます。

これは、対戦相手の棋士の推察によると、「気合が高まるまで石を握ろうとしない」ためだそうです。
この厳しさも見習わなければと思います。

いつも正解があるわけではない、というところも囲碁と演劇の共通点でしょう。

正解がない中で次の手を選ぶとき、囲碁では自分の感性をどれだけ信じられるかが大事。

また、一度決めたら自分を信じて突き進むことも大事なようです。

プロ棋士はよく「前に打った手の顔を立てる」という意味のことを口にします。

つまり、途中で作戦を変更すると、それまでに打った石が「悪手」になってしまい、耐えがたいのだそうです。
（と、ここで書きかけの台本に目を通してみると、揺らいでばかり。自分を信じる力が圧倒的に欠けているようです）

<img border="0" alt="2013&#x300E;&#x798F;&#x888B;&#x99C5;&#x4E0B;&#x8ECA;&#x5F92;&#x6B69;&#xFF16;&#x5206;&#x300F;&#xFF11;.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/2013E3808EE7A68FE8A28BE9A785E4B88BE8BB8AE5BE92E6ADA9EFBC96E58886E3808FEFBC91-thumbnail2.jpg" width="350" height="234">
かもねぎショット公演『福袋駅下車徒歩６分』（2013年） 　
撮影＝伊藤雅章　作・演出＝高見亮子

一人では作品を創ることはできない。
これも共通しています。

相手が何を考えているかを常に考えている、と言い換えることもできるかもしれません。
演劇では、相手役の俳優が上手だと、何も考えずに自然に伸び伸びと演じられます。

私の大好きな俳優が「自分のセリフを自分のために言ったことは一度もない。全てのセリフを相手役のために出している」と話したことがあり、感心させられたことがあります。

囲碁では、「相手のために」自分の手を打ったりしようものならたちまち負けてしまいそうですが、「相手をよく理解した上で、次の手を選ぶ」ことは欠かせません。

相手のことを何も考えずに一人よがりで選んだ手は、たいてい散々な結果を招くもの。
囲碁が強くなればなるほど、相手の心を読めるようになるといいます。

プロ棋士は、対局中のお茶の飲み方や、ため息の音色でも見抜けるそうです。

長い長い歴史を持ち、世の中がどれほど変わっても生身の人間の力が試される世界、という点も共通しています。

失敗もし、いつまでも経っても満足できず、でも名局、名舞台が生まれることもあり、それらは見る人を感動させ。
これからも人間を映してゆくのだろうなと思います。


〓棋士、一言紹介（プロフィールは<a href="http://www.nihonkiin.or.jp/" target="_blank">日本棋院のＨＰ</a>をご覧ください！）

（１）王銘琬九段
囲碁界の哲学者。と思っているのは、私だけではないはず。

（２）かもねぎショット
演劇集団です。
詳細は<a href="http://www.jah.ne.jp/~kamonegi/" target="_blank">ＨＰ</a>（今リニューアル中のため不備が多いのですが）、<a href="http://kamonegi-shot.dreamlog.jp/" target="_blank">ブログ</a>をご覧ください。

（３）石倉昇九段
東大法学部→日本興業銀行というエリートコースから囲碁のプロ棋士に転身。詳細は<a href="http://www.shueisha-int.co.jp/archives/389" target="_blank">『ヒカルの碁勝利学』</a>をぜひ。「わかりやすい解説・指導」にも抜群の定評があります。

（４）依田紀基九段
名人位４期をはじめビッグタイトルを数多く獲得した超一流棋士。世界戦でも優勝したことがあります。「世界一の男」・韓国の李昌鎬（イ・チャンホ）九段に強く、韓国では、歩いていると振り返られるほど有名だとか。『ヒカルの碁』に登場する「倉田」のモデル。でも最近ダイエットに成功して20キロやせられ、外見は今では倉田と全く似ていません。

（５）趙治勲二十五世本因坊
タイトル獲得数は史上１位。「大三冠」（三大タイトルを同時期に制覇）、本因坊位10連覇など数々の偉業を達成し、現在も第一線で活躍。囲碁界の歴史に大きな跡を残す大棋士。さまざまな会でのスピーチの才も秀逸、絶品で、会場を必ず大爆笑に誘います。
 

＝＝＝囲碁入門講座、おすすめイベント！＝＝＝

■防災囲碁まつり　＠横網町公演（墨田区横網二丁目）
９月８日（日）16時～19時
石倉昇九段と小川誠子六段による「趙カンタン！　囲碁入門講座」と「ワクワク囲碁トーク」が16時15分ごろから行われます。入場無料。ご自由にご参加いただけます。

17時30分ごろから、小川誠子六段と小林彩さん（中学１年生。小林光一名誉三冠の次女）の記念対局も行われます。解説は石倉昇九段です。

お問合わせ先：岡本建築設計事務所
ＴＥＬ：０３－３６２５－２５３２
メール：sekkei@oka-ken.com
公式サイト：http://shutobo.jp


〓重版決定！
■『ヒカルの囲碁』（石倉昇･著／高見亮子･編集協力）
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■『ヒカルの碁勝利学』（石倉昇･著／高見亮子･編集協力）
東大出身の異色のプロ棋士、石倉昇九段の｢勝利の哲学｣！
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      <content:encoded><![CDATA[
<br /><strong><span style="color:#0065CB;"><span style="font-size:large;">●王銘琬九段の衝撃</span></span></strong><br /><br /><strong><span style="color:#009832;">王銘琬（オウ　メイエン）</span><span style="font-size:x-small;"><span style="color:#009832;">（１）</span></span></strong>という九段の棋士がいます。<br />1961年台湾出身で1975年の11月に来日し1977年にプロ入り。<br />日本の三大タイトルの一つ<span style="font-size:large;"><span style="color:#0098CB;">「本因坊」</span></span>を獲ったこともある超一流棋士の一人です。<br /><br />メイエン九段と初めてお話したのは、今からちょうど10年ほど前、日本棋院から帰宅する電車の中でした。<br /><br />たまたま隣の席になり、お辞儀をして緊張している私に、<br /><span style="font-size:large;"><span style="color:#983232;">「高見さんはお芝居をやってらっしゃるそうですね」</span></span><br />とメイエン九段が話しかけてくださったのです。<br /><br />「は、はい」と答えたきり、＜知ってるんだ…！＞と驚き恐縮して何も言えずにいると、「どういうお芝居ですか？」と尋ねてこられました。<br /><br />＜こういうときには、きちんと返事ができなければ＞と気持ちばかりあせり、「一作一作違うのですが、主には現代が舞台で、隣に住んでいそうな普通の人々が主人公で、彼らがあり得ない世界に投げ込まれて……」と話し始めたもののまとまりそうになく、「わかりやすい不条理劇を目指しています」と強引にまとめてみました。<br /><br />そして一人赤くなったり青くなったりして＜ああ、もっと気が利いた答えを、なぜいつもできないんだろう＞と自分を責め、落ち込んでいきそうになったとき、メイエン九段から次の言葉が発せられたのでした。<br /><br /><span style="font-size:large;"><span style="color:#983232;">「僕はね、別役実さんの書くものは不条理だとは思わないんですよ」</span></span>。<br /><br /><span style="font-size:large;">＜･･････＞</span><br /><br />そのときの驚嘆というか、それを通り越して愕然としたことは今でも忘れられません。<br /><br />年齢は私とさほど変わらず、14歳で来日してから日本語を覚え、ひたすら囲碁の道を極めてきた方が、日本の劇作家「別役実」を知っているだけでも驚きなのに、その戯曲を読んだこともあり、かつ「不条理だとは思わない」という自らの意見を持ち、堂々とにこやかに私に語っているのです。<br /><br />＜私は一体この二十年何をやってきたんだ。<br />メイエン先生と比べて、どれだけ無駄に時間を過ごしてしまったんだろう＞。<br /><br />その後の私の頭の中は、メイエン九段への畏敬の念とショックの間を全速力で行ったり来たりしていたものでした。<br /><br />この頭の中の往復運動は、今も（つい１カ月前に、やはり電車でたまたま一緒になったメイエン九段から「ワケあって」若い頃にお芝居をよく観ていた時期がある、というお話を聞いて少し速度は落ちたのですが）続いています。<br /><br />今回は、自己紹介も兼ねながら、<strong><span style="font-size:large;"><span style="color:#FF0000;">「囲碁と演劇」</span></span></strong>というタイトルにしてみました。<br /><br />私は大学入学と同時に早稲田小劇場（後のＳＣＯT）という劇団に入り、それからずっと演劇を続け、今は<strong><span style="color:#009832;">かもねぎショット</span><span style="font-size:x-small;"><span style="color:#009832;">（２）</span></span></strong>というグループの代表をしています。<br /><br />一年に２公演のペースですが、今年度は３公演とちょっとハードスケジュール。<br />７月公演を終えてホッとしたのもつかの間、11月公演の準備が始まっています。<br /><br /><img border="0" alt="2009『サークルダンス』.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/2009E3808EE382B5E383BCE382AFE383ABE38380E383B3E382B9E3808F-thumbnail2.jpg" width="350" height="234"><br /><span style="font-size:x-small;"><span style="color:#009898;">かもねぎショット公演『Circle Dance ～ロマンス～』（2009年) <br />撮影＝伊藤雅章　振付・演出＝伊藤多恵　テキスト＝高見亮子</span></span><br /><br /><br /><br /><strong><span style="font-size:large;"><span style="color:#0065CB;">●囲碁は＜生身の人間力＞を映す鏡</span></span></strong><br /><br />さて、勝ち負けがつく囲碁と演劇とでは、全く世界が違うと考えていたのですが、囲碁も一局一局が作品だと考えると、共通点が多いことに気づきました。<br /><br />まず、<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6500;">舞台が四角い</span></span>こと（演劇では円形や変形舞台もありますが）。<br /><span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6500;">始まりには何もない</span></span>こと。<br />ここはポイントです。<br /><br />そしてそこに、自分にしか創れない世界を立ち上げようと大望を抱き、今自分が持っている<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6500;">技</span>と<span style="color:#FF6500;">芸</span>の全てを注ぎ込もうとする</span>こと。<br /><br />プロ棋士はときどき、対局がまだ始まったばかりだというのに長考すること（長く考えること）があります。<br /><br />以前は、「もう考えてる！　やはりプロは違うなあ」と闇雲に尊敬していたのですが、どうやら<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6500;">「考えている」とは限らない</span></span>、ということがだんだんわかってきました。<br /><br />例えば、<strong><span style="color:#009832;">石倉昇九段</span><span style="font-size:x-small;"><span style="color:#009832;">（３）</span></span></strong>は「碁盤を前にして、今日はどんな碁を打とうかと構想を巡らせるときが一番幸せ」と話されたことがあります。<br /><br />その言葉を思い出すと、なるほど、<strong><span style="color:#009832;">依田紀基九段</span><span style="font-size:x-small;"><span style="color:#009832;">（４）</span></span></strong>などは、ご本人は気がついていないでしょうが、何もない碁盤を見つめながら幸せそうにニコニコしていたりするのです。<br /><br />やはり、構想を巡らせて、想像の世界を広げているのでしょう。<br />そして、そんなふうにニコニコ笑えるときというのは、心身ともに広々していながら充実しているに違いなく、＜ああ、あやかりたいな＞と羨ましげに見入ってしまいます。<br /><br />そうかと思うと、<strong><span style="color:#009832;">趙治勲二十五世本因坊</span><span style="font-size:x-small;"><span style="color:#009832;">（５）</span></span></strong>のように厳しい表情のまま長考する棋士もいます。<br /><br />これは、対戦相手の棋士の推察によると、「気合が高まるまで石を握ろうとしない」ためだそうです。<br />この厳しさも見習わなければと思います。<br /><br /><span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6500;">いつも正解があるわけではない</span></span>、というところも囲碁と演劇の共通点でしょう。<br /><br />正解がない中で次の手を選ぶとき、囲碁では自分の感性をどれだけ信じられるかが大事。<br /><br />また、一度決めたら自分を信じて突き進むことも大事なようです。<br /><br />プロ棋士はよく<span style="font-size:large;"><span style="color:#0065CB;">「前に打った手の顔を立てる」</span></span>という意味のことを口にします。<br /><br />つまり、途中で作戦を変更すると、それまでに打った石が「悪手」になってしまい、耐えがたいのだそうです。<br />（と、ここで書きかけの台本に目を通してみると、揺らいでばかり。自分を信じる力が圧倒的に欠けているようです）<br /><br /><img border="0" alt="2013『福袋駅下車徒歩６分』１.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/2013E3808EE7A68FE8A28BE9A785E4B88BE8BB8AE5BE92E6ADA9EFBC96E58886E3808FEFBC91-thumbnail2.jpg" width="350" height="234"><br /><span style="font-size:x-small;"><span style="color:#009898;">かもねぎショット公演『福袋駅下車徒歩６分』（2013年） 　<br />撮影＝伊藤雅章　作・演出＝高見亮子</span></span><br /><br /><span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6500;">一人では作品を創ることはできない。<br /></span></span>これも共通しています。<br /><br />相手が何を考えているかを常に考えている、と言い換えることもできるかもしれません。<br />演劇では、相手役の俳優が上手だと、何も考えずに自然に伸び伸びと演じられます。<br /><br />私の大好きな俳優が「自分のセリフを自分のために言ったことは一度もない。<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6500;">全てのセリフを相手役のために出している」</span></span>と話したことがあり、感心させられたことがあります。<br /><br />囲碁では、「相手のために」自分の手を打ったりしようものならたちまち負けてしまいそうですが、「相手をよく理解した上で、次の手を選ぶ」ことは欠かせません。<br /><br />相手のことを何も考えずに一人よがりで選んだ手は、たいてい散々な結果を招くもの。<br />囲碁が強くなればなるほど、相手の心を読めるようになるといいます。<br /><br /><span style="font-size:large;">プロ棋士は、<span style="color:#FF6500;">対局中のお茶の飲み方や、ため息の音色</span>でも見抜ける</span>そうです。<br /><br />長い長い歴史を持ち、世の中がどれほど変わっても<span style="font-size:large;"><span style="color:#0065CB;">生身の人間の力が試される世界</span></span>、という点も共通しています。<br /><br />失敗もし、いつまでも経っても満足できず、でも名局、名舞台が生まれることもあり、それらは見る人を感動させ。<br />これからも人間を映してゆくのだろうなと思います。<br /><br /><br />〓<ins>棋士、一言紹介（プロフィールは<a href="http://www.nihonkiin.or.jp/" target="_blank">日本棋院のＨＰ</a>をご覧ください！）<br /></ins><br /><strong><span style="color:#009832;">（１）王銘琬九段</span></strong><br /><span style="color:#009832;">囲碁界の哲学者。と思っているのは、私だけではないはず。<br /></span><br /><strong><span style="color:#009832;">（２）かもねぎショット</span></strong><br /><span style="color:#009832;">演劇集団です。<br />詳細は<a href="http://www.jah.ne.jp/~kamonegi/" target="_blank">ＨＰ</a>（今リニューアル中のため不備が多いのですが）、<a href="http://kamonegi-shot.dreamlog.jp/" target="_blank">ブログ</a>をご覧ください。</span><br /><br /><strong><span style="color:#009832;">（３）石倉昇九段</span></strong><br /><span style="color:#009832;">東大法学部→日本興業銀行というエリートコースから囲碁のプロ棋士に転身。詳細は<a href="http://www.shueisha-int.co.jp/archives/389" target="_blank">『ヒカルの碁勝利学』</a>をぜひ。「わかりやすい解説・指導」にも抜群の定評があります。</span><br /><br /><strong><span style="color:#009832;">（４）依田紀基九段</span></strong><br /><span style="color:#009832;">名人位４期をはじめビッグタイトルを数多く獲得した超一流棋士。世界戦でも優勝したことがあります。「世界一の男」・韓国の李昌鎬（イ・チャンホ）九段に強く、韓国では、歩いていると振り返られるほど有名だとか。『ヒカルの碁』に登場する「倉田」のモデル。でも最近ダイエットに成功して20キロやせられ、外見は今では倉田と全く似ていません。</span><br /><br /><strong><span style="color:#009832;">（５）趙治勲二十五世本因坊</span></strong><br /><span style="color:#009832;">タイトル獲得数は史上１位。「大三冠」（三大タイトルを同時期に制覇）、本因坊位10連覇など数々の偉業を達成し、現在も第一線で活躍。囲碁界の歴史に大きな跡を残す大棋士。さまざまな会でのスピーチの才も秀逸、絶品で、会場を必ず大爆笑に誘います。</span><br /> <br /><br /><span style="color:#003298;"><strong><span style="font-size:large;">＝＝＝囲碁入門講座、おすすめイベント！＝＝＝</span></strong><br /><br /><ins><strong>■防災囲碁まつり　</strong>＠横網町公演（墨田区横網二丁目）</ins><br /><strong><span style="color:#FF0032;">９月８日（日）16時～19時</span></strong><br />石倉昇九段と小川誠子六段による「趙カンタン！　囲碁入門講座」と「ワクワク囲碁トーク」が16時15分ごろから行われます。入場無料。ご自由にご参加いただけます。<br /><br />17時30分ごろから、小川誠子六段と小林彩さん（中学１年生。小林光一名誉三冠の次女）の記念対局も行われます。解説は石倉昇九段です。<br /><br />お問合わせ先：岡本建築設計事務所<br />ＴＥＬ：０３－３６２５－２５３２<br />メール：sekkei@oka-ken.com<br />公式サイト：<a href="http://shutobo.jp" 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href="http://www.shueisha-int.co.jp/archives/389" target="_blank">書籍情報はこちら</a>／<a href="http://books.shueisha.co.jp/CGI/search/syousai_put.cgi?isbn_cd=4-7976-7050-9&mode=1" target="_blank">書籍を購入する</a><br /><br /><a name="more"></a>

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            <category>コラム</category>
      <author>si</author>
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                </item>
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      <title>第2回：「囲碁」とコンピュータ</title>
      <pubDate>Fri, 02 Aug 2013 00:00:00 +0900</pubDate>
            <description>今回は「囲碁とコンピュータ」というテーマにしてみます。最近、「スーパーコンピュータ」開発のニュースをよく耳にします。コンピュータにも数字にもうとい私は、「１秒間に１京回の計算ができます」と聞いても、さっぱり実感が持てなかったのですが、最近、コンピュータに詳しいマイケル・レドモンド九段（1）（アメリカ出身のプロ棋士です）の例え話を聞いて、「どれほどコンピュータの性能が進歩したか」ということが、少しわかった気になりました。レドモンド九段が子供の頃（40年ほど前です）、ご実家の一室..</description>
            <itunes:summary><![CDATA[

今回は「囲碁とコンピュータ」というテーマにしてみます。

最近、「スーパーコンピュータ」開発のニュースをよく耳にします。

コンピュータにも数字にもうとい私は、「１秒間に１京回の計算ができます」と聞いても、さっぱり実感が持てなかったのですが、最近、コンピュータに詳しいマイケル・レドモンド九段（1）（アメリカ出身のプロ棋士です）の例え話を聞いて、「どれほどコンピュータの性能が進歩したか」ということが、少しわかった気になりました。

レドモンド九段が子供の頃（40年ほど前です）、ご実家の一室は、物理学者のお父様の巨大コンピュータで埋め尽くされていたそうです。

「それと同じだけの機能を持つコンピュータが、今では片手のてのひらにのるサイズになったわけですからね」。

なるほど。
そして、「とりわけ、ここ20年の進歩には目をみはるものがある」のだそうです。

では、この目をみはる超高性能コンピュータが囲碁を打つとどうなるのでしょうか。


スーパーコンピュータ vs. 人間

ご存じの方はご存じのように、チェスは、1997年に、世界チャンピオンのカスパロフ氏が、ＩＢＭ製のチェスコンピュータ「ディープブルー」に１勝２敗３引き分けで敗れました。

「ああ、人間がコンピュータに負けちゃったぁ」とかなりショックでしたが、「囲碁は大丈夫」と大船に乗っていました。

実際、囲碁のコンピュータソフトは「史上最強」と銘打たれた新商品が次々開発されても、その実力はといえば、アマチュア初段ぐらい。
明らかに伸び悩んでいたからです。

なぜ、コンピュータは囲碁が強くなれないのか（強くなれなかったのか）ということを、囲碁ファンは得々として語ったものです。

一つには（これは、さほど威張れることではないかもしれませんが）、単純に碁盤が広いから。

チェスや将棋は９マス×９マス＝81マスが競技場となるのと比べて、囲碁は19路×19路＝361の交点が舞台です。

最初に黒石を置いてもよい場所が361カ所あり、二手目に白石を置いてもよい場所が360カ所、三手目の黒石が359カ所……この枝別れの総数を361×360×359×……と計算していくと、６手目にして２千兆を越え、７手目になると自宅の電卓には数字が現われません。

その中から最善の一手を選ぶことは、さすがにコンピュータでも無理だろう！　と私も思いました。

<img border="0" alt="igo19.JPG" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/igo19-thumbnail2.JPG" width="250" height="187"> 19路盤

<img border="0" alt="igo9.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/igo9-thumbnail2.jpg" width="250" height="187"> 9路盤


また、一つには、囲碁では「感じる」ことが次の手を決める要因になるためです。

例えば、「自分の石が弱いな」と感じたら守る手を選びますし、「相手の石が弱いな」と感じたら攻める手を選びます。

でも、コンピュータは「感じる」ことはできないだろう！ と鼻高々になっていたのです。
ところが、コンピュータは強くなっていきました。

将棋のソフトもめきめき腕を上げていき、羽生善治さんが何年か前に話した「将棋は、人間がコンピュータに負ける日がくる」という言葉が現実のものに。

今年、プロ棋士がコンピュータに敗れた出来事は衝撃的でした。

そして囲碁のソフトも、画期的に強くなりました。

今年、プロ棋士の石田芳夫九段（２）を相手に、４子局（ハンディキャップとして、はじめに黒石を４つ置いてから始める対局）で一勝一敗という互角の戦績。

アマチュアの五段ぐらいの腕前でしょうか。
これまでのアマ初段から一気に「四段」も強くなったわけです。

その理由は、新たにモンテカルロ法というプログラムを組み込んだことにあるようです。

「モンテカルロ法」がどういうものかというと、これまたレドモンド九段の解説によると「最善手を探すというよりは、終局（対局の終わり）までの参考図を無数につくって、勝率のよい手を選ぶ」というやり方で、「これまでもモンテカルロに近い発想はあったのですが、記憶能力・計算能力上、コンピュータが無理だった」のだそうです。

では、この先、ついに人間がコンピュータに負ける日はくるのでしょうか。

コンピュータソフトの制作現場の方々は「あと10年でその日は来るでしょう」と余裕の表情で語られていました。

レドモンド九段は「この20年、コンピュータそのものの伸び方はものすごくて、囲碁の５級から五段の差以上に伸びている気がします。今から20年経ったら、想像もできないコンピュータというものがある。だから人間は負けちゃうんじゃないかと思う。わからないことを想像してもわからないのだけど（笑）」とのこと。

人間応援団としては、少々不安な気持ちにさせられます。


コンピュータの囲碁では“感動”できない

でもそもそも、コンピュータが囲碁で人間に勝つかどうか、ということに、私はさほど興味がないかもしれない、と今気がつきました。
なぜなら……

第一に、私は個人的には「人間はコンピュータに負けない」と思っています。
記憶能力と計算能力だけでは囲碁は勝てない、と思っているからです。

今年93歳になられる杉内雅男九段（３）は、今も現役のプロ棋士として活躍されています。

囲碁界最高峰のタイトル「棋聖」戦では、棋士全員参加の予選を勝ち上がった12人が最後に「リーグ戦」を行って挑戦者を決定するのですが、12人中、今年は50代が４人もいます。

もし囲碁が、記憶と計算が全てのゲームなら、10代、20代の棋士に50代の棋士が勝てるものではないでしょう。

また、仮に一局コンピュータに負けたとしても、人間はすぐにコンピュータの弱点を研究し、癖を見抜きますので、次に対戦するときには負かすことでしょう。

だから、突き詰めれば、コンピュータは一局しか通用しないのではないかと思われます。


第二に、対局の内容に関心が持てないからです。

ハッ〓とさせられたり、感動させられるような手をコンピュータが打つとは（偏見かもしれませんが）思えません。

いずれ、小説を書くコンピュータが出来上がったときに、その小説を興味本位で一回は読むかもしれませんが、おそらく二回は読まないと思うのと同じです。

さて、とはいうものの、プロ棋士たちはコンピュータに負けるわけにはいかず、中には戦々恐々とされている方もいるかもしれません。
でも、頼もしいエピソードがあります。

今年、19路×19路の碁盤での対戦の他に、入門指導などでよく使う９路×９路の碁盤でも、プロ棋士とコンピュータの対戦がありました。

碁盤が狭いわけですから、人間に不利なのは明らか。
対戦前は「99％コンピュータが勝つ」と言われました。

でも、大橋拓文六段（４）ら若手棋士は、コンピュータの弱点・癖を研究し、見事に負かしたのです。

このことが、今年のタイトル戦の夕食の席で話題になったとき、張栩（チョウ･ウ）九段（５）（元五冠王。今年、井山裕太さん（６）に棋聖位を奪われるまでの第一人者）は、イタズラっぽい自信に満ちた笑みを浮かべながら、こう話しました。

「かりに99％負けると言われても、１％勝つ可能性があれば、人間はその１％に100％を投じることができる。だから、99などという数字は何の意味もなさない」。

人間の能力は、それを信じる者によって最大限に活かされるのだろうなと、心強く思わされた張栩さんのコメントでした。



〓登場棋士をご紹介します！
登場順。各氏の正式なプロフィールは、<a href="http://www.nihonkiin.or.jp/" target="_blank">日本棋院のＨＰ</a>をご覧ください！

（１）マイケル・レドモンド九段
1963年、アメリカ、カリフォルニア州サンタバーバラ出身。
当時はインターネット対局などなかったので「このままアメリカにいたら、（自分より強い）囲碁の対戦相手がいなくなる」と、子供心に危機感を覚えて14歳で来日。2000年に、史上初めての「青い目の九段」に昇段。日本語は、内弟子（師匠の家に住みながら修業をする弟子）時代に、師匠のお母様から習い覚えました。そのため、古風な言い回しを自在にあやつり、「日本人より美しい日本語を話す」棋士としても有名。

（２）石田芳夫九段
1948年、愛知県出身。史上最年少、22歳で日本の三大タイトルの一つ「本因坊」を獲得。以降五連覇を達成。その他にも数々のタイトル歴があり。60歳から名誉本因坊資格により二十四世本因坊秀芳を名乗っています。
全盛期は計算力にすぐれ「コンピュータ」の異名は囲碁界では有名。
最近はわかりやすく辛辣な「名解説者」としての評価も高く、終盤に入る頃には「どちらが何目半勝つ」と言い当てるコンピュータぶりは健在。
歌が上手く、レコードを出したことも。

（３）杉内雅男九段
1920年（大正９年）、宮崎県出身。夫人の杉内寿子八段とそろって現役棋士。実績もさることながら、囲碁への真摯な態度、居ずまい、お顔立ちもあいまって、棋士たちからは「神様」と敬愛されています。

（４）大橋拓文六段
1984年、東京都出身。ピアノがプロ並みの腕前。
音楽好きのご両親の影響からか、３歳のときに「ピアノを習いたい」と頼んだとか。棋士の道を選びましたが、ピアノは弾き続け、「最近はバッハの良さがわかってきた」とのこと。新宿の某レストランに依頼されてときどき演奏しています。詰碁（囲碁の問題）づくりも得意で、「武光徹の曲を聴いていたときに、でっかい詰碁がひらめいた」りするそうです。

（５）張栩九段
1980年、台湾台北市出身。４年前に史上初の五冠達成。３年前に史上２人目のグランドスラム（七大タイトルを一度は獲得）を達成。
ある会場で、「一日にどのぐらい囲碁の勉強をするのですか？」という質問に「２８時間」と答えて話題になりました。ご本人は、普通に答えてもつまらないと思い、「え？　それはどういう意味ですか？」と興味を持ってもらう作戦だったそうですが「会場がシーンとしてしまって、困った」と笑っていました。
奥が深くウィットに富んだ明言は数知れず。少しずつご紹介したいです。

（６）井山裕太五冠
1989年（平成元年）、大阪府出身。
昨年結婚した将棋の棋士、室田伊緒初段とは、生年月日が同じ！　お二人の誕生日に入籍されました。今年史上初の六冠の偉業を達成。新聞やテレビでも大きく報道されました。
現在は「碁聖」戦のタイトルマッチ五番勝負の最中。井山碁聖は１勝２敗と追い込まれています。第４局は８月９日（金）。どうなるでしょう？！　
井山さんといえば、師匠の石井邦生九段に、プロになる前にネット対局で千局も打ってもらったことでも有名（師匠は弟子とは直接対局しないのが囲碁界の常識でした）。その石井九段は最近「井山さんに千局も打ってもらったのに、どうして石井さんは強くならなかったんだろうねえ」と冷やかされているそうです。


〓今年から日本棋院（公益財団法人。日本の囲碁を代表する団体）では、プロ棋士とコンピュータ囲碁との公式定期戦 「電聖戦」を開催しています。
興味のある方はぜひチェックしてみてください。
日本棋院HP：<a href="http://www.nihonkiin.or.jp/news/2012/11/1_18.html" target="_blank">http://www.nihonkiin.or.jp/news/2012/11/1_18.html</a>


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集英社インターナショナル好評既刊
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■『わが天才棋士・井山裕太』（石井邦生･著）
師匠がみた天才棋士の素顔と成長の記録
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<a href="http://www.shueisha-int.co.jp/archives/210" target="_blank">書籍詳細はこちら</a>／<a href="http://books.shueisha.co.jp/CGI/search/syousai_put.cgi?isbn_cd=978-4-7976-7195-7&amp;mode=1" target="_blank">書籍を購入する</a>

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]]></itunes:summary>
      <content:encoded><![CDATA[
<br />今回は<strong><span style="color:#FF0000;"><span style="font-size:large;">「囲碁とコンピュータ」</span></span></strong>というテーマにしてみます。<br /><br />最近、「スーパーコンピュータ」開発のニュースをよく耳にします。<br /><br />コンピュータにも数字にもうとい私は、「１秒間に１京回の計算ができます」と聞いても、さっぱり実感が持てなかったのですが、最近、コンピュータに詳しい<strong><span style="color:#009832;">マイケル・レドモンド九段</span><span style="font-size:x-small;"><span style="color:#009832;">（1）</span></span></strong>（アメリカ出身のプロ棋士です）の例え話を聞いて、「どれほどコンピュータの性能が進歩したか」ということが、少しわかった気になりました。<br /><br />レドモンド九段が子供の頃（40年ほど前です）、ご実家の一室は、物理学者のお父様の巨大コンピュータで埋め尽くされていたそうです。<br /><br />「それと同じだけの機能を持つコンピュータが、今では片手のてのひらにのるサイズになったわけですからね」。<br /><br />なるほど。<br />そして、「とりわけ、ここ20年の進歩には目をみはるものがある」のだそうです。<br /><br />では、この目をみはる超高性能コンピュータが囲碁を打つとどうなるのでしょうか。<br /><br /><br /><strong><span style="color:#0065CB;"><span style="font-size:large;">スーパーコンピュータ vs. 人間</span></span></strong><br /><br />ご存じの方はご存じのように、<span style="font-size:large;">チェス</span>は、1997年に、世界チャンピオンのカスパロフ氏が、ＩＢＭ製のチェスコンピュータ「ディープブルー」に１勝２敗３引き分けで敗れました。<br /><br />「ああ、人間がコンピュータに負けちゃったぁ」とかなりショックでしたが、「囲碁は大丈夫」と大船に乗っていました。<br /><br />実際、囲碁のコンピュータソフトは「史上最強」と銘打たれた新商品が次々開発されても、その実力はといえば、アマチュア初段ぐらい。<br />明らかに伸び悩んでいたからです。<br /><br /><span style="font-size:large;"><span style="color:#006598;">なぜ、コンピュータは囲碁が強くなれないのか</span></span>（強くなれなかったのか）ということを、囲碁ファンは得々として語ったものです。<br /><br />一つには（これは、さほど威張れることではないかもしれませんが）、単純に<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6598;">碁盤が広い</span></span>から。<br /><br />チェスや将棋は９マス×９マス＝81マスが競技場となるのと比べて、囲碁は19路×19路＝361の交点が舞台です。<br /><br />最初に黒石を置いてもよい場所が361カ所あり、二手目に白石を置いてもよい場所が360カ所、三手目の黒石が359カ所……この枝別れの総数を361×360×359×……と計算していくと、６手目にして２千兆を越え、７手目になると自宅の電卓には数字が現われません。<br /><br />その中から最善の一手を選ぶことは、さすがにコンピュータでも無理だろう！　と私も思いました。<br /><br /><img border="0" alt="igo19.JPG" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/igo19-thumbnail2.JPG" width="250" height="187"> <span style="font-size:x-small;"><span style="color:#FF9832;">19路盤</span></span><br /><br /><img border="0" alt="igo9.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/igo9-thumbnail2.jpg" width="250" height="187"> <span style="font-size:x-small;"><span style="color:#FF9832;">9路盤</span></span><br /><br /><br />また、一つには、<span style="color:#006598;"><span style="font-size:large;">囲碁では<span style="color:#FF6598;">「感じる」</span>ことが次の手を決める要因になる</span></span>ためです。<br /><br />例えば、「自分の石が弱いな」と感じたら守る手を選びますし、「相手の石が弱いな」と感じたら攻める手を選びます。<br /><br />でも、コンピュータは「感じる」ことはできないだろう！ と鼻高々になっていたのです。<br />ところが、コンピュータは強くなっていきました。<br /><br />将棋のソフトもめきめき腕を上げていき、羽生善治さんが何年か前に話した「将棋は、人間がコンピュータに負ける日がくる」という言葉が現実のものに。<br /><br />今年、プロ棋士がコンピュータに敗れた出来事は衝撃的でした。<br /><br />そして囲碁のソフトも、画期的に強くなりました。<br /><br />今年、プロ棋士の<strong><span style="color:#009832;">石田芳夫九段</span><span style="font-size:x-small;"><span style="color:#009832;">（２）</span></span></strong>を相手に、４子局（ハンディキャップとして、はじめに黒石を４つ置いてから始める対局）で一勝一敗という互角の戦績。<br /><br />アマチュアの五段ぐらいの腕前でしょうか。<br />これまでのアマ初段から一気に「四段」も強くなったわけです。<br /><br />その理由は、新たに<span style="font-size:large;"><span style="color:#006598;">モンテカルロ法</span></span>というプログラムを組み込んだことにあるようです。<br /><br />「モンテカルロ法」がどういうものかというと、これまたレドモンド九段の解説によると「最善手を探すというよりは、終局（対局の終わり）までの参考図を無数につくって、勝率のよい手を選ぶ」というやり方で、「これまでもモンテカルロに近い発想はあったのですが、記憶能力・計算能力上、コンピュータが無理だった」のだそうです。<br /><br />では、この先、ついに人間がコンピュータに負ける日はくるのでしょうか。<br /><br />コンピュータソフトの制作現場の方々は「あと10年でその日は来るでしょう」と余裕の表情で語られていました。<br /><br />レドモンド九段は「この20年、コンピュータそのものの伸び方はものすごくて、囲碁の５級から五段の差以上に伸びている気がします。今から20年経ったら、想像もできないコンピュータというものがある。だから<span style="font-size:large;">人間は負けちゃうんじゃないか</span>と思う。わからないことを想像してもわからないのだけど（笑）」とのこと。<br /><br />人間応援団としては、少々不安な気持ちにさせられます。<br /><br /><br /><strong><span style="color:#0065CB;"><span style="font-size:large;">コンピュータの囲碁では“感動”できない</span></span></strong><br /><br />でもそもそも、コンピュータが囲碁で人間に勝つかどうか、ということに、私はさほど興味がないかもしれない、と今気がつきました。<br />なぜなら……<br /><br />第一に、私は個人的には<span style="font-size:large;"><span style="color:#006598;">「人間はコンピュータに負けない」</span></span>と思っています。<br />記憶能力と計算能力だけでは囲碁は勝てない、と思っているからです。<br /><br />今年93歳になられる<strong><span style="color:#009832;">杉内雅男九段</span><span style="font-size:x-small;"><span style="color:#009832;">（３）</span></span></strong>は、今も現役のプロ棋士として活躍されています。<br /><br />囲碁界最高峰のタイトル「棋聖」戦では、棋士全員参加の予選を勝ち上がった12人が最後に「リーグ戦」を行って挑戦者を決定するのですが、12人中、今年は50代が４人もいます。<br /><br />もし囲碁が、記憶と計算が全てのゲームなら、10代、20代の棋士に50代の棋士が勝てるものではないでしょう。<br /><br />また、仮に一局コンピュータに負けたとしても、人間はすぐにコンピュータの弱点を研究し、癖を見抜きますので、次に対戦するときには負かすことでしょう。<br /><br />だから、突き詰めれば、コンピュータは<span style="font-size:large;">一局しか通用しない</span>のではないかと思われます。<br /><br /><br />第二に、対局の内容に関心が持てないからです。<br /><br /><span style="font-size:large;">ハッ</span>〓とさせられたり、<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6598;">感動</span></span>させられるような手をコンピュータが打つとは（偏見かもしれませんが）思えません。<br /><br />いずれ、小説を書くコンピュータが出来上がったときに、その小説を興味本位で一回は読むかもしれませんが、おそらく二回は読まないと思うのと同じです。<br /><br />さて、とはいうものの、プロ棋士たちはコンピュータに負けるわけにはいかず、中には戦々恐々とされている方もいるかもしれません。<br />でも、頼もしいエピソードがあります。<br /><br />今年、19路×19路の碁盤での対戦の他に、入門指導などでよく使う９路×９路の碁盤でも、プロ棋士とコンピュータの対戦がありました。<br /><br />碁盤が狭いわけですから、人間に不利なのは明らか。<br />対戦前は<span style="font-size:large;">「<span style="color:#FF6598;">99％</span>コンピュータが勝つ」</span>と言われました。<br /><br />でも、<strong><span style="color:#009832;">大橋拓文六段</span><span style="font-size:x-small;"><span style="color:#009832;">（４）</span></span></strong>ら若手棋士は、コンピュータの弱点・癖を研究し、見事に負かしたのです。<br /><br />このことが、今年のタイトル戦の夕食の席で話題になったとき、<strong><span style="color:#009832;">張栩（チョウ･ウ）九段</span><span style="font-size:x-small;"><span style="color:#009832;">（５）</span></span></strong>（元五冠王。今年、<strong><span style="color:#009832;">井山裕太さん</span><span style="font-size:x-small;"><span style="color:#009832;">（６）</span></span></strong>に棋聖位を奪われるまでの第一人者）は、イタズラっぽい自信に満ちた笑みを浮かべながら、こう話しました。<br /><br /><span style="color:#006598;"><span style="font-size:large;">「かりに99％負けると言われても、<span style="color:#FF6598;">１％</span>勝つ可能性があれば、人間はその１％に<span style="color:#FF6598;">100％</span>を投じることができる。だから、99などという数字は何の意味もなさない」。</span></span><br /><br />人間の能力は、それを<span style="font-size:large;">信じる</span>者によって最大限に活かされるのだろうなと、心強く思わされた張栩さんのコメントでした。<br /><br /><br /><br />〓登場棋士をご紹介します！<br />登場順。各氏の正式なプロフィールは、<a href="http://www.nihonkiin.or.jp/" target="_blank">日本棋院のＨＰ</a>をご覧ください！<br /><br /><span style="color:#009832;"><strong>（１）マイケル・レドモンド九段</strong><br />1963年、アメリカ、カリフォルニア州サンタバーバラ出身。<br />当時はインターネット対局などなかったので「このままアメリカにいたら、（自分より強い）囲碁の対戦相手がいなくなる」と、子供心に危機感を覚えて14歳で来日。2000年に、史上初めての「青い目の九段」に昇段。日本語は、内弟子（師匠の家に住みながら修業をする弟子）時代に、師匠のお母様から習い覚えました。そのため、古風な言い回しを自在にあやつり、「日本人より美しい日本語を話す」棋士としても有名。<br /><br /><strong>（２）石田芳夫九段</strong><br />1948年、愛知県出身。史上最年少、22歳で日本の三大タイトルの一つ「本因坊」を獲得。以降五連覇を達成。その他にも数々のタイトル歴があり。60歳から名誉本因坊資格により二十四世本因坊秀芳を名乗っています。<br />全盛期は計算力にすぐれ「コンピュータ」の異名は囲碁界では有名。<br />最近はわかりやすく辛辣な「名解説者」としての評価も高く、終盤に入る頃には「どちらが何目半勝つ」と言い当てるコンピュータぶりは健在。<br />歌が上手く、レコードを出したことも。<br /><br /><strong>（３）杉内雅男九段</strong><br />1920年（大正９年）、宮崎県出身。夫人の杉内寿子八段とそろって現役棋士。実績もさることながら、囲碁への真摯な態度、居ずまい、お顔立ちもあいまって、棋士たちからは「神様」と敬愛されています。<br /><br /><strong>（４）大橋拓文六段</strong><br />1984年、東京都出身。ピアノがプロ並みの腕前。<br />音楽好きのご両親の影響からか、３歳のときに「ピアノを習いたい」と頼んだとか。棋士の道を選びましたが、ピアノは弾き続け、「最近はバッハの良さがわかってきた」とのこと。新宿の某レストランに依頼されてときどき演奏しています。詰碁（囲碁の問題）づくりも得意で、「武光徹の曲を聴いていたときに、でっかい詰碁がひらめいた」りするそうです。<br /><br /><strong>（５）張栩九段</strong><br />1980年、台湾台北市出身。４年前に史上初の五冠達成。３年前に史上２人目のグランドスラム（七大タイトルを一度は獲得）を達成。<br />ある会場で、「一日にどのぐらい囲碁の勉強をするのですか？」という質問に「２８時間」と答えて話題になりました。ご本人は、普通に答えてもつまらないと思い、「え？　それはどういう意味ですか？」と興味を持ってもらう作戦だったそうですが「会場がシーンとしてしまって、困った」と笑っていました。<br />奥が深くウィットに富んだ明言は数知れず。少しずつご紹介したいです。<br /><br /><strong>（６）井山裕太五冠</strong><br />1989年（平成元年）、大阪府出身。<br />昨年結婚した将棋の棋士、室田伊緒初段とは、生年月日が同じ！　お二人の誕生日に入籍されました。今年史上初の六冠の偉業を達成。新聞やテレビでも大きく報道されました。<br />現在は「碁聖」戦のタイトルマッチ五番勝負の最中。井山碁聖は１勝２敗と追い込まれています。第４局は８月９日（金）。どうなるでしょう？！　<br />井山さんといえば、師匠の石井邦生九段に、プロになる前にネット対局で千局も打ってもらったことでも有名（師匠は弟子とは直接対局しないのが囲碁界の常識でした）。その石井九段は最近「井山さんに千局も打ってもらったのに、どうして石井さんは強くならなかったんだろうねえ」と冷やかされているそうです。<br /></span><br /><br />〓今年から日本棋院（公益財団法人。日本の囲碁を代表する団体）では、プロ棋士とコンピュータ囲碁との公式定期戦<span style="font-size:large;"><span style="color:#006598;"> 「電聖戦」</span></span>を開催しています。<br />興味のある方はぜひチェックしてみてください。<br />日本棋院HP：<a href="http://www.nihonkiin.or.jp/news/2012/11/1_18.html" target="_blank">http://www.nihonkiin.or.jp/news/2012/11/1_18.html</a><br /><br /><br /><span style="color:#FF0032;">---------------------------------------------------------------------</span><br /><strong><span style="color:#FF0032;"><span style="font-size:large;">集英社インターナショナル好評既刊</span></span></strong><br /><span style="color:#FF0032;">---------------------------------------------------------------------</span><br /><br /><strong><span style="color:#006598;"><ins>■『わが天才棋士・井山裕太』（石井邦生･著）</ins></span></strong><br /><strong><span style="color:#000098;">師匠がみた天才棋士の素顔と成長の記録</span></strong><br /><img border="0" alt="iyamayuta.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/iyamayuta-thumbnail2.jpg" width="105" height="150"><br /><a href="http://www.shueisha-int.co.jp/archives/210" target="_blank">書籍詳細はこちら</a>／<a href="http://books.shueisha.co.jp/CGI/search/syousai_put.cgi?isbn_cd=978-4-7976-7195-7&mode=1" target="_blank">書籍を購入する</a><br /><br /><a name="more"></a>

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            <category>コラム</category>
      <author>si</author>
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      <title>第1回：「囲碁」と教育</title>
      <pubDate>Thu, 27 Jun 2013 00:00:00 +0900</pubDate>
            <description>はじめまして。「囲碁ライター」の高見亮子と申します。集英社インターナショナルさんから出版された『ヒカルの碁勝利学』、『ヒカルの囲碁入門』シリーズ（いずれも石倉昇九段著）の編集を手伝わせていただいたご縁で、「囲碁にまつわるアレコレをブログで紹介してみませんか？」という嬉しいご提案をいただき、喜び勇んでお引き受けした次第です。どうぞよろしくお願いいたします。今回は、「囲碁と教育」という側面から……少々堅い感じですが……囲碁をご紹介してみましょう。「囲碁」の授業は東大だけじゃない！..</description>
            <itunes:summary><![CDATA[

はじめまして。
「囲碁ライター」の高見亮子と申します。

集英社インターナショナルさんから出版された『ヒカルの碁勝利学』、『ヒカルの囲碁入門』シリーズ（いずれも石倉昇九段著）の編集を手伝わせていただいたご縁で、「囲碁にまつわるアレコレをブログで紹介してみませんか？」という嬉しいご提案をいただき、喜び勇んでお引き受けした次第です。
どうぞよろしくお願いいたします。


今回は、「囲碁と教育」という側面から……
少々堅い感じですが……囲碁をご紹介してみましょう。



「囲碁」の授業は東大だけじゃない！

今、日本の教育の現場で「囲碁」が注目を集めはじめていることをご存じでしょうか。
その皮切りとなったのは、８年前、東京大学の教養学部で「囲碁」が単位の取れる授業として導入されたことでしょう。
教鞭をとったのは、プロ棋士の石倉昇九段、吉原由香里四段、黒瀧正憲七段でした。
この授業は、人気講座として定着し現在も続いています。
その後、囲碁を授業に取り入れる大学が続々と増えてきました。
早稲田大学、慶応義塾大学、青山学院大学、埼玉大学……地方を加えればもっとありますし、今後もさらに増える気がします。

また、東京都中央区の小学校でも、今年から年間10時間程度、プロ棋士が授業で囲碁を教えることになりました。
さらに、ＳＳＨ（スーパーサイエンスハイスクール）指定校（※）でも、囲碁を授業に取り入れる動きが始まったようです。

<img border="0" alt="igo01.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/igo01-4dca8-thumbnail2.jpg" width="350" height="262">
熊本県立宇土中学校で講義中の石倉昇九段　ⓒ日本棋院

※ＳＳＨ（スーパーサイエンスハイスクール）
高等学校等において、先進的な理数教育を実施するとともに、高大接続の在り方について大学との共同研究や、国際性を育むための取組を推進します。また創造性、独創性を高める指導方法、教材の開発等の取組を実施します。（「独立行政法人　科学技術振興機構　理数学習支援センター」のＨＰより）指定校は、全国で200校以上にのぼります。


では、なぜ囲碁がこんなに学校教育でとりあげられるようになったのでしょうか。

お隣の韓国は囲碁が盛んで、その底辺を支えているのが子供たちです。
子供が通う「囲碁道場」がビジネスとして立派に成立しているといいます。
日本でいえば「塾」に通う感覚でしょうか。
プロを目指す子供たちも、日本の百倍はいる、と言われています（ちなみに中国はそれ以上）。

子供たちが熱心に囲碁に取り組む理由の一つに、韓国では「プロ棋士」の人気がとても高いことがあげられます。
日本でいえばサッカー選手の日本代表なみ。
もちろん知名度も高く、街を歩いていれば振り返られるそうで、これは今のところ日本とは大違いです。

もう一つの理由は、親が熱心に子供に囲碁をやらせる、ということ。

「囲碁が頭によい、ということが、当たり前の事実として親たちに普通に浸透している」と韓国の囲碁事情に詳しい棋士たちは口をそろえます。

つまり、韓国では、頭がよくなるために、いわゆる教育ママたちが、子供を囲碁道場に通わせているわけです。
これもまた、今のところ日本とは大違いです。

でも、日本が学校の授業で囲碁を通じて子供たちに教えようとしていることは、韓国や中国が「道場」で教えていることとは少し違う方向性──文化の側面が濃いもの──だと思われます。

頭がよくなるように、とか、本気でプロを育てようということではなく、感性を豊かにする情操教育として捉えているのでしょう。



“囲碁脳”は子どもの成長を助ける

石倉九段は、「囲碁の効用」として、次の８つをあげています。
これらの効用が、教育に有効だと先生方に認知されるようになったと思われます。

１）考える力を養う。
２）コミュニケーション（相手の気持ちを考える）能力を高める。
３）バランス（相手にも与える）感覚を養う。
４）忍耐力（苦しい局面を耐える能力）をつける。
５）集中力を高める。
６）大局観を養う。
７）右脳を鍛える。
　（囲碁は感性のゲーム。コンピュータでは解明できない唯一のゲーム）
８）礼儀が身につく。

上記の「８つの効用」の一つひとつについて詳しくコメントするのは別の機会に（あるいは、石倉九段の著書に）譲ることにして･･････「なぜ学校で囲碁を？」という問いを別の角度から考えてみると･･････

囲碁は、６世紀ごろに中国から日本に伝わったという説が有力視されています。
当時の中国には、君子のたしなみとされる「琴棋書画（きんきしょが）」という言葉がありました。

この中の「棋」にご注目を。
これは囲碁のこと。

音楽（琴）、書道（書）、絵画（画）と並んで、囲碁が教養の一つと数えられていたわけです。
この４つは、日本の歴史を振り返っても大事な教養とされてきたのに、いつの間にか「囲碁」だけがこぼれ落ち、学校教育に組み込まれませんでした。
（こぼれ落ちた原因は、一時期、囲碁が賭け事であるという悪い印象を持たれたためではないか、という説があります）

ということは、「なぜ学校で囲碁を？」ではなくて逆に「なぜ学校で囲碁を教えないのか？」と考えてもよい気がします。


今回、初回の緊張もあり、なんとなく、アラマシだけになってしまいました。
最後に少しだけ、自分のことを書いてみようと思います。

私は、小学生の頃に囲碁を覚えました。
父が、私と母を並べて教えてくれたのです。
母はたちまち囲碁にハマり、毎晩のように父と打つようになりました。
私は、その頃は外で遊ぶ方が断然好きだったので、「碁を打とう」と呼びかけてくる両親から逃げ回っていました。それでも、１カ月に１回はつかまって、母と対局させられました。

ところが、どういうわけか、碁石に全くさわらずに１カ月過ごしてきたというのに、毎晩のように碁を打ってきた母に勝ってしまうのです。
母は悔しいので、また毎晩のように父に習い、私は外で遊びつづけて１カ月が経ち、またつかまって対局する。
また私が勝つ。
その繰り返しで何年も経ちました。

なぜ、私は勝てたのか。
一つには、「子供には所詮勝てないのかもしれない」という、対局する前から弱気になっていた母の精神状態が、大きく影響していたということもあるでしょう。

でも、一つには、囲碁は、ルールを覚えてある程度理解できたら、「人間の成長と共に強くなるゲーム」だからではないか、と、個人的には思っています。
当時も、勝てばもちろん嬉しいわけですが、同時に「勝手に強くなれる不思議なゲームだ」と心の中で目を丸くしていました。


最近、石倉九段が、「子供の頃に『囲碁脳』をつくっておくことが大事」という話をされており、なるほど！　と合点がいきました。

子供の頃から音楽に馴染んでいれば、自然に音楽が隣にある人生を送るようになるでしょうし、子供の頃から絵を見たり描いたりしていれば、大人になってからも「絵心」はなくなりません。
囲碁も、子供の頃に覚えれば、何の苦労もなく生涯の友になるわけです。
音楽や美術が人生の幅を広げ、豊かにするなら、囲碁もまた然り。

ところで、私が母に勝ちつづけるという現象は、私が高校生ぐらいのときに、ピタリと終わりました。
つまり、勉強している母に勝てなくなったのです。
そのとき私は「囲碁は人間の成長と共に強くなるゲームだ」という思いを新たにしました。

「だいたい、高校生ぐらいで、人間形成はおわる」というわかったふうな自論と一致して、囲碁の不思議さに妙に感心させられたものです。
そして、その不思議さに魅かれて、だんだん囲碁に興味を持つようになっていったのでした。


<img border="0" alt="igo01.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/igo01-thumbnail2.jpg" width="350" height="262">
毎年行われる、文部科学大臣杯「少年少女囲碁大会」。
地元の厳しい予選を勝ち上がって、全国大会に出場できる「少年少女」選手たちは、
中学生の部、小学生の部、ともに約百名。家族や応援団が見守る中、一堂に会して、
東京市ヶ谷にある日本棋院の二階フロアを埋め尽くす光景は圧巻！



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      <content:encoded><![CDATA[
<br />はじめまして。<br />「囲碁ライター」の高見亮子と申します。<br /><br />集英社インターナショナルさんから出版された<span style="color:#FF6500;">『ヒカルの碁勝利学』</span>、<span style="color:#FF6500;">『ヒカルの囲碁入門』シリーズ</span>（いずれも石倉昇九段著）の編集を手伝わせていただいたご縁で、「囲碁にまつわるアレコレをブログで紹介してみませんか？」という嬉しいご提案をいただき、喜び勇んでお引き受けした次第です。<br />どうぞよろしくお願いいたします。<br /><br /><br />今回は、<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF0000;"><strong>「囲碁と教育」</strong></span></span>という側面から……<br />少々堅い感じですが……囲碁をご紹介してみましょう。<br /><br /><br /><br /><strong><span style="font-size:large;"><span style="color:#0000CB;">「囲碁」の授業は東大だけじゃない！</span></span></strong><br /><br />今、日本の教育の現場で「囲碁」が注目を集めはじめていることをご存じでしょうか。<br />その皮切りとなったのは、８年前、東京大学の教養学部で「囲碁」が単位の取れる授業として導入されたことでしょう。<br />教鞭をとったのは、プロ棋士の石倉昇九段、吉原由香里四段、黒瀧正憲七段でした。<br />この授業は、人気講座として定着し現在も続いています。<br />その後、囲碁を授業に取り入れる大学が続々と増えてきました。<br />早稲田大学、慶応義塾大学、青山学院大学、埼玉大学……地方を加えればもっとありますし、今後もさらに増える気がします。<br /><br />また、東京都中央区の小学校でも、今年から年間10時間程度、プロ棋士が授業で囲碁を教えることになりました。<br />さらに、<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6500;"><ins>ＳＳＨ</span></span><ins>（スーパーサイエンスハイスクール）</ins><span style="font-size:large;"><ins>指定校</ins></span></ins><span style="color:#0000CB;">（※）</span>でも、囲碁を授業に取り入れる動きが始まったようです。<br /><br /><img border="0" alt="igo01.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/igo01-4dca8-thumbnail2.jpg" width="350" height="262"><br /><span style="color:#0000CB;"><span style="font-size:x-small;">熊本県立宇土中学校で講義中の石倉昇九段　ⓒ日本棋院</span></span><br /><br /><span style="color:#009898;"><strong>※ＳＳＨ（スーパーサイエンスハイスクール）</strong><br />高等学校等において、先進的な理数教育を実施するとともに、高大接続の在り方について大学との共同研究や、国際性を育むための取組を推進します。また創造性、独創性を高める指導方法、教材の開発等の取組を実施します。（「独立行政法人　科学技術振興機構　理数学習支援センター」のＨＰより）指定校は、全国で200校以上にのぼります。<br /></span><br /><br />では、なぜ囲碁がこんなに学校教育でとりあげられるようになったのでしょうか。<br /><br />お隣の韓国は囲碁が盛んで、その底辺を支えているのが子供たちです。<br />子供が通う<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6500;">「囲碁道場」</span></span>がビジネスとして立派に成立しているといいます。<br />日本でいえば「塾」に通う感覚でしょうか。<br />プロを目指す子供たちも、日本の百倍はいる、と言われています（ちなみに中国はそれ以上）。<br /><br />子供たちが熱心に囲碁に取り組む理由の一つに、韓国では「プロ棋士」の人気がとても高いことがあげられます。<br />日本でいえばサッカー選手の日本代表なみ。<br />もちろん知名度も高く、街を歩いていれば振り返られるそうで、これは今のところ日本とは大違いです。<br /><br />もう一つの理由は、親が熱心に子供に囲碁をやらせる、ということ。<br /><br /><span style="font-size:large;">「囲碁が<span style="color:#FF6500;">頭</span>によい、ということが、当たり前の事実として親たちに普通に浸透している」</span>と韓国の囲碁事情に詳しい棋士たちは口をそろえます。<br /><br />つまり、韓国では、頭がよくなるために、いわゆる教育ママたちが、子供を囲碁道場に通わせているわけです。<br />これもまた、今のところ日本とは大違いです。<br /><br />でも、日本が学校の授業で囲碁を通じて子供たちに教えようとしていることは、韓国や中国が「道場」で教えていることとは少し違う方向性──<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6500;">文化</span></span>の側面が濃いもの──だと思われます。<br /><br />頭がよくなるように、とか、本気でプロを育てようということではなく、感性を豊かにする情操教育として捉えているのでしょう。<br /><br /><br /><br /><strong><span style="font-size:large;"><span style="color:#0000CB;">“囲碁脳”は子どもの成長を助ける</span></span></strong><br /><br />石倉九段は、<span style="font-size:large;">「囲碁の<span style="color:#FF6500;">効用</span>」</span>として、次の８つをあげています。<br />これらの効用が、教育に有効だと先生方に認知されるようになったと思われます。<br /><br /><span style="color:#FF3298;"><strong>１）考える力を養う。<br />２）コミュニケーション（相手の気持ちを考える）能力を高める。<br />３）バランス（相手にも与える）感覚を養う。<br />４）忍耐力（苦しい局面を耐える能力）をつける。<br />５）集中力を高める。<br />６）大局観を養う。<br />７）右脳を鍛える。<br />　（囲碁は感性のゲーム。コンピュータでは解明できない唯一のゲーム）<br />８）礼儀が身につく。</strong></span><br /><br />上記の「８つの効用」の一つひとつについて詳しくコメントするのは別の機会に（あるいは、石倉九段の著書に）譲ることにして･･････「なぜ学校で囲碁を？」という問いを別の角度から考えてみると･･････<br /><br />囲碁は、６世紀ごろに中国から日本に伝わったという説が有力視されています。<br />当時の中国には、君子のたしなみとされる「<span style="font-size:large;">琴棋書画</span>（きんきしょが）」という言葉がありました。<br /><br />この中の<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6500;">「棋」</span></span>にご注目を。<br />これは囲碁のこと。<br /><br />音楽（琴）、書道（書）、絵画（画）と並んで、囲碁が教養の一つと数えられていたわけです。<br />この４つは、日本の歴史を振り返っても大事な教養とされてきたのに、いつの間にか「囲碁」だけがこぼれ落ち、学校教育に組み込まれませんでした。<br />（こぼれ落ちた原因は、一時期、囲碁が賭け事であるという悪い印象を持たれたためではないか、という説があります）<br /><br />ということは、「なぜ学校で囲碁を？」ではなくて逆に<span style="font-size:large;">「なぜ<span style="color:#FF6500;">学校</span>で囲碁を教えないのか？」</span>と考えてもよい気がします。<br /><br /><br />今回、初回の緊張もあり、なんとなく、アラマシだけになってしまいました。<br />最後に少しだけ、自分のことを書いてみようと思います。<br /><br />私は、小学生の頃に囲碁を覚えました。<br />父が、私と母を並べて教えてくれたのです。<br />母はたちまち囲碁にハマり、毎晩のように父と打つようになりました。<br />私は、その頃は外で遊ぶ方が断然好きだったので、「碁を打とう」と呼びかけてくる両親から逃げ回っていました。それでも、１カ月に１回はつかまって、母と対局させられました。<br /><br />ところが、どういうわけか、碁石に全くさわらずに１カ月過ごしてきたというのに、毎晩のように碁を打ってきた母に勝ってしまうのです。<br />母は悔しいので、また毎晩のように父に習い、私は外で遊びつづけて１カ月が経ち、またつかまって対局する。<br />また私が勝つ。<br />その繰り返しで何年も経ちました。<br /><br />なぜ、私は勝てたのか。<br />一つには、「子供には所詮勝てないのかもしれない」という、対局する前から弱気になっていた母の精神状態が、大きく影響していたということもあるでしょう。<br /><br />でも、一つには、囲碁は、ルールを覚えてある程度理解できたら、「人間の成長と共に強くなるゲーム」だからではないか、と、個人的には思っています。<br />当時も、勝てばもちろん嬉しいわけですが、同時に「勝手に強くなれる不思議なゲームだ」と心の中で目を丸くしていました。<br /><br /><br />最近、石倉九段が、<span style="font-size:large;">「子供の頃に<span style="color:#FF6500;">『囲碁脳』</span>をつくっておくことが大事」</span>という話をされており、なるほど！　と合点がいきました。<br /><br />子供の頃から音楽に馴染んでいれば、自然に音楽が隣にある人生を送るようになるでしょうし、子供の頃から絵を見たり描いたりしていれば、大人になってからも「絵心」はなくなりません。<br />囲碁も、子供の頃に覚えれば、何の苦労もなく生涯の友になるわけです。<br />音楽や美術が人生の幅を広げ、豊かにするなら、囲碁もまた然り。<br /><br />ところで、私が母に勝ちつづけるという現象は、私が高校生ぐらいのときに、ピタリと終わりました。<br />つまり、勉強している母に勝てなくなったのです。<br />そのとき私は<span style="font-size:large;">「囲碁は人間の<span style="color:#FF6500;">成長</span>と共に強くなるゲームだ」</span>という思いを新たにしました。<br /><br />「だいたい、高校生ぐらいで、人間形成はおわる」というわかったふうな自論と一致して、囲碁の不思議さに妙に感心させられたものです。<br />そして、その不思議さに魅かれて、だんだん囲碁に興味を持つようになっていったのでした。<br /><br /><br /><img border="0" alt="igo01.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/igo01-thumbnail2.jpg" width="350" height="262"><br /><span style="color:#0000CB;"><span style="font-size:x-small;">毎年行われる、文部科学大臣杯「少年少女囲碁大会」。<br />地元の厳しい予選を勝ち上がって、全国大会に出場できる「少年少女」選手たちは、<br />中学生の部、小学生の部、ともに約百名。家族や応援団が見守る中、一堂に会して、<br />東京市ヶ谷にある日本棋院の二階フロアを埋め尽くす光景は圧巻！</span><br /></span><br /><br /><br /><span style="color:#FF0032;">---------------------------------------------------------------------</span><br /><strong><span style="color:#FF0032;">シリーズ累計<span style="font-size:large;">13</span>万部突破!!</span></strong><br /><strong><span style="font-size:large;"><span style="color:#FF0032;">集英社インターナショナル</span></span></strong><strong><span style="color:#FF0032;">の</span></strong><strong><span style="font-size:large;"><span style="color:#FF0032;">｢囲碁｣</span></span></strong><strong><span style="color:#FF0032;">の</span></strong><strong><span style="font-size:large;"><span style="color:#FF0032;">本</span></span></strong><br /><span style="color:#FF0032;">---------------------------------------------------------------------</span><br /><br /><strong><span style="color:#006598;"><ins>■『ヒカルの囲碁』（石倉昇･著／高見亮子･編集協力）</ins></span></strong><br /><strong><span style="color:#000098;">「囲碁」初心者におすすめの入門書！（５万部突破！）</span></strong><br /><img border="0" alt="hikarunoigo-nyumon.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/hikarunoigo-nyumon-thumbnail2.jpg" width="106" height="150"><br /><a href="http://www.shueisha-int.co.jp/archives/289" target="_blank">書籍詳細はこちら</a>／<a href="http://books.shueisha.co.jp/CGI/search/syousai_put.cgi?isbn_cd=978-4-7976-7188-9&mode=1" target="_blank">書籍を購入する</a><br /><br /><br /><strong><span style="color:#006598;"><ins>■『ヒカルの囲碁入門・実戦編』（石倉昇･著／高見亮子･編集協力）</ins></span></strong><br /><strong><span style="color:#000098;">「初段以上」の実力を身につける！</span></strong><br /><img border="0" alt="hikaru-jissenn.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/hikaru-jissenn-thumbnail2.jpg" width="105" height="150"><br /><a href="http://www.shueisha-int.co.jp/archives/1096" target="_blank">書籍情報はこちら</a>／<a href="http://books.shueisha.co.jp/CGI/search/syousai_put.cgi?isbn_cd=978-4-7976-7199-5&mode=1" target="_blank">書籍を購入する</a><br /><br /><br /><strong><ins><span style="color:#006598;">■『ヒカルの囲碁入門・問題集』（石倉昇･著／高見亮子･編集協力）</span></ins></strong><br /><strong><span style="color:#000098;">初級から三段まで、問題を解きながら必勝法を伝授！</span></strong><br /><img border="0" alt="hikaru_mondai.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/hikaru_mondai-thumbnail2.jpg" width="105" height="150"><br /><a href="http://www.shueisha-int.co.jp/archives/2608" target="_blank">書籍情報はこちら</a>／<a href="http://books.shueisha.co.jp/CGI/search/syousai_put.cgi?isbn_cd=978-4-7976-7244-2&mode=1" target="_blank">書籍を購入する</a><br /><br /><br /><strong><ins><span style="color:#006598;">■『ヒカルの碁勝利学』（石倉昇･著／高見亮子･編集協力）</span></ins></strong><br /><strong><span style="color:#000098;">東大出身の異色のプロ棋士、石倉昇九段の｢勝利の哲学｣！</span></strong><br /><img border="0" alt="hikarunogo.jpg" src="http://si-igo.up.seesaa.net/image/hikarunogo-thumbnail2.jpg" width="97" height="150"><br /><a href="http://www.shueisha-int.co.jp/archives/389" target="_blank">書籍情報はこちら</a>／<a href="http://books.shueisha.co.jp/CGI/search/syousai_put.cgi?isbn_cd=4-7976-7050-9&mode=1" target="_blank">書籍を購入する</a><br /><a name="more"></a>

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            <category>コラム</category>
      <author>si</author>
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      <link>https://si-igo.seesaa.net/article/366312795.html</link>
      <title>はじめに</title>
      <pubDate>Wed, 26 Jun 2013 00:00:00 +0900</pubDate>
            <description>集英社インターナショナル・Web担当です。「囲碁」ってどんなイメージでしょう。なんとなく近寄りがたい、身近ではない、ルールも知らない･･････そんな人が多いのではないでしょうか。私もそのひとりです。でも、なんだかずーっと気になる存在。親しくなったら、すごく楽しそう。それに、賢くなれそう…そうは思ってもきっかけもなく、はじめの一歩が踏み出せずにいたら、囲碁ライターの高見亮子さんが囲碁コラムを書いてくれることになりました。君子のたしなみであり、頭がよくなるための「囲碁」。右脳を..</description>
            <itunes:summary><![CDATA[

集英社インターナショナル・Web担当です。

「囲碁」ってどんなイメージでしょう。
なんとなく近寄りがたい、身近ではない、ルールも知らない･･････
そんな人が多いのではないでしょうか。

私もそのひとりです。
でも、なんだかずーっと気になる存在。
親しくなったら、すごく楽しそう。
それに、賢くなれそう…

そうは思ってもきっかけもなく、はじめの一歩が踏み出せずにいたら、
囲碁ライターの高見亮子さんが囲碁コラムを書いてくれることになりました。

君子のたしなみであり、頭がよくなるための「囲碁」。
右脳を鍛え、情操教育に役立つ、感性を育む「囲碁」。
ルールを覚え、理解し、強さを試す、ゲームとしての「囲碁」。
頭の中からキレイになれる、女子力アップ〓に役立つ「囲碁」。

「囲碁」には、それはそれはいろんな要素が詰まっているのです。
はじめるのは何歳からでも遅くありません。
性別も国境も関係なし。

“囲碁脳”を身につけたら、考える力も、心の豊かさも、コミュニケーション能力も、女子力も、全部ひっくるめた〓＜人間力＞〓が鍛えられるのです。

読んだらきっと、囲碁をはじめてみたくなる、囲碁をもっと知りたくなる…
そんなコラムのはじまりはじまり。


※コラムは毎月１回更新予定です。


<a></a>

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      <content:encoded><![CDATA[
<br />集英社インターナショナル・Web担当です。<br /><br /><span style="font-size:large;">「囲碁」</span>ってどんなイメージでしょう。<br />なんとなく近寄りがたい、身近ではない、ルールも知らない･･････<br />そんな人が多いのではないでしょうか。<br /><br />私もそのひとりです。<br />でも、なんだかずーっと気になる存在。<br />親しくなったら、すごく楽しそう。<br />それに、賢くなれそう…<br /><br />そうは思ってもきっかけもなく、はじめの一歩が踏み出せずにいたら、<br />囲碁ライターの高見亮子さんが囲碁コラムを書いてくれることになりました。<br /><br />君子のたしなみであり、<span style="color:#000098;"><strong><span style="font-size:large;">頭がよくなる</span></strong></span>ための「囲碁」。<br />右脳を鍛え、情操教育に役立つ、<span style="color:#009865;"><strong><span style="font-size:large;">感性を育む</span></strong></span>「囲碁」。<br />ルールを覚え、理解し、強さを試す、<span style="color:#FF0000;"><strong><span style="font-size:large;">ゲーム</span></strong></span>としての「囲碁」。<br />頭の中からキレイになれる、<span style="color:#FF3298;"><strong><span style="font-size:large;">女子力アップ</span></strong>〓</span>に役立つ「囲碁」。<br /><br />「囲碁」には、それはそれはいろんな要素が詰まっているのです。<br />はじめるのは何歳からでも遅くありません。<br />性別も国境も関係なし。<br /><br /><span style="font-size:large;"><span style="color:#FF6500;">“囲碁脳”</span></span>を身につけたら、考える力も、心の豊かさも、コミュニケーション能力も、女子力も、全部ひっくるめた<span style="font-size:large;"><span style="color:#FF0000;">〓＜人間力＞〓</span></span>が鍛えられるのです。<br /><br />読んだらきっと、囲碁をはじめてみたくなる、囲碁をもっと知りたくなる…<br />そんなコラムのはじまりはじまり。<br /><br /><br />※コラムは毎月１回更新予定です。<br /><br /><br /><a name="more"></a>

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            <category>はじめに</category>
      <author>si</author>
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                </item>
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